7/25【新日本】"疑惑のシューズ”脱げるも…石森&ファンタズモがJrタッグV1

『WRESTLE GRAND SLAM in TOKYO DOME』東京ドーム(2021年7月25日)
IWGPジュニアタッグ選手権試合 ○エル・ファンタズモ&石森太二vsロッキー・ロメロ&田口隆祐×

　“疑惑のシューズ"を脱がすことに成功した田口だったが、その直後を襲われて敗戦。石森&ファンタズモがジュニアタッグ王座初防衛を果たした。

　“メガコーチズ"田口&ロッキーは王者・石森&ファンタズモから直接勝利を挙げて、タイトル挑戦にこぎ着けた。前哨戦では、凶器が仕込まれている疑惑があるファンタズモの右足シューズから繰り出されたサドンデス(トラースキック)でKOされたこともあったが、前夜の名古屋大会ではその右足を防いで快勝。疑惑解明とベルト奪取に自信を示してドーム決戦を迎えたが、王者組はその思いを叩き潰した。

　メガコーチズは序盤から2人がかりでファンタズモのシューズを奪い取ろうとするが、石森が救出に入って失敗に終わる。その後は王者組が試合をリードした。目を引いたのはファンタズモの動き。得意のラフファイトのみならず、華麗な空中殺法を連発すると、スタイルズクラッシュ、Vトリガーと歴代のBULLET CLUBリーダーの大技を披露。さらに、ヒジのサポーターを外してロッキーをエルボー合戦に誘い込むと、一転して疑惑のシューズで腹を射抜く…と冴え渡る攻撃で暴れ回った。

　孤立した田口を仕留めようと、王者組は合体コードブレイカーを狙って肩車を組んだが、ここで復活したロッキーがスワンダイブ式ラリアットを発射。ダブルインパクトの形に持ち込んでチャンスを掴む。2人は思い入れのある合体技で勝負に。Apollo55のブラックホールバケーション(どどん&プリンスズスロン)を決めると、ロッポンギヴァイスのストロングゼロ(デュードバスター&ミサイルキック)を狙ったが、ファンタズモに阻止されてしまった。

　石森とファンタズモは連続ケブラーダで逆襲。田口を大技ラッシュで追い詰める。足を痛めた様子のファンタズモだったが、ロッキーにサドンデスを叩き込んで戦線離脱に追い込むと、田口にも狙った。

　これをキャッチした田口は石森の側頭部に足を叩きつけて場外に排除。一気にオーマイ&ガーアンクルに捕らえると、右足のシューズを引っぺがしにかかる。そして、ついにシューズを奪い取ることに成功して大喜びしたが、これもファンタズモの想定内。靴の中には田口への嘲笑の言葉が書かれていた。それでも田口はレフェリーにシューズをチェックさせようとするが、石森が強引に奪還。混乱に乗じて、ファンタズモは田口を金的攻撃で棒立ちにさせ、一気にCRIIで3カウントをもぎ取った。

　まんまとメガコーチズを返り討ちにしてV1を果たしたファンタズモは、「サドンデスの秘密を暴くって偉そうに言って、俺の靴を脱がせてレフェリーに見せて何があった? 秘密兵器なんて最初から何もなかった! そうだろ! 何度も言ってきただろ! 自粛期間に地元のカナダでカエデの木、樫の木に白樺の木、ありとあらゆる種類の木を蹴ってスーパーキックを徹底的に鍛えてきたと」と改めて強調。「俺様のキックがあったおかげで無事ベルト防衛に成功だ。ロッキー&タグチ、お前ら自分たちが何をしたかわかってるのか? 俺の足と石森の首を壊す気だっただろ! ニュージャパンマットの上では正々堂々と勝負するのが筋ってもんじゃなかったのかよ? 殺されかけたぞ!」と皮肉った。

　一方、疑惑解明とならなかったメガコーチズは意気消沈。タッグは一旦休止となりそうだが、将来的な再結成を誓っていた。

【試合後のファンタズモ&石森】
▼ファンタズモ「(※石森と一緒に裏からZIMAを冷やしたクーラーボックスを持って来ると蓋を開けて)ワーオ、ZIMAだ! キンキンに冷えてるはずだよな! 俺たちがIWGPジュニアタッグのベルトを防衛した! 凄かっただろ? サドンデスの秘密を暴くって偉そうに言って、俺の靴を脱がせてレフェリーに見せて何があった? 秘密兵器なんて最初から何もなかった! そうだろ! 何度も言ってきただろ! 自粛期間に地元のカナダでカエデの木、樫の木に白樺の木、ありとあらゆる種類の木を蹴ってスーパーキックを徹底的に鍛えてきたと。モミの木なんて2回スーパーキックを浴びせたら簡単に倒れた。俺様のキックがあったおかげで無事ベルト防衛に成功だ。ロッキー&タグチ、お前ら自分たちが何をしたかわかってるのか? 俺の足と石森の首を壊す気だっただろ! ニュージャパンマットの上では正々堂々と勝負するのが筋ってもんじゃなかったのかよ? 殺されかけたぞ!」

