プロレス・格闘技の情報満載!全日本・ノア公式モバイルサイト

5/3【新日本】39分NEVER戦…ジェイ初戴冠で“4大制覇" 陥落・棚橋に隠居勧告

『レスリングどんたく2021』福岡国際センター(2021年5月3日)
NEVER無差別級選手権試合 ○ジェイ・ホワイトvs棚橋弘至×

 ジェイが棚橋との39分を超える熱闘を制してNEVER王座初戴冠。IWGPヘビー、IWGPインターコンチネンタル、USヘビーに続くシングル王座戴冠で“4大制覇"を叫び、陥落した棚橋には“隠居"を勧告した。

 ジェイが「TTO」(タナハシ・タップ・アウト)と呼ぶ裏足4の字固めに対して、棚橋がテキサスクローバーホールドを「JTO」(ジェイ・タップ・アウト)と一時的に名付けてヒートアップしてきたNEVER戦線。試合の大半を支配したのは、やはりヒザをめぐる“タップアウト"の争いだった。

 序盤から老かいかつ徹底的に互いのヒザを狙い合う展開。先に決定機をつかんだのはジェイだった。グラウンド式ドラゴンスクリュー発射に成功すると、裏投げからのSSSで追い打ちをかけ、再びグラウンド式ドラゴンスクリューを発射だ。さらには掟破りのテキサスクローバーを繰り出し、そのままTTO(裏4の字固め)へと変化してギブアップを迫った。

 必死にロープをつかんだ棚橋も得意の左ビンタやダルマ式ジャーマンで反撃したものの、ジェイも続くハイフライフローを空中キャッチ。ブレードランナーを踏ん張られても、足をすくって巧みにTTOへと変化し、棚橋のうめき声が響き続けた。

 それでも藤波辰爾に憧れたNEVER王者らしく“ネバーギブアップ"の精神で必死にロープへ。逆にスキを突いたドラゴンスクリューで巻き返し、すかさずドラゴンスクリューで応戦。そのまま両者は足を引きずりながらのグラウンドドラゴンスクリュー合戦を繰り広げ、両者立ち上がれなくなってもマットを這って足を狙い合った。

 ところがジェイがヒザ殺し合戦の“一時休戦"を申し出て、棚橋も承諾。エルボー合戦の消耗戦で仕切り直したが、やはりジェイはヒザを蹴り飛ばして高笑い。“足ガクガク状態"で必死に放たれた棚橋の低空ドロップキックやビンタもことごとく避けて再び高笑いだ。

 ならばと棚橋は反射的に珍しくショートレンジラリアットを発射。ドラゴンスクリューで動きを止めてから、飛びつき式スリングブレイドからの正調スリングブレイドと一気に畳みかけ、ハイフライアタックへ。そしてヒザへのハイフライフローを投下だ。ジェイがのたうち回ったところで満を持してのJTO(テキサスクローバー)で絞め上げるや、しばし耐えたジェイは力なくタップアウトした。

 …が、タオルを手にしたセコンド外道がレフェリーを引きつけており、試合は決まらない。怒りの棚橋は外道をロープ越しのドラゴンスクリューで撃退したものの、このスキに息を吹き返したジェイは首固めでクルリ。キックアウトされてもロープに足をかけての逆さ押さえ込みへ。棚橋もギリギリで肩を上げ、ブレードランナーをドラゴンスープレックスで切り返しにかかったものの、ジェイは相手が踏ん張る反動を巧みに利用して体を入れ替えるや、一気のブレードランナー発射に成功して3カウントを奪い去った。

 39分を超えるヒザ殺し消耗戦を制してジェイが棚橋を撃破。両ヒザをアイシングしながらベルトを受け取ったジェイは、「タナハシのTシャツに書いてあるな。NEVER MIND(気にしない)、NEVER QUIT(あきらめない)、 NEVER GIVE UP(ギブアップしない) タナ、もうこのベルトはお前のものじゃないけど、NEVER MIND(気にしなくていい) “NEVER QUIT"と言ったって負けたんだから、やめたも同然だ。そしてオマエは完璧にギブアップした」と“NEVER"をもじりながら棚橋をあざ笑い、「タナ、去るべきときが来たぞ。お前はもうやめちまえ」と“隠居勧告"まで放った。

 これでNEVER王座初戴冠。言葉を続けたジェイは「人生は予期せぬ出来事の連続だ。次に何が起こるかなんて誰にも予測できない。だから、いまこの瞬間を精一杯楽しんだほうがいい。お前たちは歴史的瞬間の目撃者だ。そうだ、俺はこのベルトを獲り、また新たな歴史を創った。俺はIWGP USヘビー級、インターコンチネンタル、IWGPヘビー級、そしてこのNEVER無差別級のベルトを獲った! 史上初のクォドループルクラウン(4冠王)だ!」と“4大制覇"を自画自賛して博多どんたく大会初日を締めくくった。

