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3/19【リアルジャパン】藤田圧勝「俺たちがリアル」 S・タイガー惨敗も船木のゲキに「必ず這い上がる」

『初代タイガーマスク 佐山サトル ストロングスタイルプロレスVol.5』東京・後楽園ホール(2020年3月19日)
○藤田和之&杉浦貴vs関本大介&スーパー・タイガー×

 レジェンド王者の藤田がタイトル挑戦を狙うS・タイガーに圧勝。「お前ら終わりだな。いいか、よく聞け。俺たちがリアルなんだよ!」と勝ち誇った。肩を落としたS・タイガーだったが、船木に「いつまでも佐山さんに頼ったらダメです。そろそろ一本立ちしないと」とゲキを受けると、「必ず這い上がってみせます。絶対勝つぞ!」と再起を誓った。

 リアルジャパンの至宝・レジェンド王座は現在、藤田が保持。団体創立15周年記念イヤーでベルトを取り戻すべく、S・タイガーが挑戦に名乗りを上げたが、藤田は認めず、代わりに大日本・関本との対戦を熱望した。しかし、S・タイガーは引き下がらず、折衷案としてタッグマッチが浮上。藤田がノアマットで共闘しているGHCナショナル王者の杉浦をパートナーに指名し、藤田&杉浦vsS・タイガー&関本のタッグマッチがメインイベントに組まれた。

 会見の席でS・タイガーを徹底的に無視した藤田は、リング上でもスカしてみせた。S・タイガーが先発を買って出ると、藤田は応じる構えを見せたうえで、何もせずに杉浦にスイッチして挑発する。その後、杉浦と関本が白熱の肉弾戦を繰り広げて場内を湧かすと、ようやく藤田とS・タイガーが対峙。荒ぶるS・タイガーはミドルキックやサッカーボールキックなどで激情をぶつけた。しかし、グラウンドになると藤田が圧倒。袈裟固めからチキンウイングアームロックに捕獲すると、ロープブレイクを気にせず絞め続け、気迫全開でストンピングを連打。あとを受けた杉浦も厳しい攻撃を続け、代わる代わるにS・タイガーを攻め立てた。

 藤田の逆エビ固めに捕まり、息も絶え絶えのS・タイガーだったが、関本の猛ゲキを受けて発奮し、杉浦にニールキックを放ってどうにか反撃を果たす。タッチをもらった関本は杉浦をブレーンバスターでぶん投げると、アルゼンチンバックブリーカーに捕獲。その後も真っ向勝負でぶつかり合う。杉浦のエルボーと関本のショートレンジラリアットが何発も交錯して両者大の字になると、再び藤田とS・タイガーが向かい合った。

 フロントネックチャンスリー、ニードロップと畳みかけたS・タイガーはローキック連打からスピンキックを発射するも、倒れない藤田は強烈なラリアットを振り抜いて攻勢に。杉浦が加勢に入り、交互にこん身のエルボーを発射。メッタ打ちにしてS・タイガーにヒザをつかせると、藤田はランニングニーを土手っ腹に突き刺し、パワーボムでマットに叩きつけた。杉浦が関本を場外に分断すると、藤田はスリーパーで絞め落としにかかる。

 しかし、S・タイガーが粘りに粘ると、杉浦を振り払った関本が藤田を投げ捨てジャーマンで引き離す。杉浦がジャーマンで投げても止まらない関本はラリアットで排除し、S・タイガーを援護した。それに応えた虎戦士は藤田をローキック、ミドルキックでこれでもかと蹴り飛ばし、右ハイキックを一閃。フラフラの藤田にツームストンパイルドライバーを敢行する。しかし、タイガースープレックスはコーナーに押し込まれて未遂に。猛攻に転じた藤田が左右のビンダを乱射し、四つん這いになったS・タイガーの顔面を蹴り上げ、なおもサッカーボールキックを連発。もはや虫の息のS・タイガーをパワーボムでぶん投げ、3カウントを奪い取った。

 藤田がS・タイガーに圧勝。試合後、マイクを持った野獣は「お前ら終わりだな」と吐き捨て、「いいか、よく聞け。俺たちがリアルなんだよ! いつだって相手してやるよ」と断言した。

