10/19【ZERO1】北村が天下一ジュニア2年ぶりV2 新ZERO1創造を宣言
『第19回天下一ジュニア2022』東京・新木場1stRING(2022年10月19日)
決勝戦 ○北村彰基vs高岩竜一×
北村が決勝戦で高岩を破って2年ぶり2度目の天下一ジュニア優勝を飾り、新ZERO1創造を誓った。
9・9新木場大会で開幕した天下一ジュニアが最終戦を迎えた。全10選手が出場しての2ブロック制リーグ戦で、この日、公式戦全日程を終了。Aブロックを突破した北村とBブロックを勝ち上がった高岩の間で優勝戦が争われた。
北村がドロップキック、トルニージョの連続攻撃で先手を取ったが、高岩はショートレンジラリアットで黙らせる。場外でボディスラムを敢行し、リングに戻ればチキンウイングアームロック→腕ひしぎ逆十字固め、腕固めと右腕を徹底攻撃。同期・大谷ばりの顔面ウォッシュもさく裂させた。
北村もドロップキックで反撃すると、顔面ウォッシュを連発して倍返し。串刺しジャンピングエルボー、フェースクラッシャーの連続攻撃で巻き返しに出たが、高岩は垂直落下式ブレーンバスターで突き刺して止めた。北村も流星ロックで捕らえたが、逃れた高岩は流星キックを回避して高岩ドリラー、ラリアット、デスバレーボム、後頭部へのダイビングエルボードロップと大技攻勢でたたみかけた。
このまま終われない北村も雪崩式デスバレーボムを食い止め、流星キックを連射。ダルマ式ジャーマンでニアフォールに追い込むと、こん身の晋道(ランニングニー)をぶち込んで逆転の3カウントを奪った。
北村が高岩との熱戦を制し、天下一ジュニア2年ぶり2度目の優勝を飾った。天下一ベルトと優勝トロフィーを授与された北村は工藤めぐみGMの勝利者インタビューを受け、「高岩さんが当時ZERO1にいなかったら北村彰基っていうZERO1のプロレスラーは生まれてなかったと思います。高岩さんがZERO1のテスト受けに来た僕を見て下さって、入門を許してくださったから今の僕があります。高岩さん、ありがとうございました」と恩人に感謝した。
2年前の優勝との違いを問われると北村は「ZERO1を背負うっていう、ZERO1を守らなきゃいけないっていう気持ちが前回、俺が優勝した時よりも強いと思います」とキッパリ。「ZERO1が今ピンチかもしれない。そんな時だからこそ、北村彰基がこうやって天下一ジュニア優勝することによってZERO1の新しい時代が切り拓かれるんじゃないかと思ってました」との責任感を胸に天下一ジュニアに臨み、2年ぶりの栄冠を勝ち取った。北村は「これから僕がこの新しいZERO1を先頭に立って明るく楽しい、今までのZERO1と違ったZERO1を創っていきたいと思います」と新ZERO1創造を高らかに誓ってみせた。
天下一ジュニアは優勝者が願い事を一つかなえられる。場内が暗転し、稲妻がとどろく中、願い事を問われた北村は「僕は大谷さんが帰ってくるまでZERO1を守らなきゃいけない。そしてZERO1を引っ張っていかなきゃいけない。これからもより一層、僕はZERO1で一生懸命、誰にも負けない、一生懸命頑張ります」と決意表明したうえで、「どうか皆様、全国のプロレスファン、そしてZERO1ファンの皆さん、そして今日、会場に集まってくださったファンの皆さん、これからもより一層のZERO1の応援をよろしくお願いします!」と大谷不在の今だからこそファンの支援を何よりも願った。そして最後に「これからのZERO1が僕たちが明るく激しい、そして楽しいZERO1を引っ張っていきます!」と改めて宣言すると、「これで決まりだ!」の叫びで締めた。
【試合後の北村】
▼北村「天下一ジュニア2022ありがとうございました。ついにこの俺の腰にこのベルトが帰ってきました。しかも大谷さんが4月にケガして、ZERO1をずっと守ってきた、先頭きってずっと守ってきた大谷さんが大きなケガで今休んでて。そんな時だからこそ北村彰基が天下一ジュニアを優勝しないといけないんじゃないかと思ってました。いや、優勝しなきゃいけないと思ってました。先ほどリング上でも言ったけど、当時、ZERO1に高岩さんがいなかったら今の北村彰基はいませんでした。高岩さんから練習生の時、プロレスをみっちり叩き込んでもらったから、ZERO1の在り方を大谷さんから叩き込んでもらったから今の僕があります。今までゴツゴツとしたZERO1が主流でしたけど、これからのZERO1は明るく楽しく、いろんな世代に支持されるようなZERO1を僕らが、いや、僕が作っていきたいと思うんで、ぜひ皆さん、これからもより一層、ZERO1への応援よろしくお願いします。ありがとうございました」」
――最後の願いが願いというよりも決意だったが?