 新日本では横浜スタジアム、東京ドーム両大会を控える5月。2大ビッグマッチを前に、ジェイの手にはNEVER王座が渡った。

【ジェイの話】「(※足を引きずりながらコメントスペースにやってくる。あとをついてくる外道が拍手して勝利をたたえる。用意されていたイスに座り)なぜ誰も、俺に拍手しない?ゲドー、やったぞ!」外道「初めからこうなるとわかってた」ジェイ「誰一人として俺の言葉を信じようとはしなかったけどな」外道「(※用意されていたZIMAを手にして)カンパイ、チャンプ!」ジェイ「そうだ、俺はチャンプだ。最後にこれ(ZIMA)を飲んだ時は生ぬるかったが、よく冷えたZIMAはたまらないな。あれはイブシが『G1(CLIMAX)』を優勝した時のバックステージだった。だがあいつは"ホンモノ"の『G1』優勝者じゃなんかじゃない。見せかけだけのニセ物だ。イブシはいつも『逃げない、負けない、あきらめない、裏切らない』と言ってるが、ウソつきだ。あいつは(オスプレイに)負けたし、タナのようにギブアップしてあきらめた。そしてファンの意に反し、二つのベルトを統一し、裏切った。お前ら、誰も納得していなかっただろ?俺は最初から(飯伏が裏切ると)忠告していたのに、俺の言葉に耳を傾けようとしなかった。どうして俺の言葉を信じないんだ?俺はNEVERのベルトを獲って4冠王になると宣言し、その通りのことをした。でも、お前ら誰も信じようとはしなかっただろ?タナ、俺が6歳だった頃の話をお前にしてやろう。当時の俺の夢は何だったと思う?その時の夢はプロレスラーじゃなかった。プロレスって言葉すら知らなかった。俺の夢は重機オペレーターだった。親が運転する車の後部座席から工事現場を眺めるのがいつも楽しみだった。そして両親に『大人になったらショベルカーを運転する人になりたい』と言った。そして、子供用の砂場で遊べるショベルカーを買ってもらった。俺が育ったオークランドは坂道が多い街で、学校へ向かうバスの中でも窓から見える山道を眺めながら、大人になって土を掘る自分の姿を夢見てたものだ。タナハシ、これを聞いて俺の夢がそのまま
変わらなければよかったのにと思ってることだろう。そしたら、プロレスラーになってお前の前に現れることもなく、お前も俺に苦しめられることはなかったよな。さて、勝敗はこれで5勝2敗か6勝2敗に更新されたはずだ。タナ、お前はもう終わりだ。お前は一度だって俺より強かったことはない。そしてこれからも、お前は俺を越えられない。IWGPヘビー級王者から陥落させた俺が、今度はお前をNEVER無差別級王者から引きずり下ろしてやった。もう一生、お前が俺に勝てることはない。そしてお前にリマッチもさせてやらない。こうしてチャンピオンになったことだし、さすがのニュージャパンも俺の要求を聞かないわけにはいかないだろう。俺はたった今、史上初の4冠制覇を成し遂げたんだぞ!ニュージャパン、ここで俺から挑戦者を指名させてもらう!タグチ!いや、違う......タグチは2番目に挑戦させてやる。もう一人、頭に浮かんでるヤツがいる。その相手は俺たちの抗争は終わったと言っていた。オカダがタナハシを倒した時のことは“レインメーカーショック"として語り継がれているが、ニュージャパンの歴史の中で最もショックな出来事は、『NEW JAPAN CUP』でデビッド・フィンレーが俺を倒したことだ。フィンレー、お前は決着はついたって言ってたよな?でも勝敗を見れば、お前は2勝12敗。俺に大きく負け越している。恥ずかしくないのか?決着なんてついてない。ベルトを懸けてお前の相手をしてやると言ってるんだ。デビッド、どうだ?チャンピオンの俺がお前を一人目の挑戦者に指名してやってるんだ!このギフト、受け取るに決まってるよな?お前はまた“ショック"を起こせるのか?いや、次はお前が勝てるわけがない。デビッド、お前は本気で俺たちの抗争は終わったと言ってるのか?重機オペレーターにならなくてよかった。もし俺がこの団体とプロレス界に存在していなかったら、どうなっていたことか。まだ多くのファンが、俺がどれほどこの団体とプロレス界にインパクトを起こし、貢献してきたのか気づいていない。でも俺も、いつかはレスラーを引退していなくなってしまうんだぞ。引退後はやっぱり重機オペレーターを目指そうかな。将来、俺がいなくなった頃には、お前らみんな俺が恋しくなって、現役時代にちゃんと見ていればと後悔するんだぞ。それからHAPPY BULLET CLUB DAY。カンパイ」

【棚橋の話】「(※コメントスペースにたどり着くなりフロアにうつぶせに突っ伏す。しばらく無言ののち)はあ......これが、これが時代が変わっていくってことか......。はあ............悔しいな......。悔しいな。また、NEVERのベルト......なんもできなかったな......。(※ゆっくり立ち上がり)NEVERの精神を、もう一度、取り返して、トライします。それしかないな......」

プロ格 情報局