9/6【スターダム】彩羽が2冠王・たむ狩り 「リーグ戦に出た意味と覚悟を証明する」

『5★STAR GP 2021』東京・後楽園ホール(2021年9月6日)
「5★STAR GP 2021」ブルースターズ公式リーグ戦 ○彩羽匠vs中野たむ×

　彩羽が2冠王・たむを破って2勝目。所属するMarvelousが激動に見舞われる中、「自分がこのリーグ戦に出た意味、ここに今どういう覚悟で立ってるかというのをこのリーグ戦を通して証明していきます」と決意表明し、5★STAR GP優勝を誓った。

　7年ぶり3度目の出場となった彩羽は初戦で舞華を撃破。2戦目となった9・4新宿大会では小波に不覚を取って初黒星を喫した。3戦目となったこの日はワンダー&アーティスト2冠王・たむと対決。確かな実力と存在感を見せつけた。

　サッカーボールキック連打で先手を取った彩羽は腰攻めを展開し、師匠・長与千種も得意としたサソリ固めで捕らえる。耐えたたむは場外戦でバイオレットシューティングを放って逆襲。トップロープからのプランチャで巻き返した。

　両者はその後、ローキックを何発も蹴り合う意地の攻防を展開。彩羽のニールキックが空を切ると、たむがバイオレットシューティングをさく裂させたが、タイガースープレックスは彩羽がサムソンクラッチで切り返す。キリモミ式ジャンピングハイキック、スワントーンボムの波状攻撃で流れを引き寄せた。

　すかさず彩羽がランニングスリーの体勢に入ってピンチを迎えたたむだったが、これを不時着するとスピンキック、ジャーマンで逆襲ののろしを上げた。コーナー上でのフロントネックロックで絞め上げ、彩羽が雪崩式ブレーンバスターで叩き落としても、意地で立ち上がってバイオレットシューティングをぶち込んだ。

　ここから両者は激しい打撃戦へと突入していく。エルボー合戦はローリングエルボーの相打ちで互角に終わり、トラースキックを打ち合う。ハイキック、スピンキックの連続攻撃で競り勝ったたむがタイガースープレックスで勝負に出たが、彩羽は3カウントを入れさせず。トワイライトドリームを食い止めてスリーパーで消耗させると、ライガーボムで追い討ち。顔面蹴り、ハイキック連打で蹴りまくると、長与千種仕込みのランニングスリーを爆発させて3カウントを奪った。

　彩羽がたむとの熱戦を制して2勝目。しかもワンダー&アーティスト2冠王撃破で勢いを加速させる勝利となりそうだ。試合後、マイクで「白いベルト王者・中野たむに勝ちました」と切り出した彩羽は「今3戦目なんですけど、本当にスターダムいい選手がいっぱいいて、自分はこのリーグ戦、毎試合、ドキドキ、ワクワク、そしていつもとは違う緊張感を感じてます」と7年ぶりの5★STAR GPに高ぶりを隠せない。

　所属するMarvelousは選手の退団が相次ぐ激動に見舞われているが、彩羽は「Marvelousは今、つらい状況かもしれませんけど、自分がこのリーグ戦に出た意味、ここに今どういう覚悟で立ってるかというのをこのリーグ戦を通して証明していきます」と決意表明。「Marvelousを絶対いい方向に持っていくので、今後とも応援の方をよろしくお願いします。ありがとうございました!」と誓って締めた。

　「残ってる選手がいるので、その選手をどう導いていくか。守ることも大事かもしれないですけど、守るというよりも自分は攻めに出て、その背中を残ってる後輩たちに見せていくことが一番だと思うんで。そういった意味でこのリーグ戦は、背中を見せるには一番」。そう覚悟を口にした彩羽は攻めの姿勢で5★STAR GP制覇へ突き進む。

【試合後の彩羽】
▼彩羽「5★STAR、ちょっと出遅れましたけど3戦目です。2戦目でまさか黒星となりまして、焦ってる状態でこの3戦目、中野たむ選手。自分は初めてだったんですけど、よくツイッターに出てくるし、よくメディアでも見るなって思いがあったので、気にしないわけないですよね、あの選手を。なので2戦目で一本取られたんで、3戦目、中野たむ選手かって思いがあったんですけど、やっぱり2冠王者なだけあるなと思いますけど、自分も覚悟が違いますので。今の状況、さすがにすいません負けましたってわけにいかないんで。それじゃ帰れないんで。なかなかきつい戦いでしたね」

――たむの感情は伝わった?

▼彩羽「本人が言われたらうれしくないかもしれないですけど、岩谷麻優をみてるような、一瞬その感情が自分出ましたね。やっても立ち上がってるので、何で効いてない?みたいな、そういうちょっと心が揺れるところはありましたけど。プロレスって技の華麗さとか、そういうのもあると思うんですけど、女子プロレスの一番いいところって自分は感情だと思うんですよ。なので今日の中野たむ選手がいつもと違う中野たむ選手が見れたなら、勝負は勝ちましたけど、内容でも勝てたのかなって言う感じはしますね」

――次は9・11新宿の上谷戦、9・12仙台の琉悪夏戦と初対決の知らない選手が続くが?

▼彩羽「知ってますよ。上谷選手は暴露した上谷選手ですよね。もちろん知ってます。会見で自分がいなかったことをいいことに一本取られたのがあるんで。自分はXで、彩羽匠でお客さんがオー!となるところが、上谷選手に一本取られたんで。勝負ではね、リングのうえでは自分がしっかりその分、取り返してやろうと思いますけど。琉悪夏選手に関しては凄く大きい、スターダムにはあんまりいないような、スターダムって細くて筋肉とかもがっちりしてて、かわいらしい選手とは対照的ながっちりしててしかも若い選手なので、凄く肝が据わってるなという印象がありますね。あんまり試合は見たことないんですけど。でも、その悪ぶってる分を自分がいかにどう崩してやろうかなって。ちょっとかわいい琉悪夏ちゃんが出ちゃうかもしれないですね」

――Marvelousの状況を踏まえてリーグ戦の意味合いも変わってきた?

▼彩羽「もちろん出る前にこういうことになるとは思わなかったです。なので、リーグ戦が始まったと同時にいろいろ発表で賑わしましたけど、残ってる選手がいるので、その選手をどう導いていくか。守ることも大事かもしれないですけど、守るというよりも自分は攻めに出て、その背中を残ってる後輩たちに見せていくことが一番だと思うんで。そういった意味でこのリーグ戦は、背中を見せるには一番いい試合なんじゃないかなと思います。もちろん結果も出さないといけないし」


【たむの話】「星がチカチカする。強い。彩羽匠、強い。やっぱり守るものがある人間ってめちゃめちゃ強いんだなって身をもって感じました。Marvelousを背負って守り抜こうという強さ。目がギラギラしてて、打撃も全部強くて、その強さ身をもって感じました。でも自分にも守りたいものがたくさんできました。COSMIC ANGELSをスターダムで一番のユニットにしたいし、中野たむとして白いベルトも聖なる王者としてしっかり守り抜いていきたい。私は守り抜くために、これから攻めの中野たむでいきます。みててください」