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7/1【ZERO1】火祭り開幕 田中と激闘ドローも稲村不満「自分に苛立ってます」

『第22回 真夏の祭典・火祭り2022〜開幕戦〜』東京・新木場1stRING(2022年7月1日)
Bブロック公式戦 △田中将斗vs稲村愛輝△

 昨年、消滅した田中と稲村の火祭り公式戦が1年越しで実現。激闘の末に時間切れ引き分けに終わり、稲村は「自分に苛立ってます」と不満を口にした。

 世界ヘビー級王者として22度目の火祭りを迎えた田中は史上最多優勝記録を更新するV6を狙っている。初戦の相手はノア・稲村。昨年は左腓骨骨折でリタイアとなったため、田中との公式戦は消滅。それが開幕戦でいきなり実現し、3・6後楽園大会以来4ヵ月ぶりの再戦を迎えた。

 まずは探り合うようなじっくりとした展開で幕開け。稲村が怪力に任せてヘッドロックで絞め上げれば、田中はグラウンドで動きを止めてフェースロックやキャメルクラッチで固める。タックル合戦を田中が制すれば、稲村もタックルでなぎ倒して譲らず。コーナータックルを連発し、力ずくで持ち上げての樽投げを連発。ボディプレス、キャメルクラッチと腰攻めに出たが、しのいだ田中はスイングDDTで突き刺し、エルボー乱打、ラリアットでねじ伏せた。

 稲村も串刺しボディアタック、ボディプレスと肉弾殺法を連発して逆襲したが、田中は稲村をエプロンに追いやり、三角飛びダイビングエルボーを発射。場外に転落した稲村にエプロンからのスライディングDをぶち込んだ。

 その後も田中が故・ターザン後藤さんばりのアームブリーカーなど腕攻めで主導権を握ったが、稲村はエルボーとハンマーパンチの打ち合いに持ち込んで食い下がった。これをこん身のフライングショルダーで制すると、ブレーンバスター、アバランシュホールドとらしさ全開の豪快な攻撃を連発。引かない田中はコーナー上でのアームロックに捕らえ、雪崩式ブレーンバスターで叩き落とした。

 すかさず田中はブレーンバスター、スーパーフライとたたみかけ、エルボー合戦でも圧倒したが、稲村はジャーマンで豪快にぶん投げて譲らない。意地で立ち上がった田中も後頭部へのスライディングDで徹底抗戦。ダブルダウンから両者が同時に立ち上がるとエルボー合戦で火花。フルスイングの一発でねじ伏せた稲村がフロントスープレックス、ぶちかましの猛攻に出た。

 勝負をかけた無双は田中が決めさせない。手を掴んでのスライディングDをぶち込んだ。稲村もボディスラムを連発し、往復式ショルダータックルをぶちかましたが、田中は雁之助クラッチで丸め込んで虚を突く。返した稲村がタックルでやり返し、馬乗りエルボーを連打したが、田中が後頭部へのスライディングDをぶち込んだところでタイムアップを告げるゴングが鳴らされた。

 両者ともに譲らず激闘の末に時間切れ引き分け。勝ち点3を分け合った。試合後、ともにしばし倒れ込んだが、立ち上がった二人は握手。引き分けに持ち込まれた形の田中は「いろんな規格外の、自分の想定外のパワーファイターとやってきたけど、想定外の中でも全然違う。力の強さが全然違う」と稲村を称えた。「稲村の成長っていうのは見に来てくれた人が感じてるんじゃないですかね。一番思い知らされてるのは俺やけど」と噛み締める一方で、大谷不在の火祭りを世界ヘビー王者として迎えたとあって、「俺は意地でも今年の火祭りは負けられへんねん。俺が火祭り刀もたんと始まらへんねん」と責任感とともに優勝の2文字を見据えた。

 一方、稲村は引き分けるところまで追い上げたといえるが、「引き分けたからって田中将斗に近づけたなんて思ってないですよ」とし、「まだまだというか、今、俺が持ってる力すべて出し切って引き分けでした」と肩を落とした。「火祭り初戦、熱く熱く、最後まで熱くやり切れなくて、決めきれなかった。自分に苛立ってます」と自らへの不満を口にしたものの、「この結果、ホントに心の片隅にじゃない。心のど真ん中に置いて、残り必ず全員に勝ちます」とこの悔しさを糧に残り全勝による優勝を誓ってみせた。

【試合後の田中】
▼田中「馬力が違う。馬力が違うよ。一発一発やっぱ凄いし、ホントやるたびにこっちが追い込まれとる。でも俺は意地でも今年の火祭りは負けられへんねん。俺が火祭り刀もたんと始まらへんねん。強い。ホントにいろんな規格外の、自分の想定外のパワーファイターとやってきたけど、想定外の中でも全然違う。力の強さが全然違う。俺らは動き回って連発せんかったら、あいつには勝たれへんと試合やる前から思ってたけど、それも規格外のパワーで返された。でも、やっぱり意地でも負けられへんねん、まだまだ。それだけです」

――稲村選手は前回よりも強くなっていた?

▼田中「いやぁ、強いよね。毎回…何度目かのシングル、3回かな、4回かな、やってるけど、そのすべてをどういう形で見てる人がいるかもしれないけど、すべての試合を見てる人もいると思うんで、稲村の成長っていうのは見に来てくれた人が感じてるんじゃないですかね。一番思い知らされてるのは俺やけど」

【稲村の話】「引き分けたからって田中将斗に近づけたなんて思ってないですよ。まだまだ強くなりたいです。田中将斗とあと一歩だった。俺が仕留めてたかもしれない。だけど俺はまだまだというか、今、俺が持ってる力すべて出し切って引き分けでした。火祭り初戦、熱く熱く、最後まで熱くやり切れなくて、決めきれなかった。自分に苛立ってます。この結果、ホントに心の片隅にじゃない。心のど真ん中に置いて、残り必ず全員に勝ちます」

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