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12/29【RIZIN/BELLATOR】ヒョードルが日本ラストマッチで有終の美 ランペイジを強打粉砕

『BELLATOR JAPAN』さいたまスーパーアリーナ(2019年12月29日)
ユニファイドルール(ヘビー級) ○エメリヤーエンコ・ヒョードルvクイントン・“ランペイジ"・ジャクソン×

 ヒョードルが日本ラストマッチでランペイジを強打で粉砕。勝利で有終の美を飾り、笑顔で日本に別れを告げた。

 2000年にリングスでデビューすると、PRIDEヘビー級王者に君臨するなど10年間無敗記録を守り、世界最強を意味する“60億分の1の男"と称されたヒョードル。かつては年末の総合格闘技イベントでも中心的存在だったが、近年は試合ペースが落ち、敗北も目立つように。そこで43歳となった今年、引退を表明。BELLATORと新たに3試合の契約し、引退ツアーを行うことになった。その初戦で日本ラストマッチが実現。同じくPRIDEのミドル級で活躍したランペイジと対戦した。

 ランペイジがPRIDEのテーマに乗って姿を現すと、いやが上にも場内には期待感が充満する。続いて、ヒョードルが入場すると、場内は大きな歓声に包まれた。ヒョードルはゴング早々に全盛期を思わせる強烈な右ストレートや左右のフックで先手。ランペイジが大振りのフックを放ってもキッチリと回避し、冷徹な表情でローキックやアッパーを浴びせていく。完全に主導権を握った“60億分の1の男"は右ストレートを一閃。直撃を受けたランペイジは前のめりに崩れ落ちると、レフェリーは試合をストップ。ヒョードルが圧倒的な強さを見せつけて、日本ラストマッチを勝利で飾った。

 ヒョードルは今回がさいたまSAで14戦目となったが、この会場での無敗を最後まで守った。ランペイジと抱擁を交わして、勝ち名乗りを受けると、やっと微笑を浮かべる。勝利者インタビューでは「皆さんとともに今日この時間を過ごすことができて、本当に心から喜んでいます。今一度日本に来れたこと、そして勝利を収めて皆さんと分かち合えたことを心から感謝しています」と切々と思いを語り、「今回が日本の皆様に直接見ていただく最後の試合となりました。長いキャリアをこの日本の地で築き上げ、皆さんと最後の試合を分かち合えたことを何より嬉しく思います。ありがとうございました」と感慨深げにメッセージ。その後も「皆さん、本当にありがとうございます。もう一度感謝を述べます。そして、この試合の実現に寄与してくださった全ての方々に感謝したいと思います。皆さんに愛を届けたいです」と何度も感謝の言葉を口にした。

 さいたまSAの観客から引退を惜しむ大歓声が巻き起こる。ヒョードルは花道を去りながら、何度も何度も手を振って、日本のファンに別れを告げた。

 微笑を浮かべてコメントブースに姿を現すと、「また再び日本に戻ることができて、そして試合をすることができた。これを大変嬉しく思っています。今回は勝利できて、感激もひとしおです。特にこの会場…さいたまスーパーアリーナでは何度も試合をしてきましたし、この会場で勝つことができたのは、私にとっては特別な思いです」と日本ラストマッチを感慨深げに振り返ったヒョードル。「明日までにしっかりと自分の体調を整えてから考えたいと思います。少し休んで、自分のチームの人間の育成のことを考えたいですね」と今後については明言を避けたが、引退ツアーの第2戦をヨーロッパ、第3戦を地元ロシアで開催する方向で調整している。

 最も思い出深い日本での試合に2003年と2004年に実現したアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ戦を挙げると、最後には「MMAがこれからメインのスポーツになるためには、注意をいつも喚起すること。自分たちのこのスポーツが魅力的だとアピールしていく必要があると思います。そのためには、どの試合でも勝利を目指して勝ち続けていくこと。それによって、若い人たちもこのスポーツに興味を持っていくと思いますし、盛り上がるはずです」と若い選手たちにエールを贈ったヒョードルだった。

【試合後のヒョードル】
――試合後の率直な感想は?

▼ヒョードル「また再び日本に戻ることができて、そして試合をすることができた。これを大変嬉しく思っています。今回は勝利できて、感激もひとしおです。特にこの会場…さいたまスーパーアリーナでは何度も試合をしてきましたし、この会場で勝つことができたのは、私にとっては特別な思いです」

――対戦相手の印象は?

▼ヒョードル「長いこと日本でも一緒にいろんな試合に出場してきましたから、私にとってはファイターの中で最も親しい人のひとりです」

――今後の展望は?

▼ヒョードル「明日までにしっかりと自分の体調を整えてから考えたいと思います。少し休んで、自分のチームの人間の育成のことを考えたいですね」

――前日の記者会見で、お互いにPRIDE時代のような素晴らしいファイトを若手に見せたいと言っていた。娘さんの誕生日でもあるとのことだが、試合を終えて、そういう試合ができたと考えている?

▼ヒョードル「できたと思います。ロシア全体が私の勝利を喜んでくれているはずです。私の娘や家族だけではなく、ロシアの人たちが、そしてロシアが喜んでくれていると思います。日本だけでなく、世界のファンの皆さんに心からのありがとうと気持ちを伝えたいです。信念のプレゼントを皆さんに届けることができた。これを大変に嬉しく思います」

――日本でのラストファイトを終えて、思い出深いさいたまスーパーアリーナでどんな思いが試合直後にこみ上げてきた?

▼ヒョードル「私がキャリアを始めたばかりの時から、今の質問をしてくれたジャーナリストの顔をよく覚えています。私が実際に日本でファイトを始めた頃が一番印象深いです。このさいたまSAで何度も試合をしましたし、今回最後の試合をこの会場で終えることができたことにとても感激しています」

――ヒョードル選手は日本で多くの試合を重ねてきたが、一番思い出深い試合は?

▼ヒョードル「私にとって一番印象深い試合はアントニオ・ホドリゴ・ノゲイラ戦です。日本のファイターともたくさん戦いましたけど、皆さんそれぞれ素晴らしかった。いろんな思い出があります」

――格闘技界が盛り上がるために若い選手に期待することは?

▼ヒョードル「MMAがこれからメインのスポーツになるためには、注意をいつも喚起すること。自分たちのこのスポーツが魅力的だとアピールしていく必要があると思います。そのためには、どの試合でも勝利を目指して勝ち続けていくこと。それによって、若い人たちもこのスポーツに興味を持っていくと思いますし、盛り上がるはずです」

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