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6/7【新日本】鷹木がついに頂点獲り オカダ撃破でIWGP世界ヘビー初戴冠、V1戦へ飯伏指名

『DOMINION 6.6 in OSAKA-JO HALL』大阪城ホール(2021年6月7日)
第3代IWGP世界ヘビー級王座決定戦 ○鷹木信悟vsオカダ・カズチカ×

 鷹木が新日本参戦から2年8ヵ月でついに頂点獲り。オカダを撃破してIWGP世界ヘビー級王座初戴冠を果たした。試合後、初防衛戦の相手に飯伏を指名。両者の対戦が決定的となった。

 5・4博多大会でウィル・オスプレイに敗れ、IWGP世界ヘビー級王座奪取を逃した鷹木。しかし、オスプレイが首の負傷のためイギリス帰国を決断し、タイトルを返上すると、即座にベルト獲りをアピールした。そこで、オスプレイへの挑戦が決まっていたオカダと新王者決定戦に臨むことに。今年のNEW JAPAN CUPで鷹木に敗れているオカダにとっては雪辱戦。しかし、鷹木はそんなレインメーカーの思惑を力ずくではね除けた。

 序盤から一進一退の攻防が続いたが、鷹木がオカダの腰と脇腹を同時に痛めつけて攻勢に。オカダもヘビーレインやマネークリップなどで反撃したが、その勢いを潰すには至らない。鷹木は熨斗紙、コーナーめがけての投げ捨てジャーマンと大技を連続して繰り出すと、アルゼンチンバックブリーカーからストマックブロックにつなげるなど、なおも腰と脇腹を痛めつけた。

 劣勢が続いたオカダだが、コーナーに押し込まれて一方的にエルボーや頭突きを食らうと、闘志に火が点く。距離ができた瞬間、ショットガンドロップキックを発射すると、鬼の形相でエルボーを連打。鷹木の反撃をものともせずに、しつこくマネークリップを狙い、旋回式ツームストンパイルドライバーを挟んで、ついに完璧な形で捕獲した。

 危険な場面だったが、鷹木は意地のロープエスケープ。たまらず場外に転落する。あとを追ったオカダは場外ツームストンを狙うが、鉄柵をつかんで必死の抵抗を見せた鷹木は、逆に場外MADE IN JAPANでピンチをチャンスに変えた。

 オカダはリングアウト寸前でなんとか滑り込むも、鷹木はその後も惜しげもなく大技を連発。30分経過直後にパンピングボンバーで勝負に出た。が、オカダはこれをドロップキックで迎撃。ツームストンで突き刺すと、レインメーカーを狙ったものの、鷹木がカウンターの左腕ラリアットを振り抜き、ダブルダウンに。どちらも死力を尽くして立ち上がると、激情を爆発させてエルボーを打ち合う。鷹木が先に猛攻に出るが、沈まないオカダは逆さ押さえ込み式ショートレンジラリアットをぶち込むと、手首を離さず、またもラリアットを振り抜き、再びレインメーカーへ。

 しかし、鷹木はこれをかいくぐると、掟破りのレインメーカー式パンピングボンバーをぶち込んだ。そして、走り込んでのパンピング弾もさく裂。これでも沈まないオカダは猛抵抗を見せるが、鷹木は投げ捨てドラゴンスープレックス、側頭部へのスライディングエルボーと怒とうのラッシュ。最後はラスト・オブ・ザ・ドラゴンで35分を超す激闘に終止符を打った。

 鷹木がオカダを破り、IWGP世界ヘビー級王座を初戴冠。新日本参戦から2年8ヵ月でついに頂点のベルトを腰に巻いた。「ここにIWGPのベルトがある。これは夢なんかじゃねえな。間違いなく現実だろ?」と喜びを噛みしめた鷹木は「俺はちょうど1ヵ月前、オスプレイに負けて奈落の底に落ちていった。だが、俺はギリギリ生き残った。いろいろあったけど、今日の一戦で鷹木信悟、完全に這い上がったぞ!」と感慨深げに雄叫びを上げた。

