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5/28【スターダム】朱里が完全決着戦で世羅を非情絞殺、ワールド王座死守 桃迎撃へ

『STARDOM Flashing Champions 2022』東京・大田区総合体育館(2022年5月28日)
ワールド・オブ・スターダム選手権試合 ○朱里vs世羅りさ×

 朱里が完全決着戦で世羅を非情絞殺してTKO勝ち。ワールド王座を死守した。試合後、渡辺桃が挑戦表明し、両者の対戦が決定的となった。

 スターダムにある7大王座全てのタイトル戦が行われた大田区総合体育館大会。メインはワールド・オブ・スターダム選手権試合が据えられた。王者・朱里はスターダムに殴り込んできたプロミネンスの世羅と2・21後楽園大会のタッグマッチで激突。相譲らず熱戦ドローに。世羅との決着戦を見据えていた朱里は、赤いベルトの挑戦者に指名。5・13竹芝大会、さらには調印式の席でも世羅の襲撃に遭った朱里は、借りを返すべく時間無制限、場外カウントなしで、ギブアップかKOのみで勝敗が決する完全決着ルールによる決戦に臨んだ。

 のっけから感情むき出しの朱里は、ゴング直後に投げ捨てジャーマンを決めると、サッカーボールキックやミドルキック連射で蹴り飛ばした。場外戦になるとさらにヒートアップ。馬乗りになった朱里はビンタを乱射する。世羅がなりふり構わずチョーク攻撃を繰り出しても、朱里はドロップキックで吹き飛ばした。

 しかし、プロミネンスの鈴季すずが朱里の足をすくって妨害すると、世羅が竹刀を振り回して暴走し、一転して挑戦者ペースに。ラフファイトを絡めつつ、腰に集中攻撃を浴びせる。朱里はヒザ蹴りで巻き返すも、世羅はコーナーめがけてのパワーボム、串刺しダブルニーからダイビングダブルニードロップへ。これは自爆に終わり、ジャーマンを食らった世羅だったが、ハリケーンドライバーやデスバレーボムで朱里にさらなるダメージを与えた

 2人は真っ向からエルボーを打ち合うと、朱里は怒りのナックルパンチで殴り倒す。世羅が竹刀を振り下ろしても朱里は真剣白刃取りで防御。だが、世羅は竹刀を奪い返すと、村山レフェリーを背後から痛打して無法地帯を作り上げた。ここぞとばかりにプロミネンスの面々が乱入し、朱里に総攻撃。世羅は断崖式シュバインを強行すると、グッタリと倒れ込む朱里をさらに暴行する。

 世羅の暴挙は続き、朱里の側頭部を竹刀で殴打すると、雪崩式シュバインからダイビングダブルニードロップを投下。うめき声を上げる朱里はカウント9でなんとか立ち上がる。感情を爆発させた朱里は、世羅が振り上げた竹刀を蹴り飛ばして逆襲。そして、絶叫しながら竹刀をへし折ると、やり投げ、串刺しニーと猛チャージ。ミドルキックをこれでもかと乱射した。

 続くスリーパーを耐えた世羅だったが、朱里は飛びヒザ蹴り、右ハイキックから顔面を容赦なく蹴り上げる非情な猛攻を展開。意識もうろうとなった世羅のダウンカウントを待たずにスリーパーに再捕獲して、絞めに絞める。しばらく耐えた世羅だったが、見かねたプロミネンス勢がタオルを投入し、朱里がTKO勝ちを手にした。

 朱里が世羅を非情絞殺に葬り、ワールド王座V5。赤いベルトを死守した。マイクを持った朱里は「世羅りさ、これがワールド・オブ・スターダムチャンピオンだ! どんなルールでもこの赤いベルトは守り続ける」と決意を口にし、「世羅、シングル久しぶりだよな。お前さ、竹刀とか、そういうの使わなくても強えじゃん。スゲェことできるじゃん。だから次に試合する時は、そういうのなしでお前と向き合って1対1で、心で試合したいよ。いつでもかかってこいよ。待ってるから」と正攻法での再戦を求めた。

