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9/15【日本プロレス殿堂会】長州が馬場&鶴田とともに殿堂入り 天龍が「エイエイオー!」で祝福

『日本プロレス史70周年記念大会「LEGACY」』東京・後楽園ホール(2021年9月15日)

 ジャイアント馬場、ジャンボ鶴田とともに長州力がプロレス殿堂入り。盟友・天龍源一郎がインダクターを務めて、長州を祝福し、「エイエイオー!」と拳を突き上げた。

 日本プロレス殿堂会は日本プロレスの歴史、選手を後世に残していくための中立後援組織として2020年に設立された。活動の一環として、選手の殿堂入りセレモニーが後楽園ホール2連戦で行われることに。前日にはアントニオ猪木、藤波辰爾、天龍の偉業が称えられたが、今大会では新たに馬場、鶴田、長州が殿堂入りを果たした。

 猪木、将軍KYワカマツ、木村健悟、ザ・グレート・カブキ、川田利明、武藤敬司、ドリー・ファンク・ジュニア、ミル・マスカラスといった錚々たるレジェンド選手たちから届いた今大会に対する応援メッセージがVTRで流されると、いよいよセレモニーがスタートする。

 全日本プロレスの象徴的存在である馬場と鶴田の殿堂入りにあたり、インダクターを務めたのは2人をリング内外でサポートした和田京平レフェリー。リングに立つと、「今日この後楽園ホールに来れて感激です」と感慨深げな表情を見せ、「こうやって殿堂入りという名誉ある賞を私が渡すことができるなんて、本当にありがとうございます。私が馬場さんに渡せるというので、一緒にいた時のことを思い出しました。馬場さんはよく後楽園ホールの通路で必ず(試合を)見てました。今日も見ていると思います」とかつての風景を懐かしそうに語ると、「天龍さんともよく控え室で話したのは、ジャンボをどうしたら怒らせられるか。本当に手を抜くレスラーナンバーワンです。ジャンボが怒った姿を見てないんですね。僕がここでジャンボに渡すっていうのがまだ信じられなくて。でも、すごく嬉しいです。きっとコーナーに上がって、『オー! オー!』とやっていると思います」とコーナーに視線を向けた。

 後楽園ホールには『王者の魂』と『J』が鳴り響き、大きな拍手がこだまする。馬場の代理人を務めた親族の緒方公俊氏は「馬場さんは常々ファンがスポンサーと言っておりました。たくさんのファンの皆様に支えていただいてこの賞があると思います。きっと馬場さんも微笑んで見ていると思います」とコメント。「私の使命は昔のファンの方々に馬場さんと触れ合える場を作ること。私と同世代や若い世代の方々に、プロレスラー・ジャイアント馬場、人間・馬場正平を伝える場を作ることだと思います。その使命をいただいたことを感謝し、明るく楽しく激しく、そして愚直に進めていこうと思います」とファンに約束した。また、アメリカに住む鶴田の遺族から依頼を受けて代理人を務めた木原文人リングアナは「来年はジャンボ鶴田さんの実は二十三回忌にあたります。僕も色々お世話になったんで、なにか恩返しができないかと考えておりますので、皆様も応援よろしくお願いします」と明かした。

 革命戦士として日本プロレス界を席巻し、現在のプロレスにも大きな影響を残している長州力も殿堂入り。インダクターを務めたのは終生のライバル・天龍源一郎だ。「私は長州力の人となりを見て、不器用でも一生懸命やっていれば日の目を見るんだと。こんな一生懸命やっているプロレスラーがいるもんだなというのが僕の彼に対する思いです」とかつての印象を振り返り、「長州選手との戦いが日々楽しくて、本当に試合が待ち遠しいぐらいでした。今でも長州選手とのかつての戦いは私の誇りとなっています。長州力は常に長州力として輝きを失うことなく、己を信じ、貫いてきた人だと思っています。同じ時代を生き抜いた戦友の殿堂入りで、インダクターをさせていただくことを心から光栄に思います」とライバルへの思いを切々と語ると、本人をリングに呼び込んだ。