 だが、鷹木はここで止まらない。「こうして今、手元にベルトがあるが、これはゴールじゃない。これがスタートだ。まだまだやらなきゃいけないことが山ほどあるんだ。まずはこのベルトを通行手形に、新日本プロレスの、いや、プロレス界のテッペンを目指して、龍の如く駈けのぼってやろうじゃねえか」と宣言すると、「相変わらず世間はコロナ禍の真っ直中だ。そんな時こそ、こんなご時世だからこそ、俺みたいな元気はつらつが活躍しなきゃいけねえだろ?」とアピールした。

 「ということで、俺の言いたいことは…」と締めくくろうとしたが、「言いたいことはまだ1つ残ってんだ」と続けると、「今日、先代のIWGPの象徴と言っていいオカダを倒した。初防衛の相手はもう決まってんだよ。偶然にも今日そいつは試合をしてたな。せっかくだから呼び出そうか。誰かわかるか? おい、飯伏。出てこい!」と飯伏を呼び出した。セミファイナルでコブを下し、完全復活を遂げた飯伏は気合いの入った表情でリングに入る。

 「飯伏、回りくどいことはなしだ。俺の言いたいことは1つ。このベルトを懸けて俺とやるのか。“イエス"か、“ハイ"かここで答えてみろ」と鷹木流で対戦を迫ると、飯伏は「イエスでもハイでもどっちでもいいんだよ。やってやるよ!」と返答。大きく頷いた鷹木は「よし、これで誰も文句ねえな。飯伏、俺たちにしかできない潰し合いやろうぜ」と言い返し、両者の一騎打ちが決定的となった。

 「今日俺が負けていたら、オカダ、棚橋、内藤や飯伏、あいつらのいる、トップ中のトップに永遠にのぼることができないと思ってたんだ。首の皮一枚つながったんじゃねえか、オイ。これ獲ったからってオイ、別にあいつらと対等だとは思ってねえよ、俺は。だがな、謙遜するわけじゃねえが、片足ぐらいは突っ込んだと思ってるぜ。な? 全身そこに入り込むか、また追い出されるかは俺次第だ」。試合後、そう冷静に語った鷹木。飯伏戦の先には、オスプレイへのリベンジも見据えている。

 初代王者は一度も防衛できず、第2代王者のオスプレイも初防衛直後に返上。コロナ禍で揺れるプロレス界を象徴するように、IWGP世界ヘビー級王座も安定しない状態が続いている。そんな中でも、鷹木は座右の銘の「我道驀進」に従い、これまで同様に真っ向勝負で突き進むのみだ。

