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2/23【新日本】フィンレー陥落…ネメスが新日本初戦でGLOBAL王座戴冠、棚橋とのタッグ熱望

『THE NEW BEGINNING in SAPPORO』北海道・北海道立総合体育センター 北海きたえーる(札幌市)(2024年2月23日)
IWGP GLOBALヘビー級選手権選手権試合 ○ニック・ネメスvsデビッド・フィンレー×

 ネメスが新日本参戦初戦でフィンレーを下し、GLOBAL王座戴冠。翌日の札幌大会に向けて、棚橋弘至とのタッグ結成を熱望した。

 フィンレーは1・4東京ドーム大会でウィル・オスプレイ、ジョン・モクスリーとの3WAY戦を制し、IWGP GLOBALヘビー級王座の初代王者となった。試合後、リングサイドで観戦していた元WWEのドルフ・ジグラーことネメスと大乱闘。バックステージでもやり合い、両者のタイトルマッチが電撃決定した。

 ネメスはWWE世界ヘビー級王座やWWE IC王座など数々の実績を残してきた実力者で、2023年にWWEを解雇に。新日本初参戦の大物をBULLET CLUBのボス・フィンレーが迎え撃つ形となった。

 荒ぶるフィンレーは先に入場したネメスを背後から襲撃。激怒したネメスも強烈なトラースキックで報復すると、場外乱闘になだれ込み、荒れた幕開けに。フィンレーは馬乗りになって喧嘩腰に殴りつけると、ラフファイトを織り交ぜながらネメスを一気呵成に攻め立てた。守勢が続いたネメスだったが、バックドロップから反撃開始。ラリアットやネックブリーカードロップ、さらに10連続でエルボードロップを落としていく。場外ではフィンレーのみならず、外道もトラースキックで蹴り飛ばした。

 フィンレーはレフェリーの目を盗み、シレイリ(こん棒)で左ヒザを殴りつけて強引に活路。左足に集中攻撃を浴びせる。ネメスが飛びついてきても、キャッチしたフィンレーは無造作に場外へ投げ捨てた。ネメスはヒザを強打して倒れ込む。ネメスは這うようにリングに戻るが、そこにフィンレーはスピアーを一閃。カナディアン式フェイスバスターで叩きつけると、足4の字固めに捕獲した。

 悲鳴を上げたネメスだったが、耐えに耐えて執念のロープエスケープ。激しい罵声を浴びせて勝ち誇ったフィンレーは、ローリングエルボーをねじ込んだ。再び狙った4の字固めは防がれたものの、ラリアットで首を刈ると、強引にパワーボムを狙う。一度は防いだネメスだったが、膝に痛みが走り、急ブレーキ。すかさずフィンレーはパワーボムでぶん投げた。

 フィンレーは背後から側頭部にハンマーパンチを何発も叩き込むと、ヒザのサポーターを下げて絶叫。新兵器のオーバーキル(ブレーンバスター式ニーアッパー)を狙う。間一髪で背後に不時着したネメスは、フィンレーをコーナー金具に何度も顔面から叩きつけて制裁。飛びつきDDT、フェイマサーと惜しげもなく大技を連発した。

 必殺のデンジャーゾーン(旧名ジグザグ、飛びつき式ネックブリーカー)は不発に終わり、フィンレーがINTO OBLIVIONで試合を五分に戻す。2人は殴り合って感情をぶつけ合うと、フィンレーはオーバーキルの構え。防いだネメスは頭突きを返すと、フィンレーも頭突きで応戦する。ならばとネメスはトラースキックをズバリ。今度こそデンジャーゾーンをさく裂させて、3カウントを奪った。

 BULLET CLUBのボスをいきなり撃破し、ネメスがGLOBAL王座奪取。新日本参戦初戦でベルトを奪取する大仕事をやってのけた。喜びを爆発させたネメスはマイクを持つと、「まだ俺のことを知らなくても、これから深く知ることになるだろう。この王座はいつどこで誰と対戦することになっても防衛してやる。世界中どこであっても、俺がIWGP GLOBALヘビー級王者に相応しいことを死ぬまで証明し続けていく」と王者として所信表明。拍手で観客の支持を受けると、日本語で「アリガトウ、サッポロ」と叫んで締めくくった。

 感慨深げにベルトを見つめると、一旦リングを降りたネメスだったが、再び戻ると、改めてマイクを握り、「1つリクエストがある。俺はタナハシのファンで、とても尊敬している。もし明日の試合で、タナハシが俺のタッグパートナーになってくれたら、それほど光栄なことはない。どう思う?」と明日(24日)の札幌大会に向けて、棚橋とのタッグ結成を熱望した。

