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5/28【新日本】ティタンと大熱戦…ワトが歓喜のスーパーJr.初制覇 6・4大阪城でIWGPジュニア王者・ヒロムに挑戦へ

『BEST OF THE SUPER Jr.30』大田区総合体育館(2023年5月28日)
優勝決定戦 ○マスター・ワトvsティタン×

 ワトがティタンを大熱戦の末に撃破し、歓喜のスーパージュニア初制覇。試合後、IWGPジュニア王者の高橋ヒロムに挑戦表明し、6・4大阪城ホール大会でのタイトル戦が決定的となった。

 記念すべき30回目の開催となった今回のスーパージュニア。決勝はどちらが勝っても初優勝となるフレッシュな組み合わせとなった。4度目の出場となったワトはスタートダッシュに失敗したものの、後半は怒とうの6連勝でブロックを突破。準決勝では今回のリーグ戦で台風の目になったマイク・ベイリーを破り、初優勝に王手をかけた。

 対戦相手のティタンは最終公式戦でL・I・Jの同門・高橋ヒロムを、準決勝でエル・デスペラードを撃破。近年の新日本ジュニアをけん引してきた両雄を連破し、決勝まで勝ち上がってきた強敵だ。両者は昨年のスーパージュニア公式戦で対決し、ワトが勝利している。

 ワトのセコンドには師匠格の天山広吉が、ティタンのセコンドにはL・I・Jが総出でつく。ゴングが鳴ると、2人への声援が交錯し、いやが上にも場内は決戦ムードに包まれた。プランチャから得意の蹴りを唸らせてペースを奪いにいったワトだが、ティタンは今回のリーグ戦で猛威を振るったジャベ・インモルタル(鎌固め)につなげるべくジャベを駆使しての左ヒザ攻めでリズムを刻む。

 ワトがトペコンヒーロ、スワンダイブ式エルボースマッシュと空中殺法で躍動したが、ティタンもトップロープからのラ・ケブラーダ、トペコンヒーロと捨て身の場外ダイブを連発すると、場内は沸騰。ハイレベルの打撃戦でも一歩も引かずにやり合った。

 ワトが先に勝負に出る。飛びつき十字固めから流れるようにレシエントメンテを決めると、ベンダバールで絞め上げた。そして、通天閣ジャーマンの構えに。だが、ティタンは追尾してのスイング式DDTで形勢逆転。「ティタン」コールを浴びると、ワトの背中にスワンダイブ式フットスタンプを投下する。そして、ジャベ・インモルタルに絡め取った。決定的な場面だったが、ワトは完璧に極まる前に執念のロープエスケープ。客席からは重低音ストンピングが発生する。

 勝負を決めたいティタンはカナディアンバックブリーカーの体勢でぶん回すが、背後に不時着したワトは体勢を崩しながらも通天閣ジャーマンで逆転。肩を上げたティタンは秘策のティタニカ(トルベジーノ式変型エビ固め)で押さえ込むも、ワトはギリギリでキックアウト。ならばとティタンは蹴り技連発からダイビングフットスタンプを落とすが、ワトはここでも肩を上げた。

 ティタンは再びジャベ・インモルタルの構え。振り払われてもこん身のトラースキックを放つが、倒れないワトは旋風脚を一閃。通天閣ジャーマンを決めると、クラッチを離さずに一気にレシエントメンテIIを繰り出し、3カウントを奪った。

 ティタンとの大熱戦を制し、ワトがスーパージュニア初制覇。シングルで初の栄冠を掴み取り、頂点に立った。ワトは優勝旗を受け取ると、ぶん回して喜びを爆発させる。リングを去るティタンにも大声援が飛んだ。

 ワトは早くも次なる動きに出た。「ヒロム! いや、ヒロムさん。少しここに来てください」とヒロムをリングに呼び寄せると、「ヒロムさん、堂々とやっとここまで来ました。『BEST OF THE SUPER Jr.30』覇者として、あなたの持つIWGPジュニアヘビー級王座に挑戦させてください」と宣戦布告したのだ。

 ヒロムは「ワト、素晴らしかった。本当におめでとう。ジュニアの新しい扉を開いたね」と称えると、「でも、どんな扉を開けようが、そこに待っているのはこの俺だ。ワト、お前の挑戦喜んでお受けします」と受諾した。ワトは「場所は……俺の地元、大阪城だ」と6・4大阪城ホール大会を舞台に指定。ヒロムは「楽しみにしてるぜ」と言い返した。最後に「俺はもう1つの目標を叶えます。そして、もう1つの新しい新日ジュニアの扉を開くのは俺だ」と高らかに宣言したワトが優勝トロフィーを掲げると、リング上を青く輝く無数のテープが舞い、エンディングとなった。

 過酷なスーパージュニアを最高の形で締めくくったワト。26歳で初優勝を果たし、本人の言葉通り「新しい扉」を開いた。しかし、IWGPジュニア王座を獲らなければ新風景到来とは言えない。過去に2度挑んだものの高い壁に弾き返されてきた。それでもワトの気持ちに迷いはない。「グランドマスターへの道はまだまだまだまだ続きます。IWGP、そしてこのBEST OF THE SUPER Jr.を獲ったからって俺は満足しない。これから先、もっともっと欲を出して、新日ジュニアをもっと面白く、最高の舞台に持っていきたいと思います」とさらなる高みを見据えていた。


【試合後のワト】
※セコンドについた天山やKUSHIDA、ナイトらに祝福される

▼天山「おめでとう。最高や。本当によかった。大丈夫か? 最高や。やっと来たね」

※缶ビールで乾杯。3人はワトの頭にビールをかける。3人が口々に「おめでとう」と祝福すると

▼ワト「ありがとうございます(ビールを飲み干す)」

▼天山「最高やね。どうや? いい味してるか?」

▼ワト「最高です。ビールうますぎます。黒ラベル」

▼天山「2020年から数えて、ちょうど3年ぐらいでやっとここまで来た。おめでとうな。ホンマおめでとう」

▼ワト「ありがとうございます。自分を信じてくださってありがとうございます」

▼天山「ホンマいい試合だったよ。勝ってくれて最高や。泣きそうになったよ。最高。OK。あとは自分の思っていること全部吐き出してくれ。おめでとうな」

※天山が去っていくと

▼ワト「やっとここまで来れました。初めて新日本プロレスを会場で見た大会がこのBEST OF THE SUPER Jr.でした。いつかこのリングに立って戦いたい。そう思い続けてやってきました。そして、高橋ヒロムという男に出会い、ジュニアでやると決め、そして戦ったこのBEST OF THE SUPER Jr.で優勝し、高橋ヒロム、あんたが持つIWGPジュニアヘビー級王者に大阪城ホール…俺の地元で堂々と挑戦したいと思います。少しはこの喜びに…俺自身シングルでタイトルを獲ったのは新日本プロレスでは初めてだから、少し余韻に浸りたいところだけど、新日本プロレスはそうはいかないってわかってる。大阪城ホール、もう1つの俺の目標を必ず叶えてみせます。ただ、グランドマスターへの道はまだまだまだまだ続きます。IWGP、そしてこのBEST OF THE SUPER Jr.を獲ったからって俺は満足しない。これから先、もっともっと欲を出して、新日ジュニアをもっと面白く、最高の舞台に持っていきたいと思います。今日はありがとうございました」

プロ格 情報局