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3/31【大日本】デスマッチ王者・塚本脱落…伏兵パーカーが一騎当千準決勝進出、ジャックと外国人対決へ

『一騎当千DeathMatch Survivor〜公式戦』東京・後楽園ホール(2021年3月31日)
「一騎当千DeathMatch Survivor〜」Bブロック公式戦 〇ドリュー・パーカーvs塚本拓海×

 デスマッチ王者の塚本がまさかの脱落。王者狩りを果たした伏兵のパーカーが一騎当千準決勝に進出し、ビオレント・ジャックとの外国人対決が決定した。

 デスマッチ王者として一騎当千に臨んだ塚本は勝俣瞬馬、宮本裕向を破って2連勝し、最終公式戦に駒を進めてきた。6度目の出場にして、初の決勝トーナメント進出がかかったまたとない好機。そんな状況の中、盤石の王者に挑んだのが外国人デスマッチファイターのパーカーだった。ここまで1勝1敗で、引き分けでも塚本のブロック突破が決まるという不利な状況だったが、まさかの大物食いを果たした。

 形式は「IRON CAGE DEATHMATCH」。リング上には扉に有刺鉄線が巻きつけられた鉄檻が設置された。序盤は塚本ペースに。強引に鉄檻の扉にパーカーを叩きつけると、一斗缶のフタや有刺鉄線、鉄檻などを巧みに使って流血に追い込む。パーカーの頭に一斗缶を被せると、鉄檻の扉で挟んで追い討ちをかけた。

 パーカーは飛びつきダイヤモンドカッターやノータッチトペコンヒーロなど機動力を活かした攻撃で反攻し、カミソリバットを投入して背中や胸板を殴りつけたが、塚本に奪われると再び劣勢に。それでも塚本の突進を読み、寸前で鉄檻の中に逃げ込んで、扉への衝突を誘うと、ダブルニーアタックをズバリ。たまらず場外に転落した塚本を見るや、鉄檻の上からトペコンヒーロを敢行した。絶好機を掴んだパーカーはリングに戻ると、スワントーンボムを投下。さらに、蛍光灯の束を塚本に被せると、再度スワントーンを落とす。

 しかし、ヒザを立てた塚本は蛍光灯まで使って迎撃。なおも蛍光灯の束を投げつけると、トラースキック、旋回式ずどんで一気に畳みかける。これでも決まらないとみるや、リング上にテーブルを投入。そこにパーカーを寝かせて、自分は鉄檻に上がり始める。気づいたパーカーもあとを追い、決戦の舞台は鉄檻の上に。

 ヒザ立ち状態で殴り合うと、塚本はブルーサンダーを仕掛けるが、パーカーは猛抵抗。頭突き合戦を連打で押し切ると、リング上に設置されたテーブルめがけてデッドリードライブの要領で投げ捨てる。衝撃音とともにテーブルに激突し、大ダメージを追った塚本に対して、鉄檻上からのスワントーンボムでダメ押ししたパーカーが大逆転の3カウントを奪取した。

 本人曰く「今年無敗」だった塚本に土をつけて、一騎当千初出場の伏兵パーカーがBブロックを突破。セミファイナルで高橋を沈めたジャックと準決勝で激突することが決定した。

 悔しさをあらわにしながら塚本がリングを去っていくと、パーカーが日本語で歓喜のマイクアピール。「Bブロック勝ったぞ!! 俺のリーグマッチは凄い大変だった。でも、気持ちよかった…。だから、大日本大好き! 強い!」と喜びを爆発させると、大きな拍手が巻き起こった。

 「でも、俺の一騎当千、まだまだ終わってませんね」と続けたパーカーは、5・16後楽園大会での準決勝で対戦することになったジャックをリングに呼び込んだ。ここから外国人選手2人が日本語でマイク合戦をするという異例の展開に。

 パーカーは「日本で2人、外国人デスマッチファイター。ダムズ(FREEDOMS)にビオレント・ジャック、大日本にドリュー・パーカー。そしたら、5月16日、日本で誰が一番の外国人デスマッチファイターか(決めましょう)」と呼びかける。対するジャックは「残念だな。俺が大日本チャンピオンを殺したかった。こいつと試合、全然やりたくねぇ。おい、なんだ、お前。クソガキ? 今まで見たお前、クソ弱いね。だから、1ヵ月ちょっと、ドリュー・パーカー、もうちょっと頑張ってください」と完全にパーカーを格下扱いし、言いたいことを全て言うと、「じゃあ、またね」とリングを去っていく。リングに残されたパーカーだったが、強気の姿勢を崩さず、ホームリングのファンに必勝を誓い、後楽園大会を締めくくった。

 「大日本で一番強いデスマッチファイターはチャンピオンでしょ? チャンピオンは今、塚本。彼に勝った。そしたら、次の試合は全然心配しない。全然緊張しない。知ってる。俺が知ってる。大日本で俺が一番」と塚本撃破で自信を深めた様子のパーカー。現在、体重は75kg。ヘビー級のジャックとの体格差は歴然だが、「ジャックはダムズで8年ぐらい。俺はもうすぐ2年。でも、ジャックは、彼はそんだけ長いけど、あまり面白くない。あまり強くない。8年前は凄かった。けど、今はちょっとゆっくり。お前はそんなに強くない。体はデカいけど、お前のハートは弱いよ」と気持ちではまったく引かなかった。

