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12/17【リアルジャパン】アレク負傷でW記念試合消化不良も 40周年へ船木が「まだやったことない相手」とのシングル希望

『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol8』東京・後楽園ホール(2020年12月17日)
船木誠勝35周年記念試合/アレクサンダー大塚25周年記念試合 ○船木誠勝vsアレクサンダー大塚×

 船木が35周年記念試合でアレクが左腕を負傷するアクシデントがあったものの勝利。40周年を見据えて「まだやったことない相手」とのシングル対決、レジェンド王座返り咲きを目標に掲げた。

 85年3月に新日本でデビューした船木は今年、35周年を迎えた。11月には在住する大阪で記念大会を開催。この日、25周年・アレクとのダブル記念試合に臨んだ。藤原組時代、船木はアレクが受けた入門テストで試験官を務めている。その時、アレクは入団せず、船木がパンクラスを旗揚げした後にプロレス入りしたためすれ違いに。これまで同じリングに上がることはあっても、シングル対決はこれが初となった。

 開始早々、アレクがジャーマンで投げる奇襲に出て、船木はたまらず場外に転落。完全に出鼻をくじかれた船木だったが、リングに戻るとローキック連打、ミドルキックで反撃して主導権を握らせない。今度はアレクが場外に転落した。

 ここから一転してグラウンドの展開に。蹴り足をキャッチしたアレクがレッグロックを仕掛ければ、船木は体を入れ替えて上になり、そのままコントロール。胴締めフェースロックで絞め上げ、ミドルキック連打、掌底、ランニングローキックと打撃の雨を降らせた。

 キャッチしたアレクは得意のジャイアントスイングを敢行したが、数回しか回せず。逆片エビ固めで絞め上げたものの、自ら苦痛に顔をゆがめる。それでもジャーマンで投げ、掌底の打ち合いを頭突きで制したものの、船木はミドルキック、ランニングローキックと蹴りまくって鎮圧。ハイブリッドブラスターを阻止したアレクもツームストンパイルドライバーや変型タイガードライバーで食い下がったものの、船木は脇固めで捕らえると、そのまま腕ひしぎ逆十字に移行。三角絞めで絞め上げ、ミドルキック、掌底、ランニングローキックで攻め込むと、腕ひしぎ逆十字でアレクをギブアップさせた。

 ダブル記念試合はあっけない幕切れで船木が勝利。というのもアレクが左手首を負傷したからだった。序盤のミドルキックで相当な足応えがあったようで、船木は「グラグラしてましたんで。折れてるか、脱臼か」と推測。試合後はリングドクターの診察を受けるアレクを気遣い、「ちょっと気合いがいつもより向こうのほうがなかった気がします。その感じで試合をしてた気がしますね。自分はもう本当にやるか、やられるかと思ってた」と精神面の差を強調した。

 消化不良となった感は否めないが、35周年記念試合を勝利で飾った。来年3月には36周年を迎えるが、船木は「あと5年、やり残したことがないようにしたい」とさらにその先の40周年を見据えて言い切った。長いキャリアの中で幾多の激闘を残してきたが、「できるだけまだ戦ってない人ともやりたいし。若い人とも。ほとんど戦っていないビッグネームもいたらやりたい」とシングル未対決の相手との戦いを熱望した。

 35周年イヤーがコロナ禍と重なり、『次、いつ俺はリングに上がれるんだろう』と不安の日々を過ごした。それが今はこうしてリングで戦うことができるようになった。「やっぱりこれがないと、自分の人生、生活が上手く進まないというか。試合数は減っているんですけど、試合があって、初めて自分の生き甲斐がある」というように戦うことこそ船木にとってのライフワーク。だからこそ、「一戦一戦が思い出、記念になるような。この5年間はそんな感じがしますね」と40周年へ向けて思いをはせた。

 その中でリアルジャパンにおけるテーマはやはり3度の戴冠歴を持つレジェンド王座返り咲きだ。2017年9月にS・タイガーに敗れて陥落以来、遠ざかっているものの「たぶん3周目ぐらいに自分は来てると思うんで。今日の試合で準備できてるなと思いました」とベルト挑戦への出撃体勢は完了済み。「いつでも。査定試合があるんだったら、それもやります」と色気を見せていた。

【試合後の船木】
▼船木「手が折れてましたね。最初の蹴りでもう折れてたと思うんですよね。グラウンドで分かれて、チョーク(スリーパー)やって、蹴った時にたぶん折れたと思いますね。それから全然力入らなかったんで。左です。たぶん折れてると思います」

――35周年記念試合だったが、ちょっと不本意な形?

▼船木「いえいえ。でもまあ、勝負はやっぱり時の運ですからね。どんな状態になるか。こんな結末になるとは思わなかったですけど。だけど、ちょっと気合いがいつもより向こうのほうがなかった気がします。その感じで試合をしてた気がしますね。自分はもう本当にやるか、やられるかと思ってたんで、気をつけましたけど。最初、一発食らって、目が覚めましたね。まあでも、折れると思わなかったんで。グラグラしてましたんで。折れてるか、脱臼か。そのぐらい力が入りました、今日は」

――今年35周年を迎えて、来年3月には36周年となるが?

▼船木「36ですね。もう、6とか、7とか、8とか、9とかは、とりあえず1年おきに過ぎていくんで、次に目指すは40周年。5年後ですね。もう56ですけど、あと5年、やり残したことがないようにしたいですね。できるだけまだ戦ってない人ともやりたいし。若い人とも。ほとんど戦っていないビッグネームもいたらやりたいし。一戦一戦が思い出、記念になるような。この5年間はそんな感じがしますね。連戦がだいぶきつくはなってきてますよ。だけど、まだですね。まだかろうじてできてますんで。今、この状態でやっていきたいなと思いますね」

――来年は一戦一戦がより大事になると?

▼船木「今までもそうですけど、余計にそうなりますね。今年はコロナで止まったじゃないですか。2、3ヵ月止まっているんで。その辺が物凄く自分としては悔しくて。『次はいつ試合があるんだろう?』と2ヵ月ぐらいずっとこの歳で悩みましたよ。『次、いつ俺はリングに上がれるんだろうな』って。無観客でも、6月に上がった時は本当に嬉しかったですね。これだなと。やっぱりこれがないと、自分の人生、生活が上手く進まないというか。試合数は減っているんですけど、試合があって、初めて自分の生き甲斐があるんで。だから、今はリアルジャパンに出て、ノアも出てますから。本当に一戦一戦ありがたくやっていきたいと思いますね。本当にあっと言う間ですから。本当に本当に。今年も一瞬で終わった感じがしますね。で、やってない選手が何人かいると思うんですよね。ちょうど今の30代の選手とか、結構いい選手がいると思うんですよ。そういう選手とどんどんやっておきたいなと。まだまだ元気なんで。今日もちょっと勢い余って蹴ってたかもしれないですね、もしかしたら。そのぐらい元気なんで。そのうちにまだやっておきたいですね」

――大塚選手との藤原組以来の因縁があったが?

▼船木「入ってきたら、たぶんこういう感じで毎日スパーリングしたんだろうなって自分は思いました。もしかしたら、新弟子に戻っちゃったかもしれないですね、今日は。そんな感じがしますね。だからこそ、初心というか、初めて自分がテストをやった選手に対して、自分は思いっきり今の100%を打ち込んでいったんですけど」

――大塚選手は体格的に蹴りやすかった?

▼船木「それもあります。で、全部受け止めるつもりできたと思うんですけどね。ただ、骨は仕方ないですね。折れたら仕方ないです」

――メインではレジェンドチャンピオンシップがあるが、来年以降、このベルトも狙っていく?

▼船木「そうですね。これもまたもう1回ですね。たぶん3周目ぐらいに自分は来てると思うんで。今日の試合で準備できてるなと思いました。いつでも。査定試合があるんだったら、それもやります。来年も呼ばれたところに全部出て、本当に一戦一戦自分の記憶に残る試合をやっていきたいと思いますね」

――藤田選手との再戦も?

▼船木「それも含めてですね。それも含めて。あとはやってない選手。カシン選手ともやってないし、シングルをやってない人、やってない若い選手とひと通りやっておきたいなと思います」

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