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3/29【全日本】「もらってる期待がなくなるのが一番怖い。絶対に応える」 「約束」の三冠戦へ安齊勇馬インタビュー

 3・30大田区大会で三冠ヘビー級王者・中嶋勝彦に挑戦する安齊勇馬が「これで僕が負けてしまったら口だけだなとか、今もらってる期待とか全部がなくなるのが一番怖いので、絶対に皆さんの期待に応えたい」と危機感も抱きつつ至宝奪還を改めて「約束」した。

 春のビッグマッチ大田区大会のメインは安齊が王者・中嶋に挑む三冠戦。9ヵ月ぶり2度目の至宝ベルト挑戦となるが、安齊は「デビューしてから常に一定の期待とハードルがあって、その中で焦りとかいろいろ入り混じった感情でプロレスしてきたので。今はそんなに震えるほどのプレッシャーとか緊張とかがあるわけではない」と平常心。「バランスが取れたっていうか。永田さんに挑戦した時は気持ち100%。ガムシャラにとにかくって感じだったんですけど、今は気持ちももちろんありますし、その中で多少の余裕と試合に慣れたじゃないけど、プロレスを少し知ったっていうところがある」と前回と大きく変わったと実感もしている。

 中嶋とは昨年のNOAH8・19札幌大会におけるN-1 VICTORY公式戦で敗れて以来、7ヵ月ぶりの再戦。その時に「イチプロレスラーとして凄いな、強いなって感じる部分もたくさんあったし、カッコいいなともちろん思った」という。だが、今の中嶋には「確固たる強さがある」のは変わりないものの、「行動を見ていても何がしたいかわからないですし、マイクを聞いていても要約すると何が言いたいんだろう?ってこともよくあった」と疑問を感じずにはいられない。

 その中嶋が三冠王者に君臨する状況に安齊は「年末からずっといろいろゴタゴタしていて。それを見てる