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6/12【スターダム】激闘43分19秒 林下が朱里と延長ドローでワールド王座死守、刀羅が挑戦状

『シンフォギアXD presents TOKYO DREAM CINDERELLA 2021 Special Edition』東京・大田区総合体育館(2021年6月12日)
ワールド・オブ・スターダム選手権試合 △林下詩美vs朱里△

 林下が朱里と延長戦の末に両者KOドロー。合計43分19秒の激闘で辛くもV5を果たした王者に大江戸隊の刀羅ナツコが挑戦状を叩きつけた。

 5月29日からこの日に延期となった大田区大会。メインイベントはスターダムの最高峰タイトルである赤いベルトをかけたワールド・オブ・スターダム王座戦。王者・林下5度目の防衛戦で、朱里が挑戦する。5・14後楽園におけるシンデレラ・トーナメント2回戦でオーバー・ザ・トップロープながら林下に勝利して挑戦を表明。「私がその赤いベルトの新チャンピオンだ。そして朱色に染め上げて、朱世界の始まりにする」と宣言していた。

 スターダムの頂点を争う一戦は凄まじい戦いが繰り広げられた。序盤から攻守が目まぐるしく変わり、基本を確かめ合うようにポジションを奪い合ったり、ヘッドロックを決め合ったりと地味ながらも目が離せない展開に。朱里がエプロンからのランニングローキックで場外の林下の右腕を蹴り飛ばし、エプロンからダイブしてのコルバタで吹き飛ばせば、林下はエプロンへのニークラッシャーの荒技を敢行。リングに戻ればアキレス腱固めを極め合った。

 先に流れをつかんだのは朱里。サッカーボールキックを連打し、腕ひしぎ逆十字、三角絞めで絞め上げるなど流れを作る。負けじと林下がターンバックルパワーボムで逃れ、正調、スライディングとラリアットを連発しても、朱里はミドルキック、サッカーボールキックを狂ったように連打し、ハイキックでKO寸前に追い込んだ。

 朱里の攻勢が続いたが、林下はターンバックルパワーボムで逆襲。山折りで反撃されて場外に転落したものの、エプロンからのミサイルキックを自爆させると、エプロン上でコウモリ吊り落とし、エプロンめがけての場外ジャーマンと荒技を連発して攻勢に転じた。

 ハイジャックボムは朱里がDDTで切り返し、再び腕ひしぎ逆十字で捕獲。耐えた林下も逆落としからの胴締めスリーパーで対抗し、張り手の打ち合いを朱里が制しても、ジャーマン、コウモリ吊り落としと大技を重ねて徹底抗戦した。さらにラリアットを叩き込むと、朱里も飛びヒザ蹴りで応戦したが、最後はエルボー合戦で意地を張り合ったまま30分フルタイムドローのゴングが鳴らされた。

 この結末に朱里が「私はまだまだやれるぞ! 林下詩美はこのままでいいのかよ? そんなんで世界の林下詩美を名乗る気か!? どうなんだよ!」と絶叫しながら再試合を要求。林下も「こっちだってな、まだまだピンピンしてんだよ! お前こそ、これ以上やり合ったってひれ伏すだけだぞ。それでもいいって言うなら、もう1ラウンドやってやるよ」と受けて立って延長戦のゴングが鳴らされた。

 続きとばかりにエルボーを打ち合った両者。林下が連打で制すれば、朱里はヒザ蹴り連打でやり返す。腕ひしぎ逆十字から腕固めに移行して勝機を作ったが、耐えた林下はまたも打撃戦に持ち込み、張り手を何発も打ち合う。まるで闘争本能のみで戦っているかのようだ。

 その後も林下がラリアット、朱里がハイキックを打ち合うと、朱里が変型ドライバーで追い討ち。雪崩式アームロックスープレックスからチキンウイングアームロックで捕らえたが、林下は意地でもギブアップしない。ジャーマン、トーチャーラックボムと大技攻勢に出た。朱里がエメラルドフロウジョンで逆襲しても林下はハイジャックボムで徹底抗戦して譲らず。ここからは意地と意地のぶつかり合い。林下が左右のハンマーパンチをぶん回せば、朱里はローリングバックブローを3連打。さらに林下のラリアット、朱里の顔面蹴りが連鎖し、ついに両者はダウンカウント10が数えられ手も立ち上がれず両者KOの裁定が下された。

 延長戦の末、林下がワールド王座ドロー防衛。辛くもV5に成功した。奪取ならなかった朱里は試合後、号泣。悔しさをぶつけるように林下の顔面を張ってから花道を下がった。

 入れ替わるように現れたのが大江戸隊の刀羅。「私は今、最高に調子に乗っている。ここにいるみんなはなぜだかわかるよね? そう、ずっと言ってたこと私は今日お前らの前で証明してみせた」と結果、スターライト・キッドを加入させたSTARSとの全面戦争2連勝を勝ち誇ると、「そして何とツイッターで大江戸隊がトレンド入りしたんだって。調子乗っちゃうよね」と続けた刀羅は「そんな調子に乗ってる私から君に挑戦状。どう? もちろん受けてくれるよね?」と挑戦を迫った。

 すると林下は「おい、刀羅ナツコ。てめぇが調子いいとか悪いとか、どうでもいいわ」としたうえで、「そんなに言うならこのベルト挑戦させてやってもいいけど」と受けて立つ構え。「私はSTARSと違う。てめぇに好きなようにはさせねぇからな」と通告することも忘れない。刀羅も譲らず「お前のタマ獲ってやる。林下詩美、楽しみにしとけよ」と通告して去っていった。

 「スリー獲れてないから、うれしさ半分、ふがいなさ半分って気持ち」と複雑な心境を口にした林下だが、赤いベルトを守り抜いたのは紛れもない事実。「まだまだ私はこのベルトと一緒に新しい時代を作っていきたい。まだまだこのベルトは手放せねぇ」と頂点の座に君臨し続けることを誓った。

【試合後の林下】
▼林下「5度目の防衛。防衛しました。でも防衛したんだけど、チャンピオン・林下詩美は今日は防衛だけど、朱里とはまたやって、今度こそは決着をつけなきゃいけなくて。世界の林下詩美になったつもりでいたけど、まだまだこんなんじゃ世界の林下詩美にならねぇよ。でもまだまだ私はこのベルトと一緒に新しい時代を作っていきたい。まだまだこのベルトは手放せねぇ」

――引き分けとはいえベルトを守り抜いたが?

▼林下「ベルト防衛、防衛回数が5に伸びました。ファンとしてはうれしいんじゃないですか。林下詩美、無事防衛ですよ。でも林下詩美は防衛はうれしい、けど、スリー獲れてないから、うれしさ半分、ふがいなさ半分って気持ちかな」

――粘りが評価されるが?

▼林下「ボコボコにされて、自分が何されたかも覚えてない。朱里、私はあなたを耐え抜いたのかもしれないけど、自分が全く何したのか覚えてない。私はここにベルトをもって、このベルトが私をここまで連れてきてくれました」

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