 挑発的な言葉を聞いても言い返せず、肩を落とすS・タイガーの前に立ったのが、ここまでリアルジャパンを援護してきた船木だ。マイクを手にすると、「S・タイガー…また負けましたか。何回も負けて、そんな姿見たくないです。みんな応援してるのに。いつまでも佐山さんに頼ったらダメです。そろそろ一本立ちしないと。いつまでもいないですよ、佐山さんは。今日みたいに来ない試合もあるんですよ。その時は俺らが頑張らないと。本気で。藤田と勝つまで! 勝つまで! その姿見せないとダメだよ。いつまでも時間はない。人生はあっと言う間に終わるから」と猛ゲキを飛ばした。

 藤田たちは船木のマイクを無視して去っていったが、その熱い言葉を受け止めたS・タイガーは立ち上がり、「今日もまた負けた! でもな、この命ある限り、必ず這い上がってみせます。絶対勝つぞ!」と再起を誓った。

 「船木選手に言われたように、初代タイガーマスクが…わかってます、わかってます。わかった上で、ここまで来て、まだもがいています。僕は今回、それなりの覚悟を持って戦い、試合に負けました。でも、諦めてません」とバックステージでも宣言したS・タイガー。藤田たちとの戦いでプロレスの面白さを改めて体感し、自分のファイトスタイルに手応えも感じているようで、「僕自身負けて悔しいですけど、必ず追いつける自信があります。命ある限り、諦めるっていうことは絶対ない。必ず、必ず倒してみせます」と藤田超えとレジェンド王座奪還を自らに厳命した。

【試合後の藤田&杉浦】
▼藤田「言いたいことはもうリングで言ったよ。あとは何かある?」

――「俺たちがリアルだ」と言っていたが?

▼藤田「お客さんの反応見ればわかるじゃない? そういうことだよ。俺たちがリアルなんだよ。リアルだから、いつだって相手してやるよ。俺たちがな」

――杉浦選手の他、セコンドにも鈴木秀樹選手たちがいたが、みんなでと?

▼藤田「だから、俺たちがリアルなんだよ。俺たちが。みんなリアルだよ。いつだって相手してやるよ」

――S・タイガー選手にはリアルを感じた?

▼藤田「お客さんの反応を見ればわかるだろ? 船木さんの発言を聞けばわかるだろ? そういうことだよ。いつだって相手してやるよ。俺たちがリアル。それを忘れるなよ? (杉浦に)先生お願いします」

※藤田が先に去っていく

▼杉浦「ずるいな。俺、何もないでしょ?」

――俺たちがリアルだと言っていたが?

▼杉浦「仲間意識があるんじゃないの? 芽生えてきたんじゃないの、ようやく。ノアだけじゃなく、他の団体も上がってね。こうやってやってるから。それは嬉しいよ」

――リアルジャパンの印象は?

▼杉浦「所属の選手は今日1人しか当たってないからね。関本選手は違うから。やっているんでね。ちょっとまた違うんで、いろんな人とやってみないとわからないんじゃないですか? ただ、俺も藤田もリングでやっている戦いはたぶんブレないと思うんで。誰とやってもね」

――ノアマットではあまりマイクを持たない藤田選手のマイクアピールを聞いてどうだった?

▼杉浦「ノアマットでは遠慮しているんじゃないの? でも、俺は嬉しいよ。ノアでじゃなく、このリアルジャパンでも激しい試合をして、それで楽しんでいるんでね。ノアのリング以外でも激しくて楽しんでいるんだなって。それは嬉しい」

【S・タイガーの話】「正直、試合に関しては負けてしまったんで言葉になりません。ただ…ただ船木選手に言われたように、初代タイガーマスクが…わかってます、わかってます。わかった上で、ここまで来て、まだもがいています。僕は今回、それなりの覚悟を持って戦い、試合に負けました。でも、諦めてません。好敵手・藤田和之、そして杉浦先輩に出会えたことでプロレスの面白さ、そして自分がやってきたことが間違いじゃなかったということ…。試合には負けましたけど、時間はないです。でも、必ず超えられる距離にいるということは。僕自身負けて悔しいですけど、必ず追いつける自信があります。命ある限り、諦めるっていうことは絶対ない。必ず、必ず倒してみせます。必ず倒してみせます」

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