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7/2【スターダム】激勝・奈七永がゲキ「パッションで道切り開け」 キッドはナナモモとの対戦熱望

『STARDOM MidSummer Champions 2023〜真夏の王者たち〜』神奈川・横浜武道館(2023年7月2日)
パッション注入マッチ ○高橋奈七永vsスターライト・キッド×

 奈七永が時間切れ間近にキッドから激勝。「そんなにパッションがあるんだったら、どんどん道を切り開いていけるんだろ、もっと。そんな姿が見たい」とゲキを飛ばした。一方、キッドは奈七永&中西百重の“ナナモモ"との対戦を熱望した。

 奈七永は若手選手を中心にその溢れる情熱を叩き込む“パッション注入マッチ"を行ってきた。そんな奈七永が自ら注入マッチの相手に指名したのがキッドだった。キッドは「奈七永が今までパッション注入マッチをやってきたヤツらと私は比べものになんねえんだよ」と豪語。奈七永の元盟友で、元WWWA王者でもある百重の指導を受け、対策を積んで試合に臨んだ。

 百重がキッドのセコンドにつくと、試合はスタート。のっけからビンタ合戦で火花を散らす。キッドは低空ドロップキックからヒザ攻めを仕掛けたものの、奈七永は動じず。豪快な投げ捨てジャーマンで主導権を渡さない。

 しばらく劣勢が続いたキッドは百重ばりのムーンサルトアタックで形成打開。エプロンDDTで奈七永の動きを止め、変型裏足4の字固めで拷問する。さらに、コーナーに上がろうとした奈七永をジャーマンで投げ捨てた。しかし、奈七永も同じくジャーマンで逆転。雪崩式ブレーンバスターから大技を連発し、冷蔵庫爆弾へ。

 これを自爆させたキッドは黒虎脚殺(首極め式マフラーホールド)で絞めに絞める。沈まない奈七永はキッドが仕掛けた百重直伝のモモ☆ラッチを押し潰して阻止。ピンチをチャンスに変えた。バックドロップやラリアットでたたみかけると、ビンタやエルボーを連打。キッドも感情むき出しでやり返し、ナックルパンチなどもぶち込んだが、モモ☆ラッチはまたも決まらず、ピンチが続いた。

 意地のキッドはキャッチャーマンで巨体の奈七永を投げると、スタースープレックス、裏モモ☆ラッチ、さらには正調モモ☆ラッチを決めるが、今度は奈七永が意地を見せてキックアウト。続くムーンサルトプレスを下から蹴り上げて迎撃すると、大技を連発し、最後は引き分け寸前にワンセコンドEXでキッドを沈めた。

 試合後、奈七永は「横浜がこんなにパッションで燃えに燃えたのはスターライト・キッド、お前のパッションがあるからだな。やっと初対戦、こんなに面白いヤツが眠ってたとはな」とキッドを称賛。「お前、なんでそんなにくすぶってんだよ。そんなにパッションがあるんだったら、どんどん道を切り開いていけるんだろ、もっと。そんな姿が見たい」とゲキを飛ばした。

 「幸い、お前がセコンドに選んだ中西百重は本当にそういうタイプだった!」と百重をお手本に挙げ、「私は中西百重というライバルの背中を見ているしかなかったんだよ。だけど、だから今、私がいる。せいぜい中西の小さくても強い姿を参考にして、もっともっと強くなれ」とエールを送った。

 その言葉を受け止めたキッドは「奈七永! 今日は負けたけどな、次は奈七永より上回るパッションで私が必ず勝つ! 中西百重さんを遥かに超えて、お前を倒しに行く」と断言。「だから、絶対また戦ってください」と素直に呼びかけた。

 さらに、キッドはセコンドについた百重に感謝の言葉を送ると、「こんなに近くで試合を見ていたら、こんな熱い戦いを見せられたら、負けたけど、試合したくなっちゃったんじゃないですか?」と問いかける。数年に一度リングに上がっているとはいえ、引退した身である百重は必死に固辞するが、キッドは「その気があるなら、私と一緒に組まずに、私の対角に立ってください。何なら、ナナモモで」と熱望した。

