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6/21【新日本】KUSHIDA電撃復帰、石森に挑戦状 “後楽園札止めIWGPジュニア戦"実現もヒロム奪取ならず

『NEW JAPAN ROAD』東京・後楽園ホール(2022年6月21日)
IWGPジュニアヘビー級選手権試合 ○石森太二vs高橋ヒロム×

 “聖地札止めIWGPジュニア戦"は王者・石森が36分の激闘の末、ヒロムに雪辱を遂げて初防衛に成功。試合後、KUSHIDAが電撃帰還を果たし、挑戦を表明すると、石森は「時間をかけてお前が挑戦者にふさわしいか、俺が査定してやるよ」と宣言した。

 ヒロムが史上初のスーパージュニア3連覇を成し遂げ、この日のIWGPジュニア王座挑戦を決めた。両者は5・31富山大会におけるスーパージュニア公式戦でヒロムがDでレフェリーストップ勝ちを収めて以来の再戦。王者vs覇者の新日ジュニア頂上決戦が決まってからヒロムは後楽園札止めを熱望。そして迎えた決戦の日、聖地は1380人の観衆で埋め尽くされた。

 “札止めIWGPジュニア戦"が実現。申し分なしの舞台が整った中、両者は大熱戦を繰り広げた。期待を物語るような手拍子の中、開始のゴング。序盤から目まぐるしい読み合いを展開し、石森が場外でのスイング式アームブリーカーで床に叩きつけて先手を取った。すかさず鉄柱を利しての左腕攻めを展開。イスで容赦なく殴りつけた。

 その後、石森が首攻めにシフトして試合を支配。ヒロムがコルバタで反撃し、エプロンから場外へのミサイルキック、ファルコンアローで押し返そうとしたが、石森がスライディングジャーマンを敢行して主導権を強奪。左腕へのコードブレイカーで再び腕攻めに出て、ヒロムのサンセットフリップパワーボムを阻止して抱え上げると、左の肩口から鉄柱に叩きつける。攻撃の手を緩めず三角飛びケブラーダを発射した。

 目まぐるしい読み合いからヒロムが飛びつきDを仕掛けたが、石森はパワーボムで叩きつけて食い止めた。カナディアンデストロイヤーで突き刺すと、ヒロムも譲らずコーナーへのフロントスープレックスで応戦。エルボー合戦で意地を張り合い、ヒロムが連打でねじ伏せ、張り手を見舞うと、「打ってこい」と挑発。殴りかかってきた石森にDを仕掛けたが、読んだ石森がジャックナイフで丸め込んだ。

 それでもヒロムはラリアット、ビクトリーロイヤル、コーナーデスバレーボムでたたみかける。TIME BOMBは石森が食い止め、左の肩口から鉄柱に叩きつけた。クラッチ式ショルダーバスター、ミスティカ式脇固めと左腕攻めを継続。Yes Lockで絞め上げてタップ寸前に追い込み、エプロン上でのパイルドライバーを敢行した。

 勝負どころと見た石森はサイファーウタキで追い討ちをかけたが、ヒロムが電光石火のDで捕らえた。石森も意地で耐え続け、顔面を踏みつけて脱出。雄たけびを上げたヒロムはラリアット、コーナー金具へのデスバレーボム、TIME BOMBで一気に勝負に出る。ギリギリで肩を上げた石森はTIME BOMB IIをBone Lockで切り返して逆転。ブラディークロスに切り替えようとしたが、ヒロムはスタナーで切り返した。

 30分が経過。ラリアットの打ち合いを制したヒロムがスタナー連発で勝負に出る。正調、雪崩式とTIME BOMB IIをことごとく食い止めた石森は雪崩式リバースDDTを敢行。ブラディークロスを爆発させて3カウントを奪った。

