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5/4【新日本】44分死闘 オスプレイが鷹木連破でIWGP世界王座V1、ドームでオカダ迎撃へ

『レスリングどんたく2021』福岡国際センター(2021年5月4日)
IWGP世界ヘビー級選手権試合 ○ウィル・オスプレイvs鷹木信悟×

 オスプレイが45分近い死闘の末に対鷹木連勝を決め、IWGP世界ヘビー級王座初防衛に成功。5・29東京ドーム大会でのオカダ・カズチカ迎撃を決めた。

 4・4両国大会で飯伏幸太からIWGP世界王座を強奪したオスプレイは次期挑戦者にオカダを指名。1・4ドーム大会で敗れた雪辱戦に乗り出す構えをみせたが、NEW JAPAN CUP1回戦でオカダを破っている鷹木が割り込み表明。オスプレイはオカダの前に鷹木を初防衛戦で迎え撃つことになった。

 両者はこれまで3度対戦し、オスプレイの2勝1敗。いずれもベストバウト級の戦いばかりだったが、頂点ベルトをかけた4度目の対決はそれらを上回る死闘となった。パンピングボンバーでオスプレイを場外に転落させて先手を取った鷹木がエプロンから場外のテーブルへ向けたデスバレーボムを狙ったものの未遂に。逆にオスプレイがエプロンへのバックドロップを敢行。これで鷹木は腰のみならず左腕にもダメージを受け、見逃さないオスプレイが腕にピンポイント攻撃を浴びせた。

 その後、一進一退のせめぎ合いが続き、試合時間はあっという間に20分を超えた。消耗戦の様相を呈する中、先に流れを引き寄せたのはオスプレイ。雪崩式ストームブレイカーを阻止されても、スパニッシュフライを敢行。シューティングスタープレスを連発したが、自らの腰にダメージを残してしまった。

 450スプラッシュによるテーブルクラッシュを阻止した鷹木はエプロン上での攻防を制すると、テーブルめがけて決死のMADE IN JAPANを敢行。リングに戻ってもMADE IN JAPANで追い討ちをかけ、オスプレイをグロッギー寸前に追い込んだが、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンには持ち込めず。コーナーからダイブしてもオスプレイがオスカッターで撃墜した。それでも鷹木はヒドゥンブレイド、スーパーオスカッターをことごとく阻止。鷹木式GTR、鷹木式オスカッターで巻き返し、パンピングボンバーでオスプレイを吹き飛ばした。

 ラスト・オブ・ザ・ドラゴンが再び不発に終わると、オスプレイがローリングエルボー、死角からのトラースキック、顔面へのトラースキックの波状攻撃で巻き返しに出たが、鷹木も負けてはいない。ストームブレイカー、ラスト・オブ・ザ・ドラゴンがいずれも未遂に終わる読み合いを展開し、オスプレイがリバースフランケンを決めても、すぐさまリバースフランケンで徹底抗戦。ヒドゥンブレイドを叩き込まれても、死力を振り絞ってワンツーエルボー乱打、ショートレンジパンピングボンバー、リフト式デスバレーボムの大攻勢に出た。

 大きな手拍子が二人を後押しする中、ワンツーエルボーを乱れ打った鷹木に対し、オスプレイはエルボーをフルスイングして譲らず。ヘッドバットで鈍い音を響かせれば、鷹木はナックルパンチ、ノーモーション頭突きでやり返す。オスプレイが力なく崩れ落ちると、鷹木はラスト・オブ・ザ・ドラゴンで勝負に出ようとしたが、不時着したオスプレイは鷹木の後頭部にローリングエルボーをグサリ。オカダばりのレインメーカーを叩き込むと、ヒドゥンブレイドを顔面に叩き込んでからストームブレイカーを爆発させてようやく3カウントを奪った。

 勝負タイムは44分53秒。NEW JAPAN CUP決勝戦に続いて鷹木を破ったオスプレイが初防衛に成功した。これで5・29ドーム大会でのオカダとのV2戦が決定。「俺にとって価値があるのはUNITED EMPIREのメンバーと、このIWGP世界ヘビー級ベルトだけだ。『WRESTLE GRAND SLAM in TOKYO DOME』のメインイベントでオカダを倒し雪辱を果たす」と宣言して波乱の博多2連戦を締めた。

