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5/30【ZERO1】田中がCIMAとの熱戦制して世界ヘビー初防衛 王者として火祭り出場へ

『プロレスリングZERO1 20周年記念イヤーシリーズ 新世紀創造』東京・後楽園ホール(2021年5月30日)
世界ヘビー級選手権試合 ○田中将斗vsCIMA×

 田中がCIMAとの熱戦を制し、世界ヘビー級王座初防衛に成功。火祭り出場を宣言し、来年4月10日に開催が決まった両国大会に世界ヘビー王者として立つ目標も掲げた。

 元旦・後楽園大会で田中が田村を破って5度目の世界ヘビー級王座戴冠を果たし、CIMAが挑戦を表明。両者によるタイトルマッチが決まったが、舞台となるはずだった3・14両国大会が延期に。この日、ようやく実現することになった。現在、全日本の世界ジュニアヘビー級王座を保持しているCIMAは勝利すれば、団体と階級が異なる異例のシングル2冠王となるところだった。

 序盤から一進一退。田中がスーパーフライによるテーブルクラッシュを狙えば、阻止したCIMAはエプロンでのシュバインの構え。これも不発に終わると、田中がエプロンでのデスバレーボムを敢行。場外に転落したCIMAにエプロンからのスライディングDを叩き込んだ。そしてコーナー最上段からの場外スーパーフライでCIMAをテーブルクラッシュだ。さらにCIMAの両足を鉄柱に引っ掛け、テーブルの破片で殴りつけた。

 すかさず田中が足攻めでペースを握る。多彩なレッグロックで絞め上げたが、しのいだCIMAは起死回生のバッククラッカーで反撃を開始。串刺しランニングダブルニーを連発し、コーナーに上がった田中にビーナスをお見舞いした。

 アイコノクラズムを阻止した田中はダイアモンドダストで逆襲。串刺しラリアットを連発し、トップロープからの雪崩式ブレーンバスターで叩き落とす。スーパーフライはCIMAが両ヒザで迎撃し、マッドスプラッシュを放ったが、田中も両ヒザを突き上げて食い止めた。

 両者とも倒れ込んだが、同時に立ち上がると意地の攻防に突入する。田中が右足へのスライディングDをぶち込めば、CIMAもすぐさまシュバインで逆襲。続くスパルタンカットは田中が食い止め、バックドロップで投げると、CIMAがトラースキックで反撃してもランニングエルボーを叩き込んだ。

 すかさず田中がスーパーフライで追い討ちをかけたが、スライディングラリアットはCIMAが回避。ブラディーサンデー、雪崩式フランケンシュタイナーと大技を重ねると、田中が追尾式ラリアットを見舞っても、追尾式ドロップキックで徹底抗戦。バックドロップで投げたが、田中はスライディングDで再び右足を刈り、後頭部にもスライディングDをグサリ。引かないCIMAもメテオラをスタンド状態で決め、前後からメテオラを決めて一気に勝負をかけた。

 だが、3発目を回避した田中は強烈なランニングエルボーをカウンターでさく裂。エルボーとチョップの打ち合いをワンツーエルボー連打で押し込めば、CIMAはローリングエルボー狙いをビーナスで迎撃。ならばと田中はこん身のローリングエルボーでCIMAをねじ伏せると、間髪入れずスライディングDをぶち込んで熱戦に終止符を打つ3カウントを奪った。

 田中が戴冠から約5ヵ月にして迎えた初防衛戦でCIMAに会心の勝利。試合後はノーサイドで座礼し合い、CIMAがベルトを田中の腰に巻いた。マイクを持った田中はリングを降りたCIMAに向かって「初防衛戦、本当にあなたでよかったと思います。両国が伸びて、この5ヵ月、凄く充実しました。この日が終わってほしくない、そんな気持ちもあったけど、今日やって何年後かにまたあるかな? ないかもしれへん。これが最後やっていったけど、またいつかやりたくなるのがレスラーや。1回で終わらせたくない気持ちもあるけど、これで終わりにしたい気持ちもある。今日あなたとやれて最高でした。ありがとうございます」と感謝とともにメッセージを送った。

 CIMAが去ると、田中は「本当に初防衛戦の相手がCIMA君でよかったと思うし、初めてのシングルなんで凄くドキドキワクワクした5ヵ月でした。今日楽しみにしてきてくださったお客さんもありがとうございます」とファンにも感謝。「火祭り、どんどんアピールしにさっきも来たと思うけど、俺がチャンピオンのうちは誰が来たって負けへんぞ!」と叫ぶと、「工藤さん、今11人決まってんの? そこに俺が入ったら12人やな。今年は12人。どういう組み合わせになるかわからんけど、俺はこのベルト巻いてる以上、誰にも負けへん」と火祭り出場を表明した。そして最後は「3、2,1,ゼロワーン!」の叫びで後楽園大会を締めた。

 この日、来年4・10両国大会の開催が決まった。延期を経てようやく実現するビッグマッチへ向けて田中は「日にちが来年の4月になった時でも、やっぱチャンピオンでいなきゃいけない。来年、両国迎えるにあたって、ずっとベルトを防衛していかなきゃいけない」とキッパリ。両国の大舞台に世界ヘビー級王者として立つ大目標を掲げていた。