▼北村「確かにZERO1を応援して下さる方は絶対いると思うんです。絶対いるんです、どこにも。でも今、大谷さんが病院でベッドの上で一生懸命、頑張ってるんですよ。そんな中で、その大谷さんよりも僕らが頑張らきゃいけないんですよ。いつもの僕だったら今日、優勝決めたところで絶対泣いてたと思うんです。でも、今までの泣き虫だった自分とはさよならしたいなと。これからは明るい北村彰基を出していきたいなと思います。リング上でふざけるわけにはいかないですけど、しっかり明るい北村彰基というものを前面に出していけたらと思います。確かにうれしくて泣くのは当たり前かもしれないけど、もっともっと笑顔あふれるリング上を僕は作っていきたいなって最近思ったんですね。そのためにも僕らが一生懸命、頑張ることが大谷さんへのエールになります。だから僕らもより一層頑張るんで、ぜひプロレスファンの皆さん、ZERO1ファンの皆さん、そして今日、会場に来てくださった皆さん、大谷晋二郎、並びにZERO1の応援よろしくお願いいたします」
【試合後の高岩】
――北村選手との優勝戦を振り返って?
▼高岩「僕も天下一、何回か出てますけど、優勝もしてますけど、彼5年目だっけ? うーん、まだまだですね。まだまだ。結局、俺が引っ張ってるから。技の1個1個の重みとか正確さは凄く上達してましたけど。最後、願い事っていうか思いはね、凄く伝わったんでよかったと思います」
――高岩選手自身もまだまだ最前線でいける手応えはあった?
▼高岩「最前線はもちろんですけど、ZERO1は北村がいるし、必要とあればいつでも出ます。大谷も待ってるし」
――大谷選手を勇気づける一戦にもなったのでは?
▼高岩「そうですね。北村の成長っていうのがちょっとでも大谷に伝わればね、安心して彼も自分のことに、リハビリに頑張れると思います」
――開幕前にZERO1のジュニアはパッとしないという言い方をしていたが、シリーズを通してZERO1ジュニアの印象は?
▼高岩「うーん、そのへん聞かれると困っちゃうんですけど、ハッキリ言ってまだまだですね。僕、他のとこもいろいろ出てるんで厳しい言い方をすると、やっぱり寄せ集めですね。生え抜きは北村とか…北村しかいないのか。もうちょっと生え抜きを出して、そこから盛り上げないと。僕もZERO1いたんで借りるのもいいんですけど、まず自分らでやって盛り上げて、そして僕ら呼んだり底上げをしてほしいなと思います。まだまだ50歳、頑張ります。天下一も機会あれば。体重が僕95ぐらいなんですけど、何かジュニアって80キロ超えちゃいけないって感じで。僕は僕でまだまだ年上の方たちもいるんで、まだまだジュニアっていうものを背負って、引っ張って、高い壁になって頑張ります。ZERO1ともどもよろしくお願いします。ありがとうございました」