▼石森「メガ・コーチズ、確かに実力あんな。ケツばっかり出してくるかと思ってたら、普段は出さねえ引き出しまで出してきやがって。でも、お前は今までのチャレンジャーと一緒。ファンタズモのブーツばっかり気を取られやがってよ。ヘッヘッヘ。何かが入ってるだって? 大げさだ! あれはファンタズモが自粛中に開発したサドンデスという立派な技だ。これでわかっただろ? 俺たちが実力はトップクラスだっていうこと、誰も相手になんねえってこと!」

▼ファンタズモ「なんて言ったんだ? そういえば、俺たちのTシャツがPROWRESTLINGTEES.comで発売されたんじゃなかったか? かわいいイラストで描かれてるぞ。今日は最高の日だな。カンパイしようじゃねえか。(※乾杯し、石森はZIMAを浴びる)この勢いのままBULLET CLUBが世界を乗っ取る。ヒクレオがUSヘビーのベルトを獲ってくれることだろうし、チェーズ・オーエンズも今日から『KOPW2021』の保持者だ。それからジェイ・ホワイトも現NEVER無差別級王者だしな。何本かビールを持ち帰ろうぜ。(※と言って自分のシューズを石森に渡し、自分はZIMAをクーラーボックスから持てるだけ取り出す)それから氷を持って来い!Too Sweet!」


【試合後の田口&ロッキー】
▼ロッキー「カントク、すまない」

▼田口「今、石森の言葉を聞いてましたけど、確かにちょっとファンタズモのシューズに、右足に気を取られすぎたかなと。靴を取るまでは良かったんですけど。う〜ん、反則でしょう。あれは反則。中に何があったと思います? “Taguchi FXXK You"って書いてありましたよ。見た瞬間にやられたと思いましたね。しかし、あのレスリングシューズ、普通のレスリングシューズに比べたら重い。普通のシューズに比べたら重いって思ったんで、中で加工されてるのかな? 中敷きじゃなくて、その下かな? 靴自体なんか細工がされてるんじゃないかなと思いました。これはもう1回やらないとダメですね。IWGP実行委員会にあのシューズを調査してもらいたいです」

▼ロッキー「クソ、ファンタズモの野郎...靴の中には“Taguchi FXXK You"と書かれてたんだぜ。本当にあいつが心の底から大っ嫌いだ。不本意だが、メガ・コーチズ vs THE CUTEST TAG TEAM…だかなんだか知らねえが、俺たちの対決はこれで終わりだ。タグチさん、ゴメンなさい。でも俺はアメリカのマットに戻らないと。『NJPW STRONG』はもちろん、AEW、IMPACT、MLWの試合も決まってる。今日の反省点もいろいろあるし、もっとトレーニングが必要だ。もうすぐ39歳になるけど、俺はまだまだ自分の実力に満足してない。今日は俺たちの負けだ。でも俺は通算8回IWGPジュニアタッグのベルトを巻いてきた。タグチ、君は何回だ?」

▼田口「6回」

▼ロッキー「本当なら今日あいつらに勝って俺にとって9回目、君にとって7回目のベルト戴冠になるはずだった。今日でとりあえずメガ・コーチズは一旦休止だ。でも将来的に再結成も十分あり得るよな?」

▼田口「イエス、プリーズ」

▼ロッキー「タグチもアメリカに来たらどうだ? そしてAEW、IMPACTに『NJPW STRONG』のマットに一緒に上がろう。チームとしてもっと強くなってから日本のマットに戻ろう。イシモリとファンタズモ、俺たちが再挑戦するまでベルトを落とすんじゃないぞ。その時こそ…(日本語で)イチ、ニー、サンでシバクゾ、コノヤロウ!」

▼田口「ナカスゾ、コノヤロウ!」

▼ロッキー「カントク、ありがとう、そしてごめん。でもあいつの靴の中には“Taguchi FXXK You"以外にも絶対に別の何かが隠されていたと思う」