【試合後の田中】
▼田中「ホント、初の防衛戦というのは凄く大事だったと思うし、俺がCIMA選手で結果的に両国のカードがこれだけ延び延びになりましたけど、ホントに決まってから5ヵ月という長い期間、凄く緊張してね、いい意味でいいトレーニングできたし、ここに向かって凄く充実したトレーニングもそうだし、他の試合もそうだし、ホントに充実してて。今日これが終わったと言っても、またすぐ火祭りというのが待ってるんで、ひと区切りじゃないですけど、上半期のいろんなテーマがある中で対CIMAというのが僕にとってのテーマだったと思うんで。元旦にこれが最後って言いましたけど、やっぱやってみて、そこで何かが芽生えるというのもあると思うんで。またいずれ、すぐじゃないですけど、やってみたいなって気持ちに変わりましたね。ホントに48で28年間やってますけど、初のシングルだったんで凄く楽しめました。一発一発的確に入れてくるのはきついし、後ろから何きたのかわからないけど、凄いのがきたしね。あれでちょっとペース乱された部分もありますけど、何とか最後、自分が自信をもっていけるスライディングDで獲れたのは凄く良かったと思います」

――来年4・10両国大会が決定したが?

▼田中「両国が延期する前に僕がチャンピオンとしてそこに上がる予定だったのが伸びたので。ただ日にちが来年の4月になった時でも、やっぱチャンピオンでいなきゃいけないなっていうのは思いますよね。両国にベルトをもって上がるのと上がらないのでは全然気持ちの部分で違ってくると思うので。同じベルトを持ったチャンピオンとして田中将斗がその花道を歩かなきゃいけないなと思ってるので。火祭りもそうですけど、来年、両国迎えるにあたって、ずっとベルトを防衛していかなきゃいけないなと思います」

――稲村が「田中将斗を追いかけて」と火祭り出場を表明していたが?

▼田中「それはいいんじゃないですかね。僕が他団体に出て、凄いなっていうのがいれば、やっぱ火祭りに出てもらいたいなって気持ちになるし、いろんなところに僕が出て、火祭りに出たら面白いんじゃない?っていう人を火祭りに出てもらってるので。ここで稲村が自分で出たいと言ったのか、どういうふうになって決まったのかわからないけど、ノアさんでシングルやって、僕は簡単に負けるわけにはいかないと思ってるし、ベルト持ってるし、いろんな他団体にも出てるんで。規格外の新人だけど、キャリアでいっても1年、2年の、いったらまだヤングボーイの位置じゃないですか。でも規格外で強いっていうのはわかってるけど、そういう奴にいろんな団体に出てきてる僕がポッと負けたらホントに失礼だと思うんでね。火祭り、次21回だっけ? その歴史もあるんで、それは簡単に火祭り刀持たすわけにもいかんし、チャンピオンである僕も負けるわけにいかんし。今度、火祭りに出る人間の中で一番キャリアのない人間に主役を持っていかれるわけにはいかないってみんな思ってるんじゃないですかね。ZERO1で決まってる選手もそうだし、他団体で、入江君とか吉田君とか阿部君とかも決まってるわけですから。ノアだからっていっておいしいところをもっていかせたくないというのは彼らが一番思ってるかもしれないし。僕は全員敵です。仲間の阿部もそうだし、菅原もそうだし。俺にとっては全員敵」


【CIMAの話】「今日はもう小細工なしで、丸め込みも極力使わんと正面突破でいこうと思いましたけど。マウスピースをしてたんですけど、完全にアゴ、奥歯がおかしいねん。勝った負けた、タイトルマッチはもちろんそうやけど、今、僕もこの立場になって#STRONG HEARTS率いて、T-Hawkたちとやってるけど、今GLEATのCIMAやから。GLEATの#STRONG HEARTSやから。何よりも先にGLEATがつくから。GLEATのCIMA、GLEATの#STRONG HEARTS、GLEATの鬼塚一聖。そういう意味で全然、俺、ヘビー級でも何でもないけど、ZERO1の世界ヘビー級チャンピオン・田中将斗とこの時期に試合ができたのは感謝ですよ。ただ、見てもらってわかる通り、3カウント近くまでいったかもわからんけど、田中将斗完勝よ。俺24年間やってきたけど、AEWでケニーさんとやった時と同じような感覚やね。あれはかなわん。何でかっていったら俺、今日飛行機で大阪に帰るねん。明日もすでに朝と夕方と治療入れてるんや。片や田中将斗。明日ここで試合らしいぞ。でも今日は途中で飯塚も壮馬もセコンドについてくれたし、カズさんも今日の試合見てくれてたから会場の端で。GLEATにはいい刺激になったでしょ。まだZERO1、対抗戦あったけど、まだ終わらんぞ。最初に目標とした田中将斗と1対1でやったにすぎないから。#STRONG HEARTS、GLEAT、まだまだZERO1攻めてくからな。田中将斗、あなたが人生、半世紀きたときにもう一回1対1でやりましょうよ。今日は完敗。あの人、明日試合。俺、治療2回」

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