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2/28【MASTERS】蝶野乱入も猪木記念試合で愛弟子・藤波&藤原が快勝

『PRO-WRESTLING MASTERS』東京・後楽園ホール(2020年2月28日)
○藤波辰爾&藤原喜明vs武藤敬司&スーパーJ×with蝶野正洋

 猪木の60周年記念試合で愛弟子の藤波&藤原が奮闘。蝶野が乱入したものの返り討ちにし、最後は藤波がスーパーJをドラゴンスリーパーで仕留めた。

 今年はアントニオ猪木デビュー60周年の記念イヤー。そこでメインイベントは“燃える闘魂60周年メモリアルスペシャルタッグマッチ"と題し、若手時代から猪木の指導を受けてきた藤波&藤原がタッグを組み、同じく猪木の弟子にあたる武藤にスーパーJ、そしてセコンドの蝶野を加えたチームと激突した。当初は新日本の天山広吉、小島聡の出場を予定していたが、欠場となり、対戦カードが変更。MASTERSのリングでは反目してきた武藤と蝶野が急きょ共闘することになった。

 試合に先立ち、最初に蝶野が入場。マイクを持つと、「おい、お前ら。よくもヌケヌケと今日出てきたな。おい、今日な、気をつけてもらいたいことがいくつかある。まずこれから出てくるメインイベント、ジジイ2人だ。よく覚悟して見とけ。それから、お前らも同じように年取ってんだ。わかるか? 声援は小さく。年寄りをあんまり刺激すんじゃねえぞ、オラ!」と注意を促した。その上で、「MASTERS、今日開催は無謀かなと思いましたけども、この英断に武藤敬司に心からお礼申し上げます。今日はたくさんのゲストが控えているということです。メインイベント、ぜひ小さな声で声援してください。よろしくお願いします」とあいさつ。続いて、武藤とスーパーJがリングに入ると、蝶野がロープを広げて迎え入れ、最後に藤原、藤波が入場。場内は大歓声に包まれる。

 「プロレスは戦いなり。受け継がれし、ニュージャパン・バーニングスピリット。燃える闘魂60周年メモリアルスペシャルタッグマッチ、60分1本勝負を行います」。田中ケロリングアナの前口上により、試合はスタートした。

 スーパーJに先発を譲った武藤だったが、二番手でリングに入ると、藤原とグラウンド戦で火花を散らす。互いにアームロックで競り合うと、武藤はエプロンに退避した藤原をコーナーの金具に頭から叩きつけた。しかし、藤原は動じず。自ら頭を金具に叩きつけて気合いを見せると、額から流血したのも気にせず、武藤に頭突きをねじ込んだ。さすがの武藤も場外に逃げ出し、蝶野とともに後ずさりする。

 藤波が相手になると、武藤はフラッシングエルボーやSTFで攻め立て、ドラゴンスクリューから足4の字固めに繋げて好機を掴む。藤波が自力でロープに手を伸ばすと、再度ドラゴンスクリューを狙ったが、藤波は張り倒す意地を見せてピンチを脱した。

 あとを受けた藤原が再び奮戦。流血しながらも頭突きを連発して武藤、さらには代わったスーパーJを痛めつけると、あとを受けた藤波はドラゴンスクリューから足4の字固めに捕らえる。武藤が慌ててカットに飛び込むが、藤原が脇固めで分断。すかさず藤波はドラゴンスリーパーでスーパーJを絞め上げた。

 ここで蝶野が乱入。制止する田山正雄レフェリーをなぎ倒すと、藤波の動きを止めて、武藤のシャイニングウィザードを呼び込む。さらに、藤波にケンカキックを放つが、避けられてスーパーJに誤爆。即座に藤原が頭突きで蝶野を排除すると、藤波は今度こそドラゴンスリーパーでスーパーJを絞め上げてギブアップを奪い取った。

 勝利で師匠のメモリアルマッチに花を添えた藤波は、今後に向けて、先日立ち上げを発表したプロレス殿堂会に触れ、「僕らはこれが最後の使命かなと、プロレス界では最後の使命かなと思います」と改めて意欲。新型コロナウイルス問題の最中での大会開催となったことについては「来てくれたファンはありがたいですよ。僕らも声を大にして言えないんだけど、日本全国、世界がこういう形でみんなが重視している部分だから。このあとに長引かないように願うばかりでね」と来場したファンに感謝の意を表した。

【試合後の藤波】
――猪木さんのメモリアルマッチとなったが、今後に向けては?

▼藤波「我々ができる役目は今のプロレス界にも当然あるでしょうし、若い選手もとにかく精一杯出し惜しみなく頑張ってほしいし。僕も時折見てますけどね。でも、僕らがどうしても橋渡しというか、我々の当時のファンを今の若い選手のファンに結びつける。そういう役回りなのかなと。それと、こういう中で、先だって立ち上げた日本プロレス殿堂会っていう。これは着々と今、準備が進んでいますけど、とにかくこれを早く我々のものじゃなく…口を酸っぱくして言うけど、これを立ち上げた長州、天龍、我々のものじゃなくて。誰かが立ち上げないといけないんでね。そういう部分で、我々は立ち上げてますけど、早く若い選手の励みになるような、そういうものにしていきたいというのがありますね。それと同時に、長く応援してくれるファンも一緒にこのプロレス界を盛り上げられるサポーターズクラブというのを一緒に立ち上げてますから。それがいつか形になって。WWEがいろいろなところで毎年行う式典と同じようにできればなというのが夢としてありますし。そうでないと、これから先々ね。『あの時にああいうスポーツがあったな』『あの時、ああいう選手がいたな』じゃなくてね。もう1回日の目を見れるように。それと、我々はプロレス界だけじゃなくて。今回のこういう問題ではできませんけど、何かにつけて、いろんな形で殿堂会が何か役立つものに、オーバーじゃなくてね、やっていければなと思うんで。そのためにも、僕らは元気で、残された、限られた時間で、頑張って。僕らはこれが最後の使命かなと、プロレス界では最後の使命かなと思います」

――今日はこんな状況にかかわらず、たくさんのファンが集まったが?

▼藤波「来てくれたファンはありがたいですよ。僕らも声を大にして言えないんだけど、日本全国、世界がこういう形でみんなが重視している部分だから。このあとに長引かないように願うばかりでね」

【試合後の武藤】
――藤原選手が元気だったが?

▼武藤「元気ですね。本当に元気だった。戦ってても、世の中、このような状況で、結果的には今日やったとして、ちょっといろんな俺自身、ナーバスな部分はあったけど、大先輩方2人とやってて、楽しくもあり、なんかエネルギーをいただきましたよ。いい汗かけました」

――蝶野選手とはMASTERSで対角にいることが多かったが、今日は並び立った

▼武藤「今から登場される猪木さんの言葉にある『一寸先はハプニング』と。まさしくここ2、3日はそのような状態で過ごしてたからさ。本当は対角線にいるはずだけど。だけど、なんか久しぶりだけど、意外と蝶野も元気で、非常に協力的だったような気がして、それはそれで嬉しかったですね」

――試合は猪木さんのメモリアルマッチとなったが?

▼武藤「これ(セレモニー)ばっかりは猪木さんに任せてるから。投げっぱなしだからわからねえよ。俺たちも予測できねえじゃん。あの人の言うこととか。今から俺も楽しみですよ。久しく会ってないからね。俺も猪木さんを体感したいと思ってます」

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