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12/17【リアルジャパン】S・タイガーが藤田に辛勝 1年3ヵ月ぶりにレジェンド王座奪還

『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol8』東京・後楽園ホール(2020年12月17日)
レジェンド選手権試合 ○スーパー・タイガーvs藤田和之×

 S・タイガーが強引な押さえ込みで藤田に辛勝。1年3ヵ月ぶりに至宝・レジェンド王座を奪還した。

 昨年9月に藤田に敗れ、レジェンド王座から陥落したS・タイガー。今年3月にもタッグマッチながら藤田に惨敗したものの、6月のTVマッチでは藤田軍との全面対決を制して再起。そして11・9神田大会では実力者・佐藤耕平を下し、ついに至宝奪還のチャンスを掴んだ。

 ゴング直後こそ藤田の出方をうかがったS・タイガーだったが、闘志全開で前に出る。右ローと左ミドルを猛連打して先手。藤田のビンタ狙いを読み、先にビンタをぶち込んで張り倒すと、お株を奪う顔面蹴りも繰り出した。さらに、ローリングソバットやハーフハッチ、サッカーボールキックで畳みかけると、右腕に照準。チキンウイングアームロックで絞め上げると、ミドルキックもピンポイントで叩き込む。

 しかし、藤田は蹴り足を掴み、ヒザにエルボーを振り下ろして反撃。場外戦でS・タイガーを暴行すると、リングでは左ヒザをしつこく捻り上げて主導権を握った。リング中央で逆エビ固めに捕らえると、S・タイガーの口からうめき声が漏れる。いったん自ら技を解いた藤田は、ブレーンバスターで追い討ちをかけてから再捕獲。長時間絞め上げたうえで、キャメルクラッチに切り換え、S・タイガーを追い詰めた。

 それでも沈まないとみるや、藤田はバックドロップで追い討ち。S・タイガーもカウンターの水面蹴りで奇襲し、顔面蹴りやチキンウィングフェイスロックで押し返し、右ハイキックもぶち込んだものの、藤田は倒れず。カウンターのラリアットで黙らせると、非情な顔面蹴りを2連続で放ち、豪快なパワーボムで仕留めにかかった。

 勝負を捨てないS・タイガーはギリギリでキックアウトすると、首固めで揺さぶりをかけ、今度は左ハイキックをぶち込む。これでも沈まない藤田は、左右のビンタ乱射でS・タイガーを叩きのめすと、再び顔面蹴りを連発した。フォールを返されると、スリーパーで絞め落としにかかったが、S・タイガーは抵抗を止めず、何度も立ち上がって粘りに粘ると、コーナーマットを蹴り飛ばして藤田を押し潰し、そのまま上四方固めで押さえ込む。藤田も肩を上げようともがいたが、S・タイガーは必死に押さえ込み、微妙なタイミングながら強引に3カウントをもぎ取った。

 藤田に辛勝したS・タイガーが1年3ヶ月ぶりにレジェンド王座返り咲き。長きに渡って外部に流出していた至宝を奪還した。試合後、マイクを持ったS・タイガーは「皆さん、この難しい状況の中、お越しいただき、本当にありがとうございます。勝つことはできました。野獣に対して、どんな手を使ってでも、獲り返さないといけない、その思いだけでした」と吐露。「ひとつ星は返しましたが、ストロングスタイルプロレスの道は、来年に向けてまだまだ険しいものがあります。ただ、これからも諦めずにしっかり頑張っていきますので、また来年もよろしくお願いします」と観客に誓い、2020年最後の興行を締めくくった。

 「藤田和之とこれまで戦ってきた中で、今日が一番強く感じましたし。その中で、なにができるのか、戦いながら考えて。もう話すのもキツいぐらいの状況で、無意識に思いついたあの形でした」と振り返ったS・タイガー。本人としても納得がいく戦いができなかったようだが、「まずは勝つ。そして、取り返す。内容云々を言える余裕はありません。しっかりと勝つ。そして、次に繋げる。それだけです」とベルト奪還で責任は果たせた。

 現在、師匠の初代タイガーマスクは原因不明の病魔と戦っており、この日も大会冒頭に観客にあいさつしたものの、リングには上がれなかった。コロナ禍の影響もある非常事態の中で、S・タイガーはリアルジャパンのリングをレジェンド王者として守り抜く構えだ。

【S・タイガーの話】「なんとかこんな形でも、是が非でも取り返さなきゃいけない。そんな思いでした。藤田和之とこれまで戦ってきた中で、今日が一番強く感じましたし。その中で、なにができるのか、戦いながら考えて。もう話すのもキツいぐらいの状況で、無意識に思いついたのがあの形でした。コロナの状況の中で、是が非でもこのベルトを、どんなに形がカッコ悪かろうと勝って、先生(初代タイガーマスク)に勝ちを…。まずは勝つ。そして、取り返す。内容云々を言える余裕はありません。しっかりと勝つ。そして、次に繋げる。それだけです」

【藤田の話】「(しばらく沈黙したあとに)……なんだ、これ?」

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