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12/29【スターダム】ジュリアが涙のワールド王座初戴冠 朱里は橋本千紘に1・6後楽園来場を要求

『JRA中山競馬場 presents STARDOM DREAM QUEENDOM 2022』東京・両国国技館(2022年12月29日)
ワールド・オブ・スターダム選手権試合 ○ジュリアvs朱里×

 ジュリアが時間切れ9秒前の激闘の末に朱里を下し、ワールド王座初戴冠。「あなたから獲ったこのベルトはもっともっと私が最高の景色に持っていく」と涙ながらに誓った。一方、1年の長期政権から陥落した朱里は「最強女子を確立させるために動きたい」と宣言し、センダイガールズ橋本千紘に1・6後楽園大会来場を呼びかけた。

 年内最後のビッグマッチ・両国大会のメインはワールド王座戦。昨年の両国大会で赤いベルト初戴冠を果たした朱里がV11戦に臨んだ。対するは10月に5★STAR GPを制したジュリア。「もうあんたの背中追いかけるのは終わりなんだよ。私が赤いベルトの新しい世界を創る」と政権交代を予告し、満を持して赤いベルト挑戦を迎えた。

 かつて共闘関係にあった二人の戦いは激闘となった。豪快に先手を取ったのはジュリア。花道から客席へブレーンバスターで投げる荒技を敢行した。朱里も譲らず机上パイルドライバーでやり返し、ダイビングギロチンドロップでジュリアが爆弾を抱える首に攻撃を集中していく。ジャーマンで2度ずつ投げ合う意地のせめぎ合いを展開すると、両者が倒れ込んだ。

 同時に起き上がった両者は顔面への逆水平合戦を展開。アキレス腱固めで絞め合い、ジュリアがヒールホールドで優位に立つ。張り手、カカト落とし、サッカーボールキック連打と鬼のような打撃の雨を降らせれば、朱里も負けじと雪崩式アームロックスープレックスを敢行し、腕ひしぎ逆十字固め→腕固めで絞め上げた。お返しとばかりにサッカーボールキックを前後から連打し、ジュリアがキャプチュードで投げてもハイキックでねじ伏せた。

 ダウンカウント9でかろうじて立ち上がったジュリアは朱世界を食い止め、ジャックナイフで丸め込む。バックドロップ、DDT、ファルコンアローと大技を連発。朱里もグロリアスドライバーを阻止し、ジャーマンで反撃したが、ジュリアはグロリアスドライバー、ノーザンライトボムでたたみかける。王者の意地で肩を挙げた朱里はバッククラッカー、ランニングニーで挽回。雪崩式攻撃を狙うジュリアを頭突きで叩き落とし、フロントハイキックでエプロンに落とされても、ロープ越しのハイキックをさく裂させた。

 ジュリアもコーナー上での頭突きでお返し。トップロープからの雪崩式ダブルアームスープレックスで叩き落とした。朱里が掟破りの逆グロリアスドライバーを敢行すれば、ジュリアも掟破りの逆流炎で譲らず。ハイキックも相打ちとなると、朱里が飛びヒザ蹴りで流れを引き寄せ、バズソーキック、流炎でたたみかけ、朱世界を爆発させた。

 それでもジュリアは3カウントを許さない。朱里が雪崩式朱世界の構えに入ると、ジュリアは回転エビ固めの要領で飛び降りてのパワーボムで阻止。炎華落とし、ランニングパワーボムとDDMの盟友・舞華とひめかの必殺技を繰り出すと、ヒザ蹴り、ミサイルキック、ダブルアーム式パイルドライバーでたたみかける。朱里もクロスアームスープレックスで応戦。朱世界を食い止めたジュリアはタイムアップが迫る中、クラッチ式バックドロップ、右ストレート、ノーザンライトボムと一気呵成。最後はグロリアス式ノーザンライトボムで突き刺して3カウントを奪った。

 今年最後のワールド戦は時間切れ9秒前の29分51秒、ジュリアが朱里を下し、悲願の赤いベルト初戴冠を果たした。試合後、朱里にベルトを巻いてもらったジュリアの目には涙。「朱里、スターダムで出会って3年間、私たちがお別れしてからしばらく経ちましたが、朱里はずっとずっと私のことを支えてきた人です。ありがとうございます。そして私にプロレス界で初めて本当の仲間とは何なのかを教えてくれた人でした。そしてずっと心配されてたのもわかってました。ごめん。本当にずっと見守っててくれて、分厚い分厚い、でっかいでっかい壁となってくださって本当にありがとうございました」と胸いっぱいの思いとともに感謝した。

