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7/31【新日本】辻が遠征前に因縁の真壁と激突 完敗も「闘魂」伝承

『映画「ゴジラvsコング」Presents SUMMER STRUGGLE 2021』東京・後楽園ホール(2021年7月31日)
○真壁刀義&本間朋晃vs永田裕志&辻陽太×

 辻が海外遠征前に因縁の真壁と最後の激突。完敗を喫したものの、試合を通じて「闘魂」を感じ取り、「どこへ行こうと、その闘魂を俺は忘れずに胸に抱いて戦っていく」と誓ってみせた。

 明日(1日)の後楽園大会で内藤哲也相手に壮行試合を行う辻。その前日に永田と組んで、真壁&本間と対戦した。辻にとって真壁は何度も壁になって前に立ち塞がってきた因縁の相手。海岸遠征前に勝利を奪おうと真っ向からぶつかっていったが、その牙城は崩せなかった。

 試合冒頭、辻は正面から真壁に仕掛けて気迫を発散。今年のNEW JAPAN CUP1回戦で対戦するなど辻と絡む機会が多かった永田は、最後に何かを伝えようと奮闘し、いい場面で辻にタッチを渡して、勝負を託した。

 辻は真壁に気迫のこもったエルボーを連発。真壁がブレーンバスターを狙っても、逆にぶん投げて場内を沸かす。永田が加勢に入ってエクスプロイダーを決めると、すかさず辻はジャンピングボディプレスを投下。すぐさま逆エビ固めに捕らえた。本間が逆水平でカットに入っても辻は意地になって手を離さない。真壁は自力でなんとかロープに逃れた。

 先輩超えを果たそうと辻は突進するが、真壁はカウンターのスピアーで反攻。下がらない辻もメキシコ流の変則的な丸め込みから、同じくスピアーでやり返す。しかし、本間がDDTで援護射撃すると、息を吹き返した真壁とのサンドイッチラリアットがさく裂。真壁はラリアットで追い討ちすると、キングコングニードロップを投下し、あえてフォールにいかず、逆エビ固めで辻を仕留めた。

 海外遠征前最後の対戦でも、辻を叩き潰した真壁は本間とともに仁王立ち。悔しさをあらわにしながら、永田の肩を借りて去っていく辻の背中をじっと見つめていた。

 先輩超えはならなかったが、試合を通じて気持ちを感じ取った辻は「真壁刀義、新日本に入ってから、あんたからは新日本の闘魂が何なのか教わった。おそらく、この闘魂というものは、他にはない、新日本プロレスのオリジン。しっかりとその闘魂が、俺の中にも受け継がれている」と“闘魂伝承"を口にし、海外遠征へ向けて「どこへ行こうと、その闘魂を俺は忘れずに胸に抱いて戦っていく」と誓った。

 一方、真壁はもうすぐ旅立つ辻に対し、「この俺様は海外で地獄を見てきた。チャカ撃ってるとこ、見たことあるか? 地獄だよ。話の全てはそこだ。プロレス関係ねぇ。テメェが生き残るかどうかだ。サバイバルゲームだ。そのゲームにテメェら、必ず勝って帰ってこい。言いてぇことはそれだけだ。いいか、無駄死にはするなよ。テメェら必ずのし上がってこい。『のし上がってやる』って思いを掴んでこい」とエールを送った。辻は明日、念願の内藤戦に臨む。