 世羅がリングを去っていくと、入れ代わるようにして桃が登場。「朱里、忘れたとは言わせねえぞ。去年、5★STARの決勝でテメェに負けて以来、ようやくこの時が来たんだよ。次の赤いベルトの挑戦者は、この私だよ!」とレンチ片手に宣戦布告する。

 朱里は「大江戸隊、ブラック・ピーチになった渡辺桃、私もこの赤いベルトを懸けて試合したいと思ってたよ」と対戦を承諾したものの、「でもさ、こういうの(レンチ)とか、大江戸隊ってさ、いろんな人が介入してきたりするじゃん? じゃなくてウチは渡辺桃と1対1で赤いベルトを懸けて試合したいから、そこのところ頭に入れておいてよ」と真っ向勝負を要求した。

 そんな朱里を「さっき、どんなルールでも勝つのが赤いベルトの王者って言ってたよな?」と桃は嘲笑し、過剰反応する王者を「恥ずかしい、恥ずかしい」と挑発。そのうえで、「お前と1対1で正々堂々やってやるよ」と言い放った。桃は自ら握手を求めつつ、朱里が応じようとするとスカしてリングを去っていく。

 リングに残った朱里は「5度目、赤いベルトを防衛しました! 今日、スターダムは7大タイトルマッチでした。スターダムの勢いは止まらない。皆さん、これからも一緒に盛り上げていってもらえたら嬉しいです」と観客に呼びかける。そして、「私はスターダム最高峰の赤いベルトのチャンピオンとして、このベルトを守り続けていきます。自分に負けるな。限界を超えろ。みんなサラマポ!」と7大タイトル戦が行われた大田区大会を締めくくった。

 昨年9月の5★STAR GP決勝戦で朱里と桃は対戦。朱里が勝利して初優勝を遂げ、その勢いのままワールド王座奪取を果たしている。一方、桃は対戦当時、STARSのチームリーダーだったが、大江戸隊入りするとファイトスタイルも一変し、ヒールファイターとして新たな魅力を発散している。

 昨年とはまったく違うレスラーになった桃を、朱里は「大江戸隊に行った渡辺桃を見ていて、凄い弾けたというか、殻を破ったんじゃないかなというのを見てて思った」と評価。そのうえで、「この赤いベルトは誰にも渡さない。私が防衛し続ける。そして、1人1人のお客さんの心に残る朱世界をこれからも見せていきます」と誓いを立てた。

 赤いベルトの防衛戦の他に、7月には5★STAR GP開幕も控えている。朱里が狙うは当然、連覇だ。梅雨、そして夏へとスターダムの激闘は続いていくが、朱里は宣言通りに“心に残る朱世界"を見せ続けていくだけだ。


【朱里の話】「ワールド・オブ・スターダム、5度目の防衛をしました。世羅りさ、今日こういうルールをして。でも、世羅りさはああいう凶器を使わなくても強いのを知ってるから。今度試合をする時は1対1で向き合って試合がしたい。そう思いました。そして次の挑戦表明に渡辺桃がリングに上がってきて、私は嬉しかったですね。5★STARの決勝戦で戦って、大江戸隊に行った渡辺桃を見ていて、凄い弾けたというか殻を破ったんじゃないかなというのを見てて思ったので。この赤いベルトを懸けて、1対1で渡辺桃と試合がしたい。そう思います。この赤いベルトは誰にも渡さない。私が防衛し続ける。そして、1人1人のお客さんの心に残る朱世界をこれからも見せていきます」

【世羅の話】「まあ、卑怯な手を使っていたのは重々承知だけど、そうまでしてでも朱里に勝ちたかったし、あのベルトが欲しかった。後悔はしてない。ただ、竹刀折られるぐらいなら、次からは正々堂々と勝負してやってもいいかなって思いました。朱里、もう1回やろうよ。次は竹刀折るんじゃねえぞ」

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