 そしてジュリアは「朱里は化け物級に強くて、化け物かってぐらい真面目で、化け物級に超優しくて。これからも朱里はずっとずっと私の大事な人だし、ずっとずっと高い高い尊敬する先輩なんで、私はもっともっと強くなって、もっともっと強くなった朱里と戦いたい。だからこれからもよろしくな」と抱擁。「朱里、感謝してもしきれない、あなたには。あなたから獲ったこのベルトはもっともっと私が最高の景色に持っていくから。絶対またやるから約束だぞ」と誓いの握手を交わした。

 朱里が去るとジュリアは会場にいるであろう母親に感謝すると、「この最強で仕方がない朱里から私が赤いベルトを獲ったということは、スターダムの今の最強はジュリアってことで間違いねぇよな?」とアピール。「スターダムも女子プロレス界も私が引っ掻き回してこういう大きな会場、もっと大きな会場をお客さんで埋め尽くしてやるから。諸君も来年、スターダムについてこいよ」と誓うと、「スターダムのことが好きで好きでたまらない諸君、来年もどうぞよろしくお願いします。アリベデルチ、良いお年を!」と2022年最終戦を締めた。

 一方、朱里は1年続いた長期政権から陥落。2023年へ向けて涙ながらに「私はもっともっとプロレスを突き詰めて、進化して、大きな存在になりたい。2023年、最強女子を確立させるために動きたい」と宣言。「センダイガールズの橋本千紘。スターダムのプロレス、そして朱里に興味があるなら、1月6日の後楽園ホール招待したい。勇気があるなら来場してほしい」と呼びかけた。橋本とは4月の後楽園・還暦祭で対峙し、話題となったが、その続きが時を経て実現することになるか。


【ジュリアの話】「重い。凄く重いです。今このベルトの歴史の、そして価値の重みがこのベルトに触れた瞬間から凄く今、身にしみて感じています。なんて言っていいかわかんないんだけどさ、何かベルトの価値って何なんだろうね。人間それぞれ思うものがあってさ、人それぞれの価値ってものがあってさ。でも朱里が作ってきたこの1年間、朱里が作ってきた世界というのは間違いなくスターダムにとって素晴らしい影響を与えてきたんだなってめちゃくちゃ思ってます。私はこの会場で12月29日、1年前に大きなケガから今後のプロレス人生をどうするか凄く悩むぐらいの大きいケガをして、1年前ここで復帰をして。正直うまくいかねぇなと思うこともいっぱいあったんだけど、信じれば、あきらめなければ必ず道は開けてくる。そう信じさせてくれたのは朱里。あきらめずに歯を食いしばって根性でやってきて本当によかったと思います。そして応援してくれたファンの諸君、仲間たち、本当にありがとうございました。とにかくスターダムは最高です。私とやりてぇヤツ、私より強ぇって自信があるヤツ、私、気が向いたらだよ。みんなの挑戦受けるから。凄ぇ試合やりてぇって思うヤツ、やりましょう。待ってます。来年はジュリアの世界を作り上げて、スターダムをこの赤いベルトを持ったギラギラしたジュリアが引っかき回すんで、諸君、2023年もお楽しみに。1年間ありがとうございました。アリベデルチ、良いお年を。ありがとうございました」

【朱里の話】「この1年間、赤いベルトを10度防衛してきました。そして今年、女子プロレス大賞を取ることができました。最後、ジュリアに負けてしまったんですが、今日スターダム年内最終戦でジュリアと試合ができたこと私は凄くうれしかったです。悔しいですが、晴れやかな気持ちでもあります。2022年、赤いベルトとともに歩んできて、プロレスとさらに向き合えた1年で、最高の年を過ごしました。来年、私はもっともっとプロレスを突き詰めて、進化して、大きな存在になりたい。2023年、最強女子を確立させるために動きたい。そう思ってます。センダイガールズの橋本千紘。スターダムのプロレス、そして朱里に興味があるなら1月6日の後楽園ホール、招待したい。勇気があるなら来場してほしい。以上です」

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