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3/3【スターダム】スターダムが10周年記念大会で武道館初進出 中野がワンダー王座初戴冠、昨年女子プロ大賞・ジュリア陥落で髪切り

『レック Presents スターダム10周年記念〜ひな祭り ALLSTAR DREAM CINDERELLA〜』東京・日本武道館(2021年3月3日)
ワンダー・オブ・スターダム選手権試合&敗者髪切りマッチ 〇中野たむvsジュリア×

 旗揚げ10周年を迎えたスターダムが記念大会として日本武道館に初進出。メインイベントでは中野たむがワンダー・オブ・スターダム王座を戴冠。陥落となった昨年の女子プロレス大賞・ジュリアはリング上で髪を切った。

 スターダムは2011年1月23日に旗揚げ。今年で10周年を迎えた。その間、愛川ゆず季の引退、紫雷イオ、宝城カイリら主力選手の離脱などもあったが、2019年10月にブシロード傘下となり、黒字化も達成。国内最大の女子プロレス団体の地位を不動のものとしている。

 記念イヤーとなる今年、スターダムはビッグマッチを全国で開催。その第1弾となったのがこの日の武道館大会だ。新木場で旗揚げしたスターダムが武道館に初進出。そして97年8月の全日本女子プロレス以来、23年7ヵ月ぶりとなる女子プロレスの武道館大会開催となった。

 メインイベントに組まれたのはワンダー・オブ・スターダム王座戦。王者で昨年の女子プロレス大賞に選ばれたジュリアに“宇宙一のアイドルレスラー"を自負する中野が挑戦した。しかもジュリアの要求を受けて、“女の命"と言える髪の毛もかけられることになった。

 武道館メインのワンダー王座戦は女の意地がぶつかり合う熱戦となった。序盤から張り手を打ち合うと、ジャーマンで投げて先制したジュリアがエプロン上にネックブリーカードロップで叩きつけ、机上パイルドライバーを敢行。負けじと中野はジュリアのグロリアスドライバーをリバースDDTで切り返し、スピンキックをカウンターでさく裂。コーナー最上段からプランチャを放って挽回した。

 ようやく流れをつかんだ中野はタイガースープレックスで追い討ちをかけ、掟破りの逆グロリアスドライバーを決めてたたみかけた。さらに顔面へのストンピングを連発したが、ジュリアはバックドロップで逆襲。頭突きをぶち込むと、グロリアスドライバーで真っ逆さまに突き刺したが、中野は意地で肩を上げた。

 ここから両者は張り手合戦で意地を張り合った。中野はぐらつきながらも左右の連打を浴びせた。ノーガードで真っ向から受け止めたジュリアも意地で倒れず。逆に左右の張り手を速射砲で浴びせ、こん身の一発をぶち込んだが、中野も意地で張り返し、スピンキックを連射。SSDで真っ逆さまに突き刺すと、トワイライトドリームを爆発させて3カウントを奪った。

 中野がアイドル時代に届かなかった武道館の大舞台でワンダー王座を奪取。自身初となるシングルタイトル戴冠を果たした。敗者・ジュリアには断髪の儀式が強いられるところだが、中野は「ジュリア、ウチはやっとあんたに勝てた」と万感迫る思いを口にすると、「もうこれ以上いらない。十分。髪なんか切らなくていい」と髪切り免除を申し出た。

 するとジュリアは「私は今日、すべてをかけてお前と戦ったつもりだよ。私は髪の毛もベルトも人生もかけて、あんたと戦って、あんたが勝ったんだよ!」と主張。潔くリング中央に置かれたイスに座り、中野にバリカンを手渡した。が、中野は髪を刈ることができず。代わりに美容師がジュリアの髪にバリカンを入れた。

 その姿を中野は涙を浮かべながら呆然と見守るばかり。気丈なジュリアは「何でお前が泣いてんだよ」と投げかけ、笑みすら浮かべた。結局、断髪は途中で終了し、ジュリアの坊主姿は3・7後楽園大会で披露されることになった。