 ドームで敗れたオカダにドームでリベンジする。オスプレイにとって復讐を完遂する舞台として申し分ない。終盤に決めたレインメーカーがオカダに対するメッセージだったことは言うまでもなく、「お前がニュージャパンの顔だった時代はもう過去のものだ」と通告してみせた。

 「今日のタカギの頑張りを称えたい。あいつのおかげで俺は自分の限界を超えることができた」と語ったように、極限の戦いとなった鷹木戦によって、IWGP世界戦のハードルをさらに上げた形となったかもしれない。オカダとのV2戦も苦闘を避けられそうにないが、雪辱に燃えるオスプレイは「目的達成のためなら痛みにだって耐える」と断言してみせた。

 「今は俺たちUNITED EMPIREが中心に立っている。これはいつも言ってることだが、俺はその時その時の最強の相手と闘いたい。俺はウィル・オスプレイ、俺はレベルが違う」。そう強調したオスプレイはオカダへのリベンジでそれを改めて実証する。

【オスプレイの話】「この団体は俺なしでは回らない。ジュニア時代からそう言ってきたが、その頃は生意気だと批判された。3年……いや2年か。2年たった今もそれは変わっていない。俺はこれからも、この壊れた背中で団体を担いで進んでいく。そうだ、背中はもうボロボロだ! でも、目的達成のためなら痛みにだって耐える。もう一度言うが、俺はこの団体の未来だ。誰も俺が背負っているプレッシャーの大きさを想像できないだろう。でも俺は先輩たちからバトンを受け継いだ。だから期待にこたえるのが俺の役目だ。人生では失敗ばかりしてきたが、今の俺は成功者そのものだ。そうでなければ7万円もするヴェルサーチェのガウンを身にまとい、コメントなどしていないだろう。そして俺は同時にブリティッシュヘビー級王者でもある。だが今、より大事なのはIWGP世界ヘビー級のベルトだ。今日のタカギの頑張りを称えたい。あいつのおかげで俺は自分の限界を超えることができた。だが、あいつは俺を倒せなかった。それは俺のレベルに達していないからだ。(明日から)3週間のオフか。次は(5・29)トーキョードームでだな。オカダ、お前もしっかり休んでコンディションは良いはずだ。今日は(オカダの)試合がなくなり、結局、会場には現れなかったが、これで目が覚めたか? お前がニュージャパンの顔だった時代はもう過去のものだ。今は俺たちUNITED EMPIREが中心に立っている。これはいつも言ってることだが、俺はその時その時の最強の相手と闘いたい。俺はウィル・オスプレイ、俺はレベルが違う。(メンバーたちに)カンパイしよう(※と言ってほかの3人を呼び込む。コブが祝杯用に用意されていたZIMAの栓を抜き、仲間に渡す。オスプレイが乾杯の音頭を取る) UNITED EMPIREがニュージャパンを完全制覇した。ハッタリなんかじゃない、事実だ! カンパイ! うまいな! じゃあ、そろそろ行こうぜ。誰かベルトを持ってきてくれるか。俺はもう疲れたよ……」


【試合後の鷹木】
▼鷹木「(※辻の肩を借りて引き揚げてくる。コメントスペースにたどり着くと、崩れ落ちるように両手両ヒザを着く。リング上でのオスプレイのマイクが聞こえてくる)オスプレイがしゃべってるのか……終わったんだな? 辻、同じこと聞いて悪いな。負けたのか?」

▼辻「ハイ」

▼鷹木「情けねえよ……。途中から覚えてねえよ。はあ……ああ……ああああああ! 悔しいな、悔しい……。(最後)何でやられたか、マジで覚えてねえ……。ダメだ……ダメだったか……。俺が『(オスプレイの)首獲ってやる』っ言って俺が記憶飛ばされてんじゃ、逆に俺が介錯されっちゃったな。悔しいが! 完敗だよ。今日は完敗だ。言い訳はできねえ。だが……だけどな、俺はまだ生きてんぞ。魂の炎は! まだ尽きてねえからな……。ああ、クソッ……(※辻の肩を借りて控室へ)」

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