 一方、敗れた塚本は「思った以上にドリュー・パーカーが強くなってた。その一言ですかね。僕が想像してた以上に成長するスピードというものが、ドリューは本当に速いなと今日の一戦で凄く感じました」と潔くパーカーを称え、「この野郎とか、悔しいとかはもちろんありますけど、それだったらドリューにはしっかりと責任を取ってもらって、優勝してもらって、このベルトを懸けてもう1回リマッチしようじゃないかと強く言いたいと思います」とエールを送った。

 ストロング部門も含めて外国人選手が一騎当千を制した前例はなく、パーカーが記録を樹立する可能性が出てきた。そのためにはジャック撃破が絶対条件。デスマッチ王者撃破の勢いのままに、外国人最強デスマッチファイターの称号も手にし、一気に頂点まで駆け上がる構えだ。


【試合後のパーカー】
▼パーカー「お尻痛いよ。(尻にできた傷跡を見せると)なにするこれ、本当に。やめなさいよ、この傷。まあね、AとBブロックが終わったけど、俺とビオレント・ジャックの一騎当千、まだまだまだ、ま〜だ終わってません。5月16日、後楽園ホールで…日本の一番デスマッチガイジンは誰ですか? ドリュー・パーカー。チャンピオンに勝ったね。だから、ビオレント・ジャック、CとDブロックの選手、誰でも来る、大丈夫、勝ちます。大日本で一番強いデスマッチファイターはチャンピオンでしょ? チャンピオンは今、塚本。彼に勝った。そしたら、次の試合は全然心配しない。全然緊張しない。知ってる。俺が知ってる。大日本で俺が一番。じゃあね、塚本さん」

――大日本対FREEDOMSを意識する?

▼パーカー「ジャックはダムズで8年ぐらい。俺はもうすぐ2年。でも、ジャックは、彼はそんだけ長いけど、あまり面白くない。あまり強くない。8年前は凄かった。けど、今はちょっとゆっくり。お前はそんなに強くない。体はデカいけど、お前のハートは弱いよ、やっぱり」

――デスマッチスピリットで上回る?

▼パーカー「そうね。俺はまだ75kg。俺はまだ23歳。ちっちゃいでしょ? ちっちゃいけど、俺のハートは一番大きい。デスマッチスピリットは一番大事、デスマッチで。あと大日本で一番のデスマッチスピリットはドリュー・パーカー」

――デスマッチの形式は考えている?

▼パーカー「ジャックのデスマッチスタイルはちょっとガイジンスタイル。そしたら、日本人選手からはそのスタイル怖い怖い怖い…。俺はずっとデスマッチガイジンスタイル。アメリカできた。イギリスできた。日本できる。お前のガイジンデスマッチスタイル、そんなに怖くない。たぶん高橋さん、沼澤さん、小林さんもちょっと怖い、このスタイル。それは俺のもんだよ。そして5月16日、その試合はそんなに怖くない。俺はわかります。俺のホームはガイジンデスマッチスタイル」

――自分が成長しているという手応えは?

▼パーカー「6年前ぐらい、塚本さんがトーナメント・オブ・デスに出て、その大会見た。たぶん15歳ぐらい。けど、あと6年か7年経って俺勝ったよ、お前に。だから、チャンピオンに勝って、俺は何でもできる」

【試合後の塚本】
▼塚本「思った以上にドリュー・パーカーが強くなってた。その一言ですかね。僕が想像してた以上に成長するスピードというものが、ドリューは本当に速いなと今日の一戦で凄く感じました。まあ、これで僕は一騎当千終わっちゃったんで。この野郎とか、悔しいとかはもちろんありますけど、それだったらドリューにはしっかりと責任を取ってもらって、優勝してもらって、このベルトを懸けてもう1回リマッチしようじゃないかと強く言いたいと思います」

――チャンピオンとしての敗北は久しぶりだったが?

▼塚本「もしかしたら、僕は脳へのダメージが強いんで、あんまり記憶力に自信ないですけど、今年入ってたぶん初めて負けたんじゃないかという感じなんで。しかも、チャンピオンとしては初めて一騎当千に出場して、自分なりに責任みたいなものは過分にあったところがあったんで。だけど、それを重圧に感じずに、フラットな状態でやってきたつもりだったんですけど、どこかでそこが出ちゃった。そして、ドリューが試合前に弱いチャンピオンだと、弱いところを知っているってコメントをもらったんですけど、まさにそのことだったのかなと。だけど、今日はしっかりと万全な状態で出てきたんで、戦い方に悔いはありません。負けは負けとして、チャンピオンとして、ああだこうだ言い訳はしたくないんで負けは負け。男に二言はありません。負けは負け。それだけです」

――一騎当千優勝者とのタイトルマッチは?

▼塚本「もちろんそれは。やっぱり強敵が多いんで。ビオレント・ジャックもそうだし、ドリュー・パーカーもそうですけど、4月から始まる一騎当千のC、Dブロックにも元チャンピオンのブロックがあったりとか、新進気鋭のデスマッチファイターがいる中で。もちろん誰が優勝しても面白いところなんで、優勝した人とはきっちりと俺がタイトルを懸けて、今日は負けちゃったけど、しっかりと迎え撃ちたいと思います」

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