【真壁の話】「生意気に! 強くなったな、あぁ。ただよぉ、まだまだだ。俺とこうして……テメェ(俺のキャリアは)何年だと思ってんだ。いますぐに思い出せねぇよ。少なくとも25年以上だよ。ただ数年やってただけで、この俺様たちに敵うわけねぇだろ。ただな、アイツらが練習生で入った頃、デビューしたての若手の頃(と比べたら)、格段に、あぁ、格段によくなってる。辻だけじゃねぇ、上村もだ。正直、俺とかが言うことねぇよな。ただだ、これから待ってんのは、本物の地獄だ。極端なこと言っちまえば、試合で勝つこと、負けること、そんなこたぁどうだっていいんだ。そのリングで、己の生き様を刻めるかどうかだ。これがレスラーのすべてだよな。あいつら今までヤングライオンとして、道場お抱えで、ある程度心に余裕もできただろう。ちょうどいい、ちょうどいい時期だよな、海外遠征に行くにはよぉ。テメェの無力さ、世界にはいくらでも強えぇヤツがいる、それをよぉ、学んでこい。テメェの経験で、学んでこい。あぁ、俺が言えるのはそれだけだ。あぁ、何だかわかるか? この俺様は海外で地獄を見てきた。(※指で拳銃の形を作り)チャカ撃ってるとこ、見たことあるか? 地獄だよ。話の全てはそこだ。プロレス関係ねぇ。テメェが生き残るかどうかだ。サバイバルゲームだ。そのゲームにテメェら、必ず勝って帰ってこい。言いてぇことはそれだけだ。いいか、無駄死にはするなよ。テメェら必ずのし上がってこい。『のし上がってやる』って思いを掴んでこい。言いてぇことはそれだけだ」

【本間の話】「今日さぁ、辻と最後の対戦っちゅうことで、“こけし殺法"全開でヤツにこけしってヤツをお見舞いしようと思ったら、俺が攻められてどうすんだっつーの! やっぱでも、日に日に強くなってるあいつを見てると、海外行っても大丈夫だろうなと思うんだけども、海外に行ったからっつって、誰でも強くなれるわけじゃねぇから。努力しなかったら強くなれねぇし、テッペン獲れねぇから。辻はさぁ、ヤングライオンと言っても、歳もまあまあ行ってるし、心配ない。アイツは自分に厳しくやると思う。ただ、優也、優也はさぁ、ちょっと目を離すと横着なところがあるからさぁ、そこだけちょっと心配だね。アイツは、優也は、ホント素晴らしいものいっぱい持ってるんだけど、ちょっと横着しちゃうから、そこだけ気をつけろ。お前も努力して、テッペン獲ってこっち帰ってきて、タイトルマッチに絡んでいくだろうけど、俺だって、日本で、ここで、新日本プロレスで、上だけ見てやってんだよ! お前が帰って来る頃、どうなってるかわかんねぇぞ! すっげぇ上でやってるかもしれねぇし、俺だってこの位置で満足してるわけじゃねぇ。ただ2人には頑張ってほしい。今までの、2006年から新日本に上がって、数々のヤングライオンを見ましたけど、辻陽太と、上村優也が、一番思い入れある! 一番思い入れあるし、頑張ってほしい。俺がケガして、退院して道場に戻った頃、2人だけ新人で入って丸坊主で、俺と必死になって頑張ってきたんだ。同期みてぇなもんだよ! 俺も頑張るから、お前らも頑張れ! 待ってるよ、頑張ってこい!」

【試合後の永田&辻】
▼永田「(※後からフラフラとついてきた辻に)大丈夫か?よく頑張ったよ。(※辻がヒザをついて床に倒れ込む)なんだ、まだキツいか? 起きろ起きろ! しっかりと胸張って。(※辻が立ち上がると)3年半だっけ、デビューして?」

▼辻「3年4ヵ月です」

▼永田「よく頑張ったよ。よく頑張って、ようやく海外遠征を掴んだし。お前の先が見えるよ。海外に行って、さらに揉まれて、日本に帰ってきた時に、新たな辻陽太というプロレスラー像が、何となく見えてきた気がする。海外は大変だけど、大変な中で得るものがたくさんあるんでね、頑張ってこい(※と、辻の背中を叩く)」

▼辻「ハイ!」

▼永田「明日は試合に出ないけど、お前と上村の健闘を祈って、明日は新日本プロレスワールドでお前らの試合を観戦させてもらうから。頑張れ! (※辻の背中を数発叩いて、先に控室へ)」

▼辻「ありがとうございました! 真壁刀義、新日本に入ってから、あんたからは新日本の(※自分の胸を指し)闘魂が何なのかってことを教わった。おそらくこの闘魂というものは、他にはない、新日本プロレスのオリジン。しっかりとその闘魂が、俺の中にも受け継がれている。どこへ行こうと、その闘魂を俺は忘れずに胸に抱いて戦っていく。(※少し歩いて、報道陣に向き直って頭を下げ)ありがとうございました!」

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