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4/29【NOAH】杉浦ナショナル返り咲き、真っ向突破で藤田タンカ送り まさかの桜庭表明を“じゃんけん"で承諾

『NOAH the GLORY 2021』愛知・名古屋国際会議場(2021年4月29日)
GHCナショナル選手権試合 ○杉浦貴vs藤田和之×

 杉浦が壮絶な真っ向勝負の末にシングル初対決となった藤田をタンカ送りに。約1年ぶり2度目となるGHCナショナル王座返り咲きを果たした。次期挑戦者にはこれまた“同門"桜庭和志が名乗りを上げ、“公開じゃんけん"で承諾した。

 ともに全日本王者のレスリング時代はナショナルチームで五輪出場を目指した同期生。プロレス入り後も幾多のタイトルを獲得してきた両雄による注目のシングル初対決が“杉浦軍同門対決"のタイトルマッチとして実現した。

 “怪獣大戦争"の呼び声通りの真っ向勝負。宣言通りに藤田のにらみ合いを拒否した杉浦が突っかけたが、すぐさま藤田の顔面蹴りが空を切る。その後はレスリング仕込みのグラウンドを展開し、静かな息遣いが場内に響いて緊張感が高まった。

 ひとたび肉弾戦に発展すれば、こちらも予告どおりの正面衝突。殴るようなエルボーで顔面を打ち抜き合い、強烈なラリアットで藤田が競り勝つと、場外でも杉浦をめった打ちに。杉浦も逆片エビ固めを切り抜けて暴走エルボーでコーナーに押し込んだが、藤田も受け止めながら怒号を上げて立ち上がり、逆にお株を奪う暴走鬼エルボーを乱射だ。

 藤田の猛威は止まらない。杉浦のアンクルホールドを切り抜け、ジャーマンで投げられてもすぐさま投げ捨てジャーマンで返礼。ラリアットの正面衝突にも真っ向から競り勝った野獣は、豪快なパワーボムで叩きつけ、杉浦の顔面を2度に渡ってサッカーボールキックで蹴り上げた。

 完全KOとなった前哨戦の再現か…と思われたものの、3発目を避けた杉浦は素早く予選スラムを見舞って戦況を五分に戻す。立ち上がった両雄はこん身のエルボーを一発、また一発と打ち合い、そのまま猛烈なビンタ合戦、そして生拳の鉄拳まで飛び出してエスカレート。ここでも競り勝ったのはラリアットを放った藤田だった。

 だが、杉浦も藤田の追撃を再び予選スラムで切り返すと、左右の鬼エルボー連打で全身。崩れ落ちた藤田の顔面を迷いなく2度に渡って蹴り上げた。ぐったりする藤田を鬼の形相で引きずり起こした杉浦は、3度目の予選スラムで投げきり、完璧な3カウントが数えられた。

 藤田は大の字のままピクリとも動かず。杉浦軍の面々に介抱され、タンカで退場する藤田を、杉浦も座礼で見送り、まさに“やるかやられるか"を体現した最後に場内も拍手に包まれた。

 ともあれ、杉浦が地元・名古屋で約1年ぶりにナショナル王座返り咲き。次期挑戦者は身近にいた。この日は杉浦のセコンドに就いた“相棒"桜庭だ。

 マイクを握った桜庭は「似合うね。欲しいなあ」と暗に挑戦を表明。杉浦は「この間(昨年12月)、拳王に負けたばっかでしょ」とツッコんだものの、「よし、みんないるから、ジャンケンで勝ったら、挑戦受けてやるよ」と提案した。

 結果は杉浦がグー、桜庭がパーで桜庭の勝利。杉浦も「しょうがないね。じゃあ、このベルトを懸けてどっかでやるよ。みんなよろしくね」と承諾した。

 バックステージでは「いやぁ、最高だよ。大事にしないとね」と藤田から奪った赤いベルトを抱えた杉浦。桜庭については「日の藤田戦とはまた違った色の試合が見せられるんじゃないかな。打っても響かないタイプだから」と話しつつも「大きいところでやりたいよね。こんなご時世だからね。みんなの前でやりたいよね」と望んだ。


【試合後の杉浦】
――改めて藤田と戦ってみて?

▼杉浦「いやぁ…怪獣だろ。これこそ怪獣だろ…」

――戦前の予告どおりの真っ向勝負だった

▼杉浦「だって“俺たち"だぜ? 同じ競技で同じ境遇でアマチュア時代に苦しい思いをして、プロでもいろいろ悩んできたと思うよ。俺も悩んできた。そして今日、ここで交わって」

――藤田から獲ったベルトだけに重みは違ってくる?

▼杉浦「(※ベルトを叩きながら)いやぁ、最高だよ。大事にしないとね」

――1年ぶりの返り咲きとなった

▼杉浦「ベルト戻ってきたのもうれしいけど、それ以上に藤田和之とベルトを懸けて闘えたことがうれしい」

――桜庭が表明してきた

▼杉浦「まぁ、やったことないからね。今日の藤田戦とはまた違った色の試合が見せられるんじゃないかな。打っても響かないタイプだから。うまくペースつかまれたら分からないよね」

――杉浦軍同門対決が続くが?

▼杉浦「お客さんが喜んでくれれば。それに、他の連中もそれを見て悔しければ、いつまでやってんだ!って挑戦してくればいいし。言ったもん勝ちだよ!」

――舞台としては大きいところで?

▼杉浦「いや、新木場でいいんじゃないの?サクなら(笑) いやまぁ大きいところでやりたいよね。こんなご時世だからね。みんなの前でやりたいよね」

――地元名古屋からリスタートとなったが?

▼杉浦「うん。藤田和之に感謝だよ」

――またやりたい相手?

▼杉浦「終わったばっかりで急にやりたくはないな…(笑) 体もたんべ。また来るべき時が来たら」

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