 石森が36分20秒の激闘を制してスーパージュニアの借りを返し、IWGPジュニア王座初防衛を果たした。「お前ら、ヒロムが勝つと思っただろ? もっと! もっと! もっと!ってそんなマイク期待してただろ? ざまあみろ!」と勝ち誇った王者は「このベルトはそこにいる前王者エル・デスペラードから獲り、そして今日スーパージュニア3連覇した高橋ヒロムもこのザマだ。事実上のトップ二人を倒したぞ。ってことはよ、次のチャレンジャーいねぇんじゃねぇか? おい、このベルト一発で獲れるヤツいるか? 出てこいよ」と挑戦者を募り、「それともお前、リマッチするか?」と実況席のデスペラードに向かって投げかけた。

 デスペラードが実況席から立ち上がった次の瞬間、場内に聞き覚えのあるテーマ曲が流れた。現れたのはKUSHIDAだ。2019年に新日本を離れ、WWEに参戦。NXTクルーザー級王座を戴冠したが、今年4月に退団していた。リングに上がったKUSHIDAは「お久しぶりです。KUSHIDAです。今、契約書にサインをしてきました。新日本プロレスに復帰します」と3年ぶりの帰還を宣言。「ロスに引っ越して残りのプロレス人生の時間をすべて新日本プロレスの発展に捧げます」と誓った。

 そして王者・石森と対峙したKUSHIDAは「石森さん、おめでとうございます。素晴らしい試合でした。そして、超満員札止め、おめでとうございます」と祝福。「強すぎちゃって挑戦者がいなくなっちゃったんじゃないですか? どうです? いるんだよ、ここに俺が」と挑戦を表明した。

 だが、石森は「ちょっと待てよ。いきなり来てすぐ挑戦? ムシが良すぎねぇか?」と受諾せず。「だからよ、次期シリーズ、G1を挟んで、その次のシリーズと、時間をかけてお前が挑戦者にふさわしいか、俺が査定してやるよ」との意向を示した。

【石森の話】「ヒロムがよ、カッコつけずに枚数も出して超満員札止めになるように呼びかけてただろ? それに俺も乗っかった。そのおかげで今日、札止めになったんだと思う。だからヒロムの功績は大きい。だがよ、一つだけ気に食わねぇところあるんだよ。あいつ言ってたな。ジュニアのベルトを巻いたままヘビーのベルトを巻き、ゴールデンタイムで試合するだと? アホなこと抜かしてんじゃねぇ。それは俺がここにいる限り、ぜってぇさせねぇ。それでよ、勝って気持ちよく帰ろうとしたらよ、あいつだよ。KUSHIDAだよ。空気読めよ、ホントによ。俺が誰かいねぇか?って言っただろ。その時に出てこいよ。腹立つな。まぁいいよ。あいつに対してはこれから時間かけて査定してやっから。チャンピオンとして、チャンピオンの権限として、すぐに挑戦はない」


【KUSHIDAの話】
▼KUSHIDA「お久しぶりです。本当に今、契約書をもらってサインしました。また新日本プロレス、よろしくお願いします」

──石森選手が「査定してやる」と言っていたが?

▼KUSHIDA「ほうほうほうほう。まぁ、それはさておき、今まだ家がフロリダのオーランドにありますんで、ロサンゼルスに引っ越して、そこから試合のために来日する形になると思います。残りの俺のプロレス人生、その時間、経験も全て、この新日本プロレスの世界進出の発展に捧げたいと思います。アントニオ猪木さんの有名な言葉で、ジャングルを作るより、むしろ作れ。面白いことができるんじゃないかって、これから楽しみですね

――挑戦表明したが?

▼KUSHIDA「3年半前に新日本プロレスジュニアを離れて、新日本プロレスジュニアを盛り上げたいと、その役目はもうヒロムとデスペラードでしょう。そして石森選手。素晴らしかった。超満員札止め、そしてIWGPの名に恥じない試合だったと思います。ベルトを獲らないことには、この新日本プロレスの中で居場所は生まれないでしょう。居場所確保のために頑張ります」

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