 『パワーホール』に乗ってリングに入った長州は、天龍とグータッチ。記念品を受け取った長州は「今はコロナ禍の中で大変な思いをしながら、今日も下のほうで若い選手達の活躍を見ていました」と語り始めると、「この殿堂会は藤波辰爾、天龍源一郎と3人で、そして娘、息子、彼らの気持ちを汲み、このリングから降りた時に我々のあとを継ぐ選手たちに少しでも何かできることはないかと。せめて背中を押して、見捨てることなく、少しでも選手たちの役に立とうということでできました」と殿堂会設立の趣旨を説明した。その上で、「まだ若い選手たちは先が長いです。どうか皆様方のご声援で、彼らがこのリングの中で熱い戦いができるように、どうか熱いご声援をこれからもよろしくお願いします」とファンたちに呼びかけた。

 藤波もリングに上がって長州とグータッチを交わすと、最後は天龍が締めることに。「コロナ禍の中で、たくさんのご来場ありがとうございます。今日の熱を次の世代のプロレスラーの人たちに分けてあげてください。これからもプロレスをよろしくお願いします」と頭を下げた天龍は「エイエイオー!」の雄叫びでセレモニーを締めくくった。

 なお、『LEGACYII in 後楽園ホール』が2022年10・9&10後楽園大会2連戦で行われることが今大会で発表された。

【長州&天龍の話】
――後輩たちレスラーに何か残してあげたいという気持ちをスピーチしていたが、今回、セレモニーを開催してみてどう感じている?

▼長州「正直言って、まだまだこれからじゃないかなと思いますよね。最初に言った何かを残してっていうのは、残したものがその時にもあったかなっていう部分がありますね。だから、この殿堂会が発足されてからは、何か自分ができることがあれば。さっきリングの上で言ったように、今日やっている現役の選手たちはまだ若いし。でも、いつかはリングを降りる時が来るわけだから。来た時にはやっぱり何か相談でも、何か背中を押してあげることができれば。その頃に少なからず一緒に殿堂会もそういう風に背中を押してあげれるように。何かそういうことができればっていう。殿堂会ができてまだ2年ぐらいですか。まだまだこれからだと思いますよね。でも、こうやって今日、コロナ禍で制限はしているんでしょうけど、かなり入っていたような気もするし、嬉しいなと思いますよ」

――長州さんの中で、後輩たちに残してもらいたいものはある?

▼長州「そういうことはもう僕からはないです。少なからず自分では、これは誰が認める認めないじゃなく、これだけファンの方がまだ来ていただけるってことですから。自分は自分なりに最後はやり残したことはなかったんで。それなりのものがこうしていただけることができて、大変に光栄に思って嬉しいですよね。やっぱりみんなが、1人1人がとにかく打ち込んで、止まるもよし、前に進めるもよし、それは個々の、1人1人の選手の課題でもありますからね。リングに上がっているうちは」

――VTRで懐かしい方々の映像もあった。マスカラス選手などがコメントしていたが

▼長州「声だけで最初はわからなかったです。テリーか、どっちが喋ったかわからないけど、最初はまったくわからなかったです。最後、スパニッシュで喋っていたから、これ誰?って聞いたらマスカラスだと。僕は現役時代、マスカラスと話したことは一度もないんで、だから声でわからなかった。今、現在の声だろうと思うんだけど、大変若々しい声で」

――コロナ禍でなければ来日できた選手がいたかもしれない中で、次回以降、OBの人たちにとっても懐かしい顔と会える場にもなるのでは?

▼長州「それ以上に、ファンの方が喜ぶでしょうから。ぜひそうなるように願ってます」

――来年の開催が発表されたが、それに向けては?

▼天龍「俺は一言、面白ければいいと思ってます。だって今日なんかも40人だっけ。この1つの大会に集まるなんて。各団体がいろんな選手を出してくれて、本当にこの業界にとっては希有なことだと思うぐらい協力的だった。あとは俺たちが殿堂会を動かしていければいいなとは思ってます」

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