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3/6【ZERO1】杉浦が菅原絞殺で世界ヘビー死守 欠場中・大谷が奪還名乗りで両国V3戦浮上

『大谷晋二郎デビュー30周年記念イヤー ZERO1・21周年記念大会「旗揚げ記念日」』東京・後楽園ホール(2022年3月6日)
世界ヘビー級選手権試合 ○杉浦貴vs菅原拓也×

 杉浦が昨年の火祭り覇者・菅原を退け、世界ヘビー級王座2度目の防衛に成功。試合後、負傷欠場中の大谷晋二郎が挑戦を表明し、4・10両国大会でのタイトルマッチが浮上した。

 第30代王者・杉浦は1・1後楽園大会で田中とのリマッチを制して初防衛。その試合後、奪還の名乗りを上げたのが昨年の火祭り覇者・菅原だった。当初、両者は押忍PREMIUM2・12高田馬場大会でタイトルマッチを行う予定だったが、同大会が延期に。世界ヘビー戦も今大会に延期された。

 ZERO1の21周年記念大会で『旗揚げ記念日』と題された今大会は奪還を遂げる絶好の舞台。燃える菅原は杉浦の牙城に迫った。序盤からエルボー合戦で真っ向から立ち向かい、杉浦の串刺し攻撃を回避して低空ドロップキックをお見舞い。すかさず左足に的を絞り、鉄柱に何度も叩きつけて「ベルト獲り返すぞ!」と叫んだ。

 ならばと杉浦は首攻めで押し返す。ネックロック、首4の字固め、キャメルクラッチで絞め上げ、ブレーンバスターで叩きつけた。負けじと菅原は低空ドロップキックで左ヒザを射抜いて再び足攻めへ。ローキック、低空ドロップキックの連続攻撃、ドラゴンスクリューと集中砲火に出るとヒザ固めで絞め上げた。逃れた杉浦は深入りさせない。フロントハイキック、ランニングニーと串刺し攻撃を連発し、雪崩式ブレーンバスターを敢行した。

 首にダメージを負った菅原の動きが止まった。すかさず杉浦はフェースロックでひねり上げ、ターンバックルジャーマンで追い討ち。エプロン上での中年ズリストを仕掛けたが、食い止めた菅原はニークラッシャーでエプロンに叩きつけた。すかさず低空ドロップキック、顔面蹴り、トラースキックとたたみかけ、足4の字固めで捕らえて勝機を作った。

 耐え抜いた杉浦はランニングニーを連打。一気に予選スラムで勝負に出ようとしたが、菅原は必死の抵抗で決めさせない。ならばと杉浦はワンツーエルボーを乱れ打ち。粘る菅原もランニングニーをキャッチしての逆さ押さえ込みで3カウント寸前に追い込み、ムーンサルトプレスを発射。顔面に食らった杉浦だったが、すぐさまフロントネックロックで捕らえ、一気に絞め上げてレフェリーストップ勝ちを決めた。

 苦戦を強いられながらも昨年の火祭り覇者・菅原を退けた杉浦が世界ヘビーV2を果たした。試合後、意外な男が挑戦を表明した。「左前腕両骨骨折」で昨年9月から欠場中の大谷だ。「杉浦! 次は俺だ。次は俺がお前の前に立つからな」と名乗り。欠場中の選手のベルト挑戦表明は異例といえ、杉浦も「誰が出てくるかと思ったら、ケガで欠場中の大谷選手じゃないですか。このおたくらのベルト、ケガ人が簡単に挑戦できるベルトなのか? そんな甘いベルトなのか?」と疑問を口にした。

 すると大谷は「ケガをしててもな、勝つんだよ。無謀でもな、勝つんだよ。勝てなくてもな、勝つんだよ」と強気そのもので返答した。「おい、今、何言ってんのかわかったか? 意味わかんねぇな」と困惑する杉浦だったが、大谷が「どうなんだ? 受けんのか?」と迫ると、「ずいぶん上からだな。その気持ちわかった」と受諾。「その代わりタイトルマッチの時は体調万全で来てほしいね。頼むよ」と注文をつけた。

 バックステージで大谷は「ビッグマッチ、ずっとみんなを裏切り続けてるけど、最後の最後に勝ってる大谷晋二郎をみせたい。それが両国のリングだったら最高」と4・10両国大会での挑戦を希望した。大舞台でのV3戦が浮上し、杉浦は「何言ってるかわかんないけど、熱い気持ちは伝わるし、もう見渡しても大谷選手しかいないでしょ?」と相手にとって不足なし。「タイトルマッチでレベル高いもの見せたい」との王者の責任感があるからこそ、復帰早々の挑戦となりそうな大谷に対して「だってまだ復帰してないでしょ? 万全な態勢でタイトルマッチ当日は挑んできてほしいね」と改めて求めていた。

【試合後の杉浦】
――菅原選手の足攻めに苦しめられたが?

▼杉浦「あまり正直言ってマークしてなかったんだけど、上手な選手、うまい選手でちょっとてこずったというかね」

――追い込まれた感はあった?

▼杉浦「そうだね。うまく足攻められて。そのへんは向こうもちゃんと考えてやってきたね」

――フィニッシュが元日の田中戦と同じフロントネックロックだったが、持っていくための組み立てとして首攻めを展開した?

▼杉浦「組み立てもあるけど、あの技は一発逆転もできるからね。あそこで逃げられたら、そのあと自分の得意な技、スラムとかエルボーとかね。あそこで片づけられたってことはそこまでというね。あのあともあるんで」

――次の挑戦者に意外な人が現れたが?

▼杉浦「(苦笑) 何言ってるかわかんねぇ。ただ気持ちは伝わるんでね。何言ってるかわかんないけど、熱い気持ちは伝わるし、もう見渡しても大谷選手しかいないでしょ? ねぇ? だったら本当にやっぱしいいものを、タイトルマッチでレベル高いもの見せたいから、ホント万全な。だってまだ復帰してないでしょ? 万全な態勢でタイトルマッチ当日は挑んできてほしいね」

――ベルトを持つ人間の責任があってこそと?

▼杉浦「そうだね。ZERO1の中でもノアの俺がいい試合してね。そしたらこのベルトも高まるだろうし、挑戦者の価値も高まるから」


【大谷の話】
――復帰を前にして挑戦の名乗りを上げたが?

▼大谷「誰もが思うでしょうよ。まだ復帰もしてない人間が挑戦表明なんて。もしかしたら前代未聞かもしれない。でもいても立ってもいられないんだよね。あのシチュエーションでリングの下にいたら。気づいたらリングに上がってたね。気づいたらリングに上がって、気づいたら挑戦表明してたって感じですかね」

――田中、菅原が敗れた状況も背中を押した?

▼大谷「誰がやられた、次、誰だっていうより、僕の体が自然と動いた。僕の体が勝手に入って、勝手にマイクを持って、勝手に挑戦表明してましたね。ある意味、本能で動いたんだなと思うから、これが本当の僕の気持ちなんじゃないですかね。やるんですよ。誰が見ても無謀な戦いでも勝つんですよ」

――復帰戦が世界ヘビー挑戦になる?

▼大谷「勢いというとあれだけど、自然とああいう行動をしたんで。その前にウチもイベント試合が結構、多く入ってるんで、どっかで出る可能性はあるんじゃないですかね。でも、そこはいついつの試合でこうしますとか、今ホントに本能で動いただけなんでわからない。僕の中では、もし両国で実現となれば、その前に試合する可能性も無きにしもあらずですね」

――左腕の状態は何%ぐらいまで回復している?

▼大谷「今どれぐらいというのは言わない方がいいかな。やるって言ったらやるんですよ」

――心のコンディションは?

▼大谷「そこがリミッターを越えたから、たぶん勝手にリングに上がったんでしょうね。まだ全然ダメで、骨も全くくっついてなくて、そして挑戦表明したとか、そういうのではないので。正直、完ぺきとは言わないけど、僕の中でもいくしかないと。いくぞと。僕が出るって言ったら出るんです。でも毎日、治療は続けてますし、僕の中では治療するのもプロレスですから。毎日治療を続けて、その結果、お客さんに勇気と元気を与える。そんなプロレスラーが本来持つべき姿で両国大会を迎えたいと思いますね。チャンピオンの言うこともわかりますよ。え?って思うのはわかるけど、そこで受けないじゃなくて、なんだかんだ言いながら受けたのはさすがチャンピオンだよね。どれだけ不利でも、どれだけ無謀と言われようと勝つんです。下手したらビッグマッチ、ずっとみんなを裏切り続けてるけど、勝ちますと。毎回言ってることかもしれないけど、最後の最後に勝ってる大谷晋二郎をみせたい。それが両国のリングだったら最高じゃないですかね」

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