【鷹木の話】「(イスに座り、テーブルにベルトを立てかけて、しばらく言葉を選んでるように無言が続く)はあ……ホッとしてるよ。ひとまずホッとしてるよ。どんなに強がっても、やっぱオカダを目の前にしたら、そりゃあビビるよ。百戦錬磨のオカダを前にしたら、どんなに強がったって俺の気持ちはおったさ。あいつはやっぱすげえよ。でも逆にあいつの一言が俺に火をつけたな。対等にものを言えるなと。棲んでる世界が違うと。なにくそ! と思ったけど、あながち間違いじゃないんだよな、オカダの言ってること。悔しいけど、間違いじゃねえんだよ。あいつのやってきた実績に比べたら、俺の実績なんて足元にも及ばねえよ。だからこそ今日、負けるわけにはいかなかった。今日俺が負けてたらオカダ、棚橋、内藤や飯伏、あいつらのいる、あいつらがいるな、トップ中のトップに永遠にのぼることができないと思ったんだ。首の皮一枚つながったんじゃねえか、オイ。これ(IWGP世界ヘビー級のベルト)獲ったからってオイ、別にあいつらと対等だとは思ってねえよ、俺は。だがな、謙遜するわけじゃねえが、片足ぐらいは突っ込んだと思ってるぜ。な? 全身そこに入り込むか、また追い出されるかは俺次第だ。まあ、これで俺もホントにオスプレイに負けて崖っぷちから奈落の底に落ちたが、俺はホント運がよかったよ。だが運も実力のうちだ。飯伏、飯伏幸太、おそらくあいつからは何も言ってこねえと思ったから、俺の中じゃオカダに勝ったあかつきには(次の挑戦者は)飯伏しかないと思ってた。もう安っぽい言葉はいらないよ。オカダもそうだったが、飯伏に対してもいらねえよ。なあ、飯伏。俺が新日本に来た時、インタビューで俺言ったよ。誰が一番興味あるかって。オカダでもない、内藤でもない、棚橋でもない。俺は飯伏と言った。同世代の人間、同級生として、あいつは常にトップを走っていると思ってた。やっと対等に渡り合うときが来たな。だが、その先には俺は……俺はちゃんとその先を見据えてるからな。オイ、ウィル・オスプレイ! 今日あえて俺は試合後、ベルトを巻いた。オスプレイは全治未定の欠場か……。でも逆をいえば、全治未定だったら早く帰ってくるかもしんねえ。オイ、オスプレイ! 誰かオスプレイに言っといてくれよ。オイ、お前に負けた鷹木信悟は1カ月後、IWGPの世界ヘビー(級のベルト)持ってんだよ。オイ、オスプレイ、悔しかったら、ふざけんなって気持ちがあるんだったら早く戻ってこい。いつでも相手してやんぞ。本当の意味で俺が! チャンピオンを名乗るのは、やっぱり最終的にはオスプレイを乗り越えて……。ああ、ホントに(5・4)福岡の時と同様、わけわかんないけど、まあ試合後、俺の曲が流れてたから、心の中でガッツポーズしたよ。まあ、寂しいじゃないか、オイ。L.I.J、誰も祝杯に来てくんねえとは。まあでもこれがLOS INGOBERNABLES de JAPONらしくていいよな、オイ。ヒロムも、まあ欠場中だが、ヒロムも(解説席に)いたけど、BUSHIだって黙ってねえだろ。内藤、SANADAよりも俺が先にこのベルトを巻いたんだ。もちろん、あいつらも悔しいよな。面白れえ、相乗効果だ。まあ、ちょっとダメージがデカイんで、あんまりしゃべりすぎると、また福岡の時みたいに記憶が飛んじまうから、今日はこのへんで短めに終わらしてもらうよ。(※用意されていた祝杯用のZIMAを一口飲んで)ああ、2カ月ぶりに飲んだよ。よし! (※立ち上がってベルトを腰に巻いて記念撮影をする)」

【オカダの話】「(※マスクを着けて現れてイスに座って)まあ、IWGP世界(ヘビー級王座に)初挑戦して、ま、凄い経験値の差というものを感じましたね。それはプロレスキャリアの経験値と、ではなく、今の新日本プロレストップの中で闘ってる経験値の差ってのをすごく感じたんでね。ま、そこをしっかり埋めることができなかった。僕も大丈夫だと思ってたなかで、ウン、まあ甘くみてましたね。あんだけデカイこと言って、正直……新日本プロレスのトップっていうのは甘くなかったんだなと思いましたし。まあ、すごいチャンピオンでしょう。あそこまで、僕もね、あの手この手でしっかりと勝ちを狙っていったなかで、その上をいくわけですから。素晴らしい第3代IWGP世界ヘビー級チャンピオンじゃないかなと思います。まあ、僕には縁がない(苦笑)ベルトなのかもしれないですし。でも、みんながね、新日本プロレスみんなが4番バッターっていうわけじゃないですから。ま、その、いろんな役割があると思いますし、この、まあ実質、このIWGPの闘いで一番後ろになってしまいましたし、ま、僕はできる闘いで新日本プロレスを盛り上げていきたいと思います」

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