 オカダ・カズチカ、ウィル・オスプレイ、タマ・トンガと主力レスラーが新日本マットを去る中で、新顔のネメスが一発でGLOBAL王座を獲得し、新日本に新風を巻き起こした。そして、今大会でTV王座から陥落した棚橋に熱烈なラブコール。ネメスはセルリアンブルーのリングで何を生み出していくのか。

【試合後のネメス】

▼ネメス「(マスコミに向かって)何か質問はあるか?」

──いまどんな気持ち?

▼ネメス「今後の人生の最初の日という感覚だ。出来るかどうかわからなかった。自分が通用するのかどうか、自分を信じることが出来るかどうか。でも、リングにさえ戻れば、この王座(IWGP GLOBALヘビー級王座)を奪うチャンスを嗅ぎ取ることが出来ることはわかっていた。俺こそがこの王座に相応しいことを、俺はわかっていたんだ。これはフィンレーが持つべきものではなく、ファンや家族、現役の、もう亡くなった、もしくはこれから生まれてくる未来の世界中のプロレスラーにとって大きな意味を持つものなんだ。俺にとって全てなんだ! この王座はいつ、世界のどこであったとしても、誰と対戦することになっても、死ぬまで守り抜いてやる。俺はこの王座を信じている。それはこの俺こそが、世界最高のプロレスラーで、それをいつどこであったとしても証明し続ける。そして、新日本プロレスには、このチャンスを与えてくれたことに感謝したい。限られた世界に身を置いていたから、外の世界で自分を証明することがこれまでなかった。この5年間、俺自身まだ行けるのかわからなかった。新日本は、そのチャンスをくれた。俺自身がやりたいと言えば、まだ出来ることを言ってくれた。この20年間、俺が築き上げてきたものの集大成が今夜だったんだ。俺自身が終わりと言えば、そこで終わり、引退だってありえたんだ。フィンレーにはお礼を言わないといけないな。アイツが俺の顔に唾を吐きかけた時、俺は怒らなかった。アイツが俺に火をつけたんだ。そしてこの火はもう消えることはないだろう。この王座はこの先20年防衛し続けることになるかもしれない。墓場まで持っていってやる。そして、俺はベストよりも優れていることを証明してやる。俺はこのまま帰宅して、3カ月後にかかってくる次の対戦の連絡を待つ男じゃない。もしチャンスが欲しいなら、正々堂々と俺の目の前に姿を見せて、目を合わせ、対戦を望むことを伝えればいい。そして俺がその頭を蹴り落とさないことを祈るんだ!」

──新日本プロレスで初めての試合はどうだった?

▼ネメス「俺に出来るかどうかわからなかった。WWEでは俺がベストよりも優れていることを知っていた。だが、新日本プロレスでは、俺よりも強かったり、速かったり、俺よりも若かったり、経験値を持っていたり、ハングリーなヤツらがいるかもしれない。もしそんなヤツがいれば、俺に挑戦してこい。たった1試合の勝利ではおちおち寝ていられない。俺は年間365回の勝利が欲しい。この2週間、俺に出来るかどうかわからなくて、眠れないし食べれなかった。そして今夜、ここ新日本プロレスでの一戦が俺を変えたんだ。新日本プロレスをより高みに牽引する。俺が約束する。この王座を奪うためには死をも覚悟しないといけない。どこでもいい。かかってこい。ズタズタに打ちのめしてやる」


【試合後のフィンレー】

▼外道「(床にへたり込んだフィンレーに向かって英語で)ありえない、なんてことだ……!」

▼フィンレー「どれもこれも新日本プロレスのせいだ!」

▼外道「(英語で)その通りだ」

▼フィンレー「(仰向けに寝転がって)10日前、俺は新日本プロレス史上もっとも残忍なケージマッチで闘った。そして10日後、外から来たクソッタレを相手に王座防衛戦が組まれているなんてどう言うことだ!? でも……ニック・ネメスは俺に勝っていない。スチールケージが俺に勝ったんだ。UNITED EMPIREは負けた。ウィル・オスプレイも負けた。あのケージマッチの最大の勝者は……ニック・ネメスだ。それに加えて、今日、WAR DOGSが変わるという知らせを受けた。正直言って、この状況はクソ食らえだ! フ●ック!!」

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