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12/29【スターダム】たむ陥落…上谷が師匠超えでワンダー王座初戴冠「私がスターダムだ!」 ウナギ挑戦表明

『STARDOM DREAM QUEENDOM 2021』東京・両国国技館(2021年12月29日)
ワンダー・オブ・スターダム選手権試合 ○上谷沙弥vs中野たむ×

 上谷が師匠・たむ超えを果たし、ワンダー王座初戴冠。「私がスターダムだ!」と叫んだ。

 今年の6月にシンデレラトーナメントを制した上谷は、スターダム★アイドルズ時代の師匠にあたるワンダー王者・たむに挑戦表明。腰に負傷を負いながらも、7・4横浜大会で挑んだが、返り討ちにされた。しかし、5★STAR GP公式戦では雪辱に成功。11・27代々木大会ではひめか、なつぽいとの3WAY戦を制して挑戦権を獲得し、年の瀬の両国大会で両者が再び激突することになった。

 王者・たむが首攻めで先手。コーナーでは宙吊り式ドラゴンスリーパーで絞め上げると、たまらず場外に転落した上谷にコーナーからプランチャを敢行した。劣勢が続いた上谷だったが、スワンダイブ式プランチャ、ミサイルキックと得意の空中戦で巻き返すと、決死の断崖式フランケンを強行してたむに大ダメージを与える。

 たむはバックドロップ、ジャーマンでやり返すと、試合はさらに白熱する。上谷が雪崩式リバースフランケンを、たむが雪崩式タイガースープレックスをそれぞれ繰り出し、危険な大技が交錯。上谷はすぐさま立ち上がると、たむの低空ドロップキックを回避してフットスタンプを落とし、両者大の字となった。

 2人は感情むき出しの打撃戦で火花。上谷が右のエルボーを猛連打してねじ伏せれば、たむもローリングエルボーで反攻する。上谷がニールキックで首を刈れば、たむがバイオレットシューティングをぶち込んだ。

 ついに勝機をたぐり寄せたたむはタイガースープレックスで追い討ちをかけたが、上谷はギリギリで肩を上げる。ならばとたむは、「上谷!」と絶叫して立たせると、バイオレット・スクリュー・ドライバーで真っ逆さま。すかさずトワイライト・ドリーム(リストロック式タイガースープレックス)で仕留めにかかった。

 必殺技連発で決定的な場面だったが、上谷はニアロープで九死に一生を得た。このチャンスを逃したくない上谷はリバースフランケンで必死の抵抗。たむもトラースキックやスピンキックを返すが、上谷はスクールボーイの構えから一気に引っこ抜く変型スープレックスで活路を開く。そして、スタークラッシャーで突き刺すと、最後はフェニックススプラッシュで華麗に舞って熱戦に終止符を打った。

 上谷が師匠・たむ超えを果たし、ワンダー王座を奪取。白いベルト初戴冠と同時に、キャリア初のシングル王座獲得となった。マイクを持った上谷は「中野たむ…たむさん。私がベルトの呪いを解きました。今度はあなたが私の背中を追いかけてきてください。2022年はゴールデンフェニックスがさらに、さらに、さらに! 大きく羽ばたいてみせます」とたむに熱くメッセージ。それを受けて、たむは「上谷、白いベルトよく似合ってるよ…たむの次にね」と悔しさをあらわにし、「中野たむはどんな逆境でも這い上がるしぶとい女だから。覚悟しとけよ」と再起を誓った。

 感傷的な空気がリングを包み込む中、それを切り裂くようにウナギ・サヤカがやってきて「上谷沙弥、白いベルトおめでとうございます。私がここに来たってことはどういう意味かわかるよね?」と新王者を挑発した。上谷が「わかりません」と即答すると、ウナギは「2022年はウナギ・サヤカの年になる。新年1発目、よろしくお願いします」と年明け早々の挑戦をぶち上げた。

 上谷は「よくこの状況で出てこようと思うよね」と皮肉るが、ウナギは「まあまあ、あなたも空気読めないけどね」と返答。上谷に「お前が空気読んでないから帰れ」と言われても、「こういうところで出てくるのがウナギ・サヤカだ。よいお年を」をアピールし、たむに肩を貸して去っていった。

 早くも挑戦表明を受けた上谷は「挑戦者…まあでも、今日はチャンピオンとしての余韻に浸りたいから置いといて…。考えておきます」と保留。「第16代ワンダー・オブ・スターダムチャンピオンとして、これからもさらにさらに羽ばたいて、不死鳥のごとく舞っていきたいと思います!」とアピールすると、「誰が何と言おうと、私がスターダムだ!」と絶叫して締めくくった。

 「生まれ変わったこのベルトの名は全力のベルト。私はアイドル時代、努力しても努力しても全然報われなくて、努力することが凄く凄く怖くなっていました。でも、プロレスは努力をすれば必ず報われる。私は器用ではないし、目の前の真っ直ぐなものしか見えません。でも、私は今、この目の前にあるプロレスを全力で精一杯、前を向いて頑張っていきたいと思ってます」と前王者とは違うワンダー王座像を描いた上谷。「私がプロレスに出会って救われたように、今度は私がたくさんの人をプロレスで元気や希望、たくさんの感情を与えていきたいと思ってます」と意気込んでいた。


【試合後の上谷】
▼上谷「第16代ワンダー・オブ・スターダムチャンピオンの上谷沙弥です。ベルトの呪い、私が解いてみせました。生まれ変わったこのベルトの名は、全力のベルト。私はアイドル時代、努力しても努力しても全然報われなくて、努力することが凄く凄く怖くなっていました。でも、プロレスは努力をすれば必ず報われる。私は器用ではないし、目の前の真っ直ぐなものしか見えません。でも、私は今、この目の前にあるプロレスを全力で精一杯、前を向いて頑張っていきたいと思ってます。私がプロレスに出会って救われたように、今度は私がたくさんの人をプロレスで元気や希望、たくさんの感情を与えていきたいと思ってます。これからは私がチャンピオンとしてスターダムを引っ張っていきます」

――どういうベルトにしていきたい?

▼上谷「今言ったように全力で、常にどの試合も手を抜かず、精一杯全力で私は試合をしていきたいなと。そういう魂のこもったベルトです。そして、このベルトとともに、スーパースターに駆け上がっていきます」

――シングル初戴冠となったが?

▼上谷「私はフューチャーのベルトが獲れなかったので。本当に本当にずっと悔しい思いをしていました。やっぱり諦めそうになったこともあったんですけど、信じ続けてよかったなと心から思います」


【たむの話】「どう? かわいいですか? ブスですか? かわいい…。いや、狂っているでしょ、上谷沙弥。狂ってるよ。ああ、ベルト無くなっちゃいました。まだ白いベルトの王者としてやりたいこと、やんなきゃいけないことがいっぱい残ってたのに。でも、掴めなかった夢があるから、果たせなかった約束があるから、たむはまた明日も生きていけるのかもしれないです。中野たむは逆境でこそ輝く、しぶとくて重い女なんで。また獲り返しますよ。本当のたむロードはここからですから。見ててください」

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