 さすがの奈七永も「メチャクチャだな」とこぼしたものの、キッドは「メチャクチャなのがSLKなんだよ! 新しい道を切り開いたほうが面白いんでしょ?」と言い張る。これには奈七永も「そうだな。新しい道は面白いな」と納得したようで、「試合をしてわかり合ったのかもしれない」とつぶやくばかり。タジタジになった百重だったが、奈七永とキッドを握手させて強引に試合を締めくくった。

 バックステージでも奈七永や百重と舌戦を繰り広げたキッドだったが、1人になるとこの試合に向けてのプレッシャーや最近の自分におかれた状況について涙ながらに悩める吐露した。そのうえで「新しく切り開くためにこの試合を利用したいと思った。勝てなかったけど、でも前に進んでいかなきゃ始まらないから。今回伝授してもらったモモ☆ラッチも含めて、次の5★STAR、何が何でも獲りにいきたい」と5★STAR GP獲りを宣言。「絶対もっともっとこういう熱い戦いをしたいから。キャリア8年目になるけど、七番勝負とかやっても面白いんじゃないかなって。ねえ、会社の方、どうですか? 私にもっと、熱い戦いをもっともっとやらせてください」と熱くアピールしていた。


【試合後の奈七永、キッド、百重】
▼奈七永「なんだよ、キッド。モモを無理矢理セコンドにつけたと思ったら」

▼百重「言いたい放題、やりたい放題だ」

▼奈七永「スゲェな」

▼キッド「私のためでもあり、奈七永への愛情でもあるだろ」

▼奈七永「そうなの?」

▼キッド「素直に受け取れよ」

▼奈七永「なんで? どこら辺が?」

▼キッド「余計怒りを買って、パッションしてくれたでしょ? 私に対して」

▼奈七永「おおおお」

▼キッド「だからさ、今日セコンドに百重さんが来てくださっただけで終わるのはもったいないでしょう。続きを作らないと。だから、私がさ、百重さん、次は一緒に組むんじゃなくて、私の対角に立つなんてどうですか? ナナモモで。奈七永もやりたいんじゃないの?」

▼奈七永「いや、やりたいとかじゃなくて。確かに奈七永対スターライト・キッドで、モモがそっちのセコンドにつくっていうのが一番頭おかしい話なわけ。なんでついたかしらんけど。結局、ナナモモなんだよ。ええい、ナナモモ! 後悔するなよ、お前。後悔するなよ、バカヤローが」

※奈七永と百重が去っていくと

▼キッド「奈七永はああやって、強がっているだけだよ。ナナモモ、今のスターダムのリングでできたら面白いんじゃないですか。周りから来たヤツら、ホイホイ過去の因縁をここでやってんじゃん? だったら私が見てきた全女のことだってここのリングでやってもいいでしょ? それは考えておいてもらって。今日負けた。悔しい。百重さんと公開練習をして、モモ☆ラッチを伝授してもらって、その他の技も伝授してもらって出し切ったけど、27年のキャリアがある高橋奈七永には、うるさい奈七永には何も通用しなかった。正直、私はこの試合が決まって、今は何もない。本戦で何もない私にこのカードが決まって嬉しかったけど、この試合が凄くプレッシャーだった。(涙ぐむと)この涙は上谷とワンダー戦をやった時の涙とは違う。悔しいのもあるけど、去年との差が自分の中で凄く大きくて、全然今のスターダムのリングの中心に食い込んでいけなくて。苦しくて、もがいて。だから、この試合はいろんなどんな言葉をかけられても、何が何でも全部プレッシャーの言葉に感じてしまって。どんなに苦しくても、つらくても、前を向いて突き進まなければ、このプロレスラーはやっていけない。だから、新しく切り開くためにこの試合を利用したいと思った。勝てなかったけど、でも前に進んでいかなきゃ始まらないから。今回伝授してもらったモモ☆ラッチも含めて、次の5★STAR、何が何でも獲りにいきたい。私はこういう熱い戦いが本当は大好きだし、プロレスが嫌いになりそうなこともあった。だけど、ずっと女子プロレスを見て育ってきたから、プロレスは嫌いになれない。絶対もっともっとこういう熱い戦いをしたいから。キャリア8年目になるけど、七番勝負とかやっても面白いんじゃないかなって。ねえ、会社の方、どうですか? 私にもっと、熱い戦いをもっともっとやらせてください」

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