9/23【大日本】パーカーが石川との血闘制してGCW王座死守 10・9後楽園で兵頭迎撃へ
東京・後楽園ホール(2021年9月23日)
GCWウルトラバイオレント選手権試合 ○ドリュー・パーカーvs石川勇希×
パーカーが石川との血闘を制し、GCWウルトラバイオレント王座初防衛に成功。10・9後楽園大会での兵頭彰迎撃が決まった。
9・5名古屋大会で宮本に敗れ、デスマッチ王座から陥落したパーカーだが、この日はGCWウルトラバイオレント王座V1戦に臨んだ。GCW(ゲーム・チェンジャー・レスリング)はアメリカの団体。デスマッチ王座戴冠を果たした7・23後楽園大会直後にアメリカへ渡ったパーカーがアレックス・コロンを破って奪取したベルトだ。
挑戦者はパーカーが自ら指名した新鋭・石川。試合形式は鉄檻蛍光灯デスマッチ。鉄檻は塚本を破ってデスマッチ王座を戴冠した時と同じ形式で、ゲンのいい舞台での王座戦となった。
いきなり蛍光灯で何度も殴り合う乱打戦で幕開け。あの手この手の蛍光灯攻撃で石川が先手を取ったが、パーカーも蛍光灯を額に突き刺して応戦。蛍光灯ホイップ攻撃に出たが、石川も蛍光灯が張り巡らされた鉄檻めがけてパーカーを投げつけてやり返した。
好機に石川はイスを乗せてのダイビングフットスタンプで追い討ち。反撃を狙うパーカーをブルーサンダーで蛍光灯めがけて叩き落とした。パーカーも蛍光灯攻撃をかいくぐってのダイアモンドカッターで譲らず。蛍光灯タワーをセットしてのフロム・コーナー・トゥ・コーナーを発射した。
ここでパーカーが鉄檻上によじ登ったが、石川は意地で立ち上がって追いかけるとショルダースルーの要領で叩き落とした。そこへダイビングフットスタンプで急降下し、旋回式アバランシュホールドで勝負をかけた。
石川が狙った雪崩式攻撃はパーカーが阻止し、雪崩式DDTを敢行。蛍光灯へのカーブストンプ、蛍光灯をセットしてのスワントーンボムでたたみかけた。いずれも石川が返す粘りをみせたが、パーカーは鉄檻上からのスワントーンボムを発射して3カウントを奪った。
パーカーが血闘の末に石川を退け、GCW初防衛を果たした。試合後、「石川、2年半前、自分が大日本入って、石川勇希がまだレスラーじゃなかったね。それから今日、石川勇希が素晴らしいデスマッチファイターになりました」と称えた王者は「今日、自分勝った。でも、いつか…明日じゃない、来週じゃない、いつかこのシングルやりましょう」と将来の再戦を呼びかけた。
すると石川も「ドリュー、今日は勝てなかったけど、必ずリベンジさせてもらうよ。また後楽園のメインで俺たち若い世代でデスマッチ、いや大日本引っ張っていこう」と呼応。そこへ現れたのが10・9後楽園大会でGCW王座挑戦が決まっている兵頭だ。「俺がいるのも忘れないでもらっていいですか? とりあえずドリュー、防衛おめでとう。石川、お疲れ様」と二人をねぎらうと、「本音を言えば俺は石川、お前に勝ってほしかった。でも、ドリュー、お前が勝った。だから石川、お前とタイトルマッチをやる。俺がドリューに勝ってかなえようじゃないか」とその先に兵頭との同期対決を描いてベルト獲りを誓った。
「そしてドリューの好きな日本語で言おうかな。クソガキ。どっちが一番のクソガキか、10月9日、決めようや。よろしくお願いします」と続けた兵頭は、蛍光灯にセントーンを敢行し、GCW王座獲りにかける覚悟を示した。これにはパーカーも「やっぱりG★SHOCK1010、頭おかしいね」とあきれ気味だったが、「皆さん、大日本の先輩と、後輩選手、試合見て楽しかったですか? そしてこれからもドリューパーカー、大日本プロレス応援して下さい。今日、本当にありがとうございました!」とファンに呼びかけて後楽園大会を締めた。
【試合後のパーカー】
▼パーカー「防衛できた。凄いうれしい。防衛できた。宮本さんとシングル自分で失敗した。今日の勝ちは凄いいい感じ。何個ケガがあるかわからない。気にしない、もう。勝ったからうれしい。兵頭のG★SHOCK1010、試合後のバンプは変だと思う。人生は短いんだよ。みんな、それ知ってるでしょ? 人生は短い。いらない、いらない。ゆっくりで。でも、もちろん兵頭のデスマッチキャリアは短いね。まだそれわからない。俺はもっと若いけど、デスマッチキャリアはもうちょっと長い。その高いバンプはゆっくりでやってください」
――石川とタイトルマッチをやって感じたことは?
▼パーカー「自分と石川はずっとタッグチームパートナーみたい。デスマッチから見て石川のフューチャーは凄い。レベルは高い。今じゃないけど、ホントにすぐ。1年ない。たぶん、それが石川まだわからない。もし石川が自分はこれって考えになって、すぐ大日本のトップだと思います」
――石川の頑張りを見たいと言っていたが?
▼パーカー「見ました。絶対見ました。今日、凄いボロボロ。ずっとそれ言った。だって知ってた。その頑張りできるって。だからずっと言った。もっと頑張れって。今日の試合も凄かった。今日のMVPは俺じゃない。今日のMVPは石川勇希」
――若い世代で盛り上げたい?
▼パーカー「あぁ、なるほど。大日本の先輩デスマッチ選手が世界レベル。若い選手が頑張るのは凄いムズい。先輩のレベルが高いから。若い選手と若い選手でハイレベルなデスマッチやって、若い選手とデスマッチしたいです」
【石川の話】「クソ。今日も結果は出せなかったかもしんないけど、下は向いてないですよ。次だ。次いつチャンスが回ってくるかわからないし、今日もお客さんの心をつかめてないと思う。だけど試合前の勝敗アンケート、ドリュー80%、私20%。こんな俺に20%もかけてくれる人がいるんでね。その人たちをがっかりさせないような結果、俺は絶対出すんで、俺はこっから上目指しますよ。ドリュー、兵頭と切磋琢磨して、上の世代ぶっ倒して俺が必ず大日本のトップに立つ」
【兵頭の話】「今度10月9日、ドリューパーカーとタイトルマッチ決まりましたけど、今、石川、ドリュー、兵頭。若い3人でもっともっと大日本プロレス、デスマッチ界を盛り上げないといけないと思ってるんで、ドリューと最高に狂った試合をして、自分の頑丈さを証明したうえで、あのベルト、自分の腰に巻きたいと思います。そして今日、本音を言えば石川に勝ってほしかったんで、その思いをかなえるために自分があのベルトを獲って、石川とタイトルマッチしたいと思います」
――石川の戦いはどう映った?
▼兵頭「やっぱり同期として先にタイトルマッチやってる…先に向こうがデスマッチ始めてたのもあるんですけど、やっぱり心の底では石川のことを応援してたというか。でもやっぱり先にタイトルマッチ、ドリューとメインイベントでやられて悔しいなという気持ちもありますし。何だか複雑な気持ちというか、そんな感じでしたね」
――10・9もメインになる可能性もあるが考えている形式はある?
▼兵頭「自分の得意なGショックスタイルを全面に押し出した試合っていうのもいいとは思うんですけど、やっぱりそれだと自分の土俵といいますか。どうやっても面白くないなと思うんで、そこは臨機応変に対応していきたいなと思います」