 「こんなこと絶対言いたくないんだけど、私はジュリア、あんたがいたから強くなれた。ありがとう」。そうジュリアに感謝した中野は「私はこの白いベルトの聖なる王者として、記録にも記憶にも名前を刻んでいく。このベルトの価値上げとくからさ。あんた早く髪伸ばして逆襲しにこいよ」とエール。最後に「これからスターダムは11周年目に突入します。スターダムを、女子プロレスを信じてついてきてください。今を信じて明日に輝け! We are スターダム!」と叫び、10周年記念・武道館大会を締めた。

【試合後の中野】
――今どういう気持ち?

▼中野「私の顔が今、宇宙一かわいいのか、ブスなのかちょっと不安だなって気持ちです。ブスですか? 顔面が熱くて痛くて…この世にはどうにもなんないことがあって、どんなに頑張っても報われないことがあって、どんなに努力しても勝てない奴がいて、凄い生きづらい世の中だなって思うことがあるじゃないですか。でも、私はこの世界をちょっとだけ変えたくて、その少しの奇跡を起こせるのがプロレスなんだなって思ってます。それを教えてくれたのも、私がこのワンダー・オブ・スターダムのチャンピオンになれたのも、ここまで強くなれたのも、ジュリアのおかげ…だって言いたくないけど、今日はありがとうって言いたいです。これから聖なる白いベルトのチャンピオンとして、記録にも記憶にも中野たむって選手の名前を刻んでいきます。どうか皆さん、信じてついてきてください」

――これまではジュリアを追いかける立場だったが、今後逆転すると思う?

▼中野「だって私がチャンピオンだもん。でも、明日にでもすぐまたやり合いたい」

――またやり合うときに同じような条件が付いたらどうする?

▼中野「髪をかけろって? お金とか? 面白そうかも。私、持ってますよ(笑) ウソウソ」

――武道館で勝利したことについては?

▼中野「武道館は私がアイドル時代に絶対に無理だとあきらめた夢の一つで、そこに立てること自体、実感がなかったんですけど、夢を取り戻すのはイチからだって遅くないんだなって思いました」


【試合後のジュリア】
▼ジュリア「中野たむと同じこの時代にプロレスラーとして、同じ時代に出会えたことが私は最高にうれしい。最高に今、気分がいい。負けるつもりなかったから、何をしゃべればいいかわからないんだけど、今、鼓膜が破れて、奥歯が欠けて、アゴがずれて、目の前がグルグルしてて。負けたけど、あいつは私のやりたいこと、やりたかったことをやれると思うから頑張ればいいんじゃない。髪はまた生えてくるし、ベルトはまた奪いにいけばいいだけ」

――今までやってきた中野選手との違いはあった?

▼ジュリア「変わんねぇよ。中野たむは中野たむだよ」

――ベルトが移動したことで今までと立場が入れ替わるかもしれないが?

▼ジュリア「まぁ、そっちのほうが面白いんじゃないの。いつまでも私が上から見下ろすよりも、上を見上げていきたいところに走っていった方が生きがいになるんじゃないの」

――中野選手に「地獄から這い上がってこい」と言っていたが、今度は自分が地獄から這い上がる?

▼ジュリア「私は別に。こっから這い上がっていくけど、生き様をみせればいいんじゃねぇのかな。生き様をみせるのがプロレスラーでしょ」

――3・7後楽園大会までに丸坊主にする?

▼ジュリア「ロッシーは? ロッシー! 後楽園までに丸坊主にしなきゃいけないの?」

▼ロッシー小川代表「ホントは今日だけどね。まぁ、今度3月7日に後楽園あるんで、そこで」

▼ジュリア「そこでやるの?」

▼ロッシー小川代表「3月7日に後楽園大会ありますから、ジュリアの坊主姿を見たい人はぜひご来場ください。そこで披露します。今日はほら、いきなりバックステージに来てしまったんで」

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