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8/29【ハードヒット】真夏の川崎昼夜興行幕開け 光留が初代王者決定T1回戦でシュレックと1年3ヵ月ぶり対決も悔しい敗戦

 『ニコプロpresentsハードヒット「KING OF HardHit初代王者決定トーナメント1回戦」』が29日、神奈川・富士通スタジアム川崎で開催され、ハードヒット初のタイトルとなる「KING OF HardHit」の初代王者決定トーナメントが開幕。佐藤光留は1回戦で関根“シュレック"秀樹と1年3ヵ月ぶりに対決したが、敗戦に終わった。

 今年2月にデビュー20周年を迎えた光留にとって、この日は“挑戦の夏"となった。2015年にDDTからハードヒットの運営権を譲り受けて以来、これまで幾多の興行を開催してきたが、今回は会場の規模が違う。スタンドだけで約6千人を収容可能な富士通スタジアム川崎だ。かつてFMWが聖地とした旧・川崎球場で、かつて94年5月の「大仁田厚vs天龍源一郎」の電流爆破デスマッチ、95年5月5日の大仁田(2度目の)引退試合など幾多の名勝負を残してきたが、現在の名称となってからは初のプロレス興行となった。

 しかも自身の20周年記念大会も併せた昼夜興行での開催となった。昼夜とも一律6000円の自由席で、ソーシャルディスタンスをたっぷり取れるように最大収容人数を500人に設定。現在、飛沫防止のため、声を出しての応援を禁じる団体が多い中、ソーシャルディスタンスを広く取ればOKとなった。新日本の神宮球場大会とバッティングしてしまったが、光留が「ターゲット層は790度違う」と断言したように、広いスタジアムにはたくさんの観客が集まった。

 大会の主軸はハードヒット初のタイトルとなる「KING OF HardHit」の初代王者決定トーナメント。8選手が出場し、この日は1回戦4試合が行われた。主催者・光留の初戦の相手はシュレック。昨年6・8新木場大会で引き分けて以来、約1年3ヵ月ぶりの再戦で決着戦となった。

 晴天に恵まれた猛暑の中、「UWFプロレスメインテーマ」で入場し、メインのリングに立った光留はシュレックと対決。低い構えをみせるシュレックのタックルでテイクダウンを奪われても下から腕関節を狙い、スタンドに戻ってもローキックを放つ。シュレックが胴締めスリーパーを仕掛けても食い止め、足関節の極め合いを制してファーストエスケープを奪う。チャンスとみた光留はローキックを乱れ打ち。シュレックが掌底で応戦しても構わず蹴り続けてダウンを奪った。

 だが、ここからシュレックの逆襲が始まる。飛びつきヒザ十字を仕掛け、光留がしのいでもバックに回ったシュレックは一気にジャーマンでぶっこ抜いた。クラッチを解かず、2発目のジャーマンを敢行すると、光留はダウン。何とか立ち上がった光留はフロントハイキックで反撃し、飛びつきヒザ十字を仕掛けたが、阻止したシュレックはそのままジャーマンでぶっこ抜くと、腕ひしぎ逆十字固めで捕獲。光留もしばし耐えたが、たまらずタップした。

 シュレックが1回戦を突破した。「少しずつ再開して、みんなが見に来てくれて、僕たちは本当にうれしいし、勇気が出るし、生きる気力を与えてもらってます。同じだよね、みんなもね。お互いにイーブンな関係だと思ってます」とファンに感謝したシュレックは「俺と佐藤選手は去年、死力を尽くしてボロボロになるまで戦った。俺はプロレスラーになってまだまだビギナーだけど、勝手に大先輩の佐藤選手を戦友だと思ってる」とキッパリ。「戦友に対して手を抜くことなんてできないから思い切りやった。佐藤選手も思いきりやったキックが思いのほかきつくて、立つのもきついです」と試合を振り返ると、「この会場、この熱気、この戦いを忘れないでください」と呼びかけた。

 一方、主催者の光留は初戦敗退に終わった。ひとまず川崎昼夜興行の一発目を無事に終えたが、「どんな状態であっても負けは負けですからね。負けてホッとすることなんかないですね」と残ったのは敗れた悔しさしかない。

 「嫌なんですよ。プロレスが面白いもの、格闘技が勝たなきゃいけないものというのが。何でプロレスは負けていいんだよ? 何で格闘技は面白くなくていいんだよ?ってずっと思ってる」と持論を展開した光留は、「やっぱり1年経って再戦して負けてるってことは、僕が伸びてないってことですから。関根さんの方が伸びてるってことですからね」と潔く負けを認めつつ、「格闘技をやる人もプロレスをやる人も違うものだって認識でやってるから、僕は捨てられないですね。それだけは捨てられない。だから今日は負けたから悔しいですね」と繰り返した。

 光留にすれば、プロレスラーなら勝ちたいと思うのが当たり前の感情。夜の20周年興行では諏訪魔との記念試合を控えるが、ハードヒットで一敗地にまみれたからこそ、5冠王・諏訪魔からの“勝利"を狙う。

【試合後の光留】
▼光留「どんな状態であっても負けは負けですからね。負けてホッとすることなんかないですね」

――昨年6月に引き分けて以来

▼光留「やっぱり1年経って再戦して負けてるってことは、僕が伸びてないってことですから。関根さんの方が伸びてるってことですからね。嫌なんですよ。プロレスが面白いもの、格闘技が勝たなきゃいけないものというのが。何でプロレスは負けていいんだよ? 何で格闘技は面白くなくていいんだよ?ってずっと思ってるんですよ。でも格闘技をやる人もプロレスをやる人も違うものだって認識でやってるから、僕は捨てられないですね。それだけは捨てられない。だから今日は負けたから悔しいですね」

――打倒シュレックというテーマもできた?

▼光留「でも負けたら一番後ろですよ。今日もシュレックとやりたいって言ってた人いるからね。日本でムエタイのラジャダムナンでベルト9本持ってる人がシュレックとやりたいっていうんだから。そういう人がいるのに、もう一回僕がってならないですね。それは順番並ばなきゃ」

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