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12/16【DRAGONGATE】Kzyが遺恨戦制して年内最後の聖地締め 錯乱・シュンをハルクが抱擁

『FANTASTIC GATE 2022』東京・後楽園ホール(2022年12月16日)
○Kzy vsシュン・スカイウォーカー×

 シュンとの遺恨試合を制したKzyが年内最後の後楽園大会を笑顔で締めくくった。一方、敗れて錯乱状態となったシュンだったが、B×Bハルクが抱きしめてなんとかなだめた。

 シュンがことあるごとにKzyを「害悪」と糾弾し両者の間に因縁が勃発。NATURAL VIBESとZ-Bratsのユニット抗争にまで発展した。12・11名古屋大会でシュンが復帰したばかりのU-Tをパイプイスで暴行すると、堪忍袋の緒が切れたKzyがついに一騎打ちを要求。年内最後となる後楽園大会のメインイベントで因縁の一戦が実現した。

 両者は感情むき出しで火花。シュンが顔面かきむしりや顔面踏みつけなどラフファイトで序盤戦をリードするも、Kzyはダイブ攻撃をエルボースマッシュで撃墜して反撃に打って出る。ロープを踏み台にして決死のトペコンヒーロを敢行。続けざまに各種エルボースマッシュを放ってリズムを刻んだ。シュンはモンキーフリップやブラスター、ジャーマンなど投げ技を多用して巻き返したものの、一歩も引かないKzyは得意のランニングエルボースマッシュをぶち込んで試合をイーブンに戻す。

 互いに大技を狙った緊張感溢れる先読み合戦からKzyがチャンスを掴むも、串刺しスピアーは避けられてレフェリーに誤爆。シュンはさらにレフェリーとの交錯を誘って無法地帯を作り出した。パイプイスを持ち込むと容赦なくKzyの脳天に一撃。さらに、リング上にイスを散乱させると、トップロープから雪崩式ブレーンバスターを狙う。

 Kzyがコーナー上で必死に抵抗すると、シュンはレフェリー不在をいいことにハルクの加勢を呼び込むが、イス攻撃は避けられて痛恨の誤爆に。Kzyは捨て身の雪崩式カナディアンデストロイヤーを敢行して、シュンをパイプイスに叩きつけた。リーダーのチャンスを邪魔させてなるものかと、NATURAL VIBESの面々がZ-Bratsの介入を阻止し、場外ダイブを連発して足止め。仲間の援護に応えるべく、KzyはダブルアームDDT、スライディング式エルボースマッシュと得意技を連発すると、韻波句徒(ダブルアーム式パイルドライバー)で突き刺し、死闘を制した。

 これまで執ようにKzyをこき下ろしてきたシュンはまさかの敗北に錯乱。「嘘だよな? フフフ…」と不気味な笑いを何度もこぼすと、敗北のきっかけを作ったハルクをリングに呼び込み、「お前のせいだぞ。お前のせいで俺は悪夢を見てんだ。俺は現実から目を背けたくない。俺に悪夢を見せるな」とムチャクチャな論法で責任転嫁を試みた。

 ハルクは「次、もっと強くなってよ、あいつに勝ちゃあいいだろ? こんなのなんでもない。タイトルマッチでもなんでもないシングルマッチだ。負けたところで痛くもかゆくもねえ」と熱く激励しつつも、「ただな、今日の負けはお前の責任だ。俺の責任じゃない」と指摘。ブチ切れたシュンが襲いかかってあわや仲間割れかと思われたが、ハルクはシュンを強く抱きしめた。そして、、「今年もな、いろいろあったな。いいことも悪いこともあった。よし、これから今年最後の後楽園が終わったんだ。Z-Brats全員で忘年会しようぜ!」と無理矢理になだめ、「忘年会で酒と一緒に綺麗に洗い流すぞ。行くぞ、忘年会だ!」と他のメンバーとともにシュンを強引につれてバックステージへと消えていった。

 まさかの展開にKzyたちNATURAL VIBESはしばし呆然。それでも気を取り直したkzyは「後楽園にお集まりの皆様、悪夢見せたりましたわ! 大ドン返し! おい、散々カスだうんぬん、害悪だ言われてきたこの俺ですが、しっかり今日お返しすることができました」と力強く勝利をアピールする。客席から拍手を浴びると、助けレくれた仲間たちに感謝した。

 「俺たちNATURAL VIBESは一枚岩。揺るぎません。なんとののしられようが、何を言われようが、俺らはパフォーマンスにも俺たちは誇りを持っているし、試合にも誇りを持って、自信を持って、メンバーにリスペクトを込めて戦ってるんです」とユニットとしての姿勢を改めて強調したKzyは「俺はこのDRAGONGATEの色を一番出しているユニットは俺たちNATURAL VIBESと自信を持ってます。だから、これからも俺たちはこのスタイルのまま、名前の通り、自然体で来年も突っ走っていきますよ」と胸を張った。

 現在、KzyはBIGBOSS清水とツインゲート王座を、U-Tと琉球ドラゴンプロレスの双琉王王座を保持。12・18仙台大会ではYAMATO&吉田隆司組とのツインゲート防衛戦を控えているが、それを乗り越えれば、ノア12・23新宿大会ではYO-HEYとGHCジュニアタッグ王座挑戦が決まっており、タッグ三冠も現実味を帯びている。

 最高の形で遺恨を清算し、年末のタイトル連戦に弾みを付けたkzyは「全スタッフを代表して一言言わせてください。コロナ禍の状況、なかなか声も出せない、手拍子が精一杯。ですが、こうやって皆さんがいる。後押ししてくれる。背中を押してくれる。それだけで俺たちは力になりますし、戦いを通して皆様に恩返ししていきたいと思ってますんで、どうかこれからもDRAGONGATEを一緒に楽しんでちょうだい」とらしい言葉で観客に感謝。「みんながいる限りDRAGONGATEはますます面白くなるし、ますます俺たち体を張っていくからよ。来年もこの場所で皆さんの姿を見せてください。2022年も1年間本当にありがとうございました」と誓いを立てつつ、2022年最後の後楽園大会を笑顔で締めくくった。

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