12/25【スターダム】“ブラック・ピーチ"桃始動 ヒールファイトで元盟友・AZM制裁「大江戸隊楽しいね」

『STARDOM YEAREND CLIMAX 2021』東京・後楽園ホール(2021年12月25日)
○鹿島沙希&スターライト・キッド&渡辺桃vs林下詩美&上谷沙弥&AZM×

　“ブラック・ピーチ"と化した大江戸隊・桃が始動。ヒールファイトで元盟友のAZMを徹底的に制裁すると、「大江戸隊楽しいね」と笑みを浮かべた。

　12・18大阪大会の敗者ユニット強制脱退マッチにおいて、桃はAZMに裏切りのイス攻撃を見舞って自ら反則負け。リーダーを務めていたQueen's Questを脱退し、衝撃の大江戸隊入りを果たした。桃はQQ破壊を宣言。まさかの裏切りにあった他のメンバーは悲しみに暮れるしかなかった。

　そして、聖夜の後楽園大会で“ブラックピーチ"がついに始動。キッド&鹿島と組み、QQの詩美&上谷&AZMと対戦した。ワールド王者・詩美は12・29両国大会で朱里との防衛戦を控えており、大事な最終調整試合。同大会で行われるハイスピード王者・キッドとAZMの3WAYタイトル戦(もう1人はコグマ)に向けての前哨戦にもなったが、試合の中心はやはり桃となった。

　桃は黒髪にし、コスチュームも黒いタイツと黒いTシャツの“ブラックピーチ"仕様。のっけから元パートナーのAZMを名指しで挑発すると、大江戸隊らしい乱戦に持ち込んで暴行する。控えに回っても、詩美や上谷を背後から襲撃するなどすっかりヒールファイターに変貌。再びAZMと対峙すると、「どうしたのAZMちゃん?」と徹底的にこき下ろした。倒れるAZMを踏みつけると、止める村山レフェリーに「うるせぇ、ジジイ!」と声を荒らげる。

　ワールド王者・詩美が奮闘するも、大江戸隊は勢いで全てを飲み込む。桃は不敵な笑みを浮かべて詩美や上谷にもミドルキックを猛連打。キッド&鹿島の連係にも完璧に順応した。再びAZMと向き合うと、喧嘩腰のエルボー合戦で火花。QQのトリプルドロップキックからAZMの関節技に捕まりかけたものの、串刺しドロップキックで反攻する。そして、連発を決めると見せかけて寸前で踏みとどまり、ローキックに切り換えて、「バカ!」と嘲笑した。

　意地を見せたいQQは鹿島相手に猛追。詩美と上谷が桃とキッドをドロップキックで場外に排除し、鹿島をダブルバックドロップで投げ捨てると、上谷はスワンダイブ式プランチャを敢行した。さらに、詩美が鹿島にラリアットを放つと、AZMはアメシスト・ストーム(雪崩式旋回ジャンピングアームブリーカーからの変型羽根折り固め)に捕獲する。エスケープを許しても、QQは鹿島にトリプルミサイルキックを発射。AZMがあずみ寿司で3カウントを迫った。

　しかし、桃のカットが間に合う。AZMは躊躇なくバズソーキックをぶち込んで返り討ちにするも、桃が「AZMちゃん…」とかつてと同じように呼びかけると、思わず動きが止まってしまう。それをせせら笑った桃がハイキックをぶち込むと、鹿島が起死回生でAZMを仕留めた。

　試合後も、桃とキッドはAZMを制裁。サンドイッチバズソーキック、ダブルニーアタックでKOすると、桃は元盟友を踏みつけ、キッドはハイスピード王座のベルトを見せつけた。

　マイクを持ったキッドは「最後、桃としたけど、バッチリすぎる! 大江戸隊でいきいきしてるじゃん? 楽しそうじゃん? Queen's Questよ。ブラック・ピーチはここからどんどん進化していくから。泣いて逃げ出すんじゃねえぞ。おい、特にAZM。お前、次にハイスピード決まってるのに、もうすでにメンタルボロボロだな」と高笑い。桃も「大江戸隊、楽しいね。いいね」と満足げで、「私はお前らのその悲しい悔しい顔が見れるのが今の生き甲斐なんだよ。楽しいよ、本当に。2022年、お前ら待っとけよ。お前ら楽しみだよな?」とアピールすると、観客も変貌した元リーダーを拍手で後押しした。

　一方、QQ勢は怒りをあらわに。詩美は「おい、大江戸隊。渡辺桃。お前ら絶対許さないからな」と感情を爆発させ、「AZMさん、もうくよくよするのはやめましょう。悔しくないんですか?」と問いかける。涙を流していたAZMだが、「気持ち切り換えるのは難しいけど…年内最終戦、ハイスピードあるから。桃ちゃん、いや、渡辺桃! 年明け、きっちり決着つけてやるから。覚悟しとけ」と報復を誓った。

　QQの3人は12・29両国大会でそれぞれタイトルマッチを控えており、桃との遺恨は来年へと持ち越しに。一方、大江戸隊所属初戦で完璧な変貌を遂げた桃は、両国でSTARSの葉月と組んで、岩谷麻優&彩羽匠と対戦する。他の勢力に囲まれての戦いとなるだけに、この試合も波乱含みとなりそうだ。

【試合後の詩美&上谷&AZM】
▼AZM「さっきはリングで泣いちゃったけど、もう今年はあと最終戦にハイスピードがあるので、一旦切り替えてキッドに集中して。そしてね、桃ちゃんではなく、渡辺桃を私が年明けにぶっ潰してやるよ」

▼上谷「渡辺桃、今までは信じられない、信じたくない、そんな気持ちだったけど、心の底からあいつが憎い。まあ、私も白いベルトが両国で待っているので。今は一旦切り換えて、両国で白いベルトを奪取。それ一本に集中して挑んでいきたいと思っています」

▼詩美「大江戸隊、渡辺桃。絶対許さねえから」