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12/31【RIZIN】リオ銀・太田MMAデビュー戦勝利ならず 所に一本負け

『Yogibo presents RIZIN.26』さいたまスーパーアリーナ(2020年12月31日)
RIZIN MMAルール(61.0kg)※肘無し ○所英男vs太田忍×

 2016年のリオ五輪レスリング男子グレコローマン59kg級銀メダリストの太田がMMAデビュー戦で勝利ならず。所に一本負けを喫した。

 その俊敏な動きから、アマチュア時代に海外では「忍者レスラー」と呼ばれていた太田。東京五輪出場への道が閉ざされたのを機に、MMA挑戦を決意し、今回が総合デビュー戦となった。対戦相手は日本の総合格闘技の中量級を引っ張ってきた“逆境ファイター"所。RIZIN出場は実に3年5ヶ月ぶりとなったが、太田にとっては厳しい相手となった。

 太田は1R冒頭から猪木アリ状態から踏みつけを狙うなど積極的な動きを見せる。一方、所は下から顔面を蹴り上げて抵抗すると、スキを突いて腕ひしぎの構えに。太田はレスリング仕込みのパワーを発揮し、強引に担ぎ上げるとマットに叩きつけて何度も脱出。ならばと所もパンチでクリーンヒットを奪い、走り込んでの飛びヒザ蹴りを放つが、太田も屈んで回避した。

 2Rでも太田は積極果敢にタックルを仕掛け、テイクダウンを奪うと、パウンドを狙っていくが、冷静な所は下から腕ひしぎ十字固めに捕獲。押し潰して脱出を図った太田はポジションを切り換えて抵抗したものの、所は絞める手を離さず。太田はタップアウトするしかなかった。

 打撃に順応した動きを垣間見せた太田だったが、MMAデビュー戦はほろ苦い結末に。試合後、マイクを持った所は「RIZINファンの皆さん、格闘技ファンの皆さん、お久しぶりです。所秀男です。太田忍選手、今日は自分の実力を出せなかったと思うんですけど、来月とか、再来月とかやったら、また違う結果になると思います。引き続き、格闘技をやっていきましょう」と太田にエール。「本当になにもできない僕なんですけど、こうやって試合をすることによって、周りの方々に協力してもらったりとか、応援してもらったりとか、喜んでもらったりとか、本当に格闘技っていいなと思った毎日でした。本当にありがとうございました」と所らしい素朴なマイクアピールで締めくくった。

 「思っていた以上に、というか、思っていた通りに所さんのグラップリング能力というのは素晴らしかったです。僕はそこの対策をしていたつもりでしたけども、最後はわかっていても取られてしまったので、完全に所選手が強かったなという印象です」と潔く完敗を認めた太田。それでも「僕はまだまだこれから。今回はデビュー戦ですし、ここからこの悔しい気持ちを持って、どんどん上を目指していきたいと思っているので、また頑張りたいと思います」と気持ちは前向き。リング上で所に「寝技を教えてください」と頭を下げ、「ぜひ来てください」と快諾を得たことを明かし、「貪欲に自分が強くなることだけを考えてやっていきたいと思います」と意気込んだ。

 一方、勝利した所は「対策はほぼせず、自分がやりたいこと、自分の試合をするってことに集中しました」と強調。「初めてなので、ローキック食らうのも初めてですし、ヒザ食らうのも初めてだと思うんで。やる前からそうだったんですけど、目が死んでなくて、凄いなと思いました。全然次やったらどうなるかわからないです」と太田の能力を高く評価し、「もし太田選手が自分とまたやりたいと言ってくれた時に、いいコンディションで受けることができたらいいなと思います」と将来的な再戦にも意欲を見せた。

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