4/10【ZERO1】ZERO1両国衝撃の幕切れ…大谷救急搬送で世界ヘビー奪回ならず
『押忍PREMIUM〜ZERO1旗揚げ20周年&21周年記念大会〜プロレス』東京・両国国技館(2022年4月10日)
世界ヘビー級選手権試合 ○杉浦貴vs大谷晋二郎×
世界ヘビー級王座に挑んだ大谷だったが、杉浦のコーナーマットめがけての投げ捨てジャーマンを受けてレフェリーストップ負け。そのまま動けず、救急車に搬送され、ZERO1両国大会は衝撃的な幕切れとなった。
ZERO1の前身であるZERO-ONEは2001年3月2日に両国国技館で旗揚げした。当初は昨年3月に20周年記念興行を両国で開催する予定だったが、会場側の都合で1年延期に。今回改めて「旗揚げ20周年&21周年記念大会」を行った。ZERO1が両国国技館で興行を行うのは2011年の10周年興行以来、11年ぶり。全40団体、約80選手ものレスラーが集結したが、メインには世界ヘビー級選手権試合が据えられた。
前王者の田中将斗、火祭り覇者の菅原拓也を破り、ここまで2度の防衛を果たしたプロレスリング・ノアの杉浦。外部に流出した至宝を奪回すべく立ち上がったのがZERO1の象徴・大谷だった。「左前腕両骨骨折」のため、昨年9月から欠場中だったが、1週間前に約7ヶ月ぶりに復帰。決意を持ってタイトル戦に臨んだ。
のっけから感情むき出しで杉浦とやり合った大谷。ショルダータックル合戦になっても意地になって倒れず、橋本真也さん譲りの水面蹴りで押し勝った。杉浦のフロントハイキック連打も正面から受け止める。しかし、杉浦は負傷明けの左腕にエルボーをねじ込んで逆転。大谷がうめき声を上げても気にせず、非情な一点攻めに打って出た。
それでも大谷の闘志は消えない。胸板にエルボーをぶち込まれても、自ら突き出して受け止める。脇腹へのエルボーにはさすがに苦もんしたものの、セコンドたちの声援を背に、顔面ウォッシュで反撃に出た。杉浦もスピアーや雪崩式ブレーンバスターなど得意技で一気に試合を立て直すと、フロントネックロックに捕らえるが、大谷が逆に肩固めに捕らえて一歩も引かない。
大谷は杉浦のエルボー乱射を浴びても「負けるか!」「何をやっても勝つぞ!」と叫んで打ち返す。ナックルパンチにはナックルパンチを返した。しかし、杉浦はコーナーマットめがけての投げ捨てジャーマンで鎮圧にかかる。
しかし、首を強打した大谷はコーナー下で倒れ込んで動けず。杉浦が追い討ちに出ようとするも、レフェリーが割って入って大谷の状態を確認。10カウントを数え上げるが、それでも大谷は立ち上がれず、レフェリーストップが宣告された。
杉浦は3度目の防衛に成功。勝ち名乗りを受けて、先にリングを去っていく。大谷は意識があり、呼びかけに反応はするものの、体は動かせず、そのままリング上で救急隊の到着を待つことに。観客が心配そうに見守る中、大谷に代わって北村彰基が「本日はこの両国国技館にお集まりいただきありがとうございました。どんなことがあっても、俺たちZERO1は上を向いてしっかり進んでいきますので、これからも応援よろしくお願いします」とマイクであいさつ。動揺しながらも大谷コールを叫び、「3、2、1、ZERO1、押忍!」と叫んでしっかりと興行を締めくくった。
オッキー沖田アナからは意識があることが繰り返しアナウンスされ、観客は退場となると、その後、救急車が到着。首になんらかの負傷を負ったためか、厳重に固定され、そのまま病院に搬送された。ZERO1両国大会は衝撃的な幕切れとなった。
【試合後の杉浦】
――試合を振り返ると?
▼杉浦「熱いのは伝わったんだけど、まだまだノアだったらあの先だよね。あの先でやり合って、どっちか倒れるまで。もうちょっと先はやりたかったね。まあでも、ZERO1、田中将斗を倒して、火祭りのチャンピオンを倒して。で、大谷晋二郎倒して。あとはいるの? どうするの? まあ、いいや」
――今後の防衛戦に関してはZERO1の反応次第?
▼杉浦「でもね、せっかく新しいベルトだからね。ZERO1に人がいればいいんだけど。いないとなると、ノアでやってもいいけどね」
――大谷選手にメッセージを送るなら?
▼杉浦「怪我から復帰したけど、気持ちだけじゃ勝てないってことだよね。やっぱりそれなりのコンディションを作り上げてやらないと。そんな甘いもんじゃないってことだよ。まあ、もう(挑戦者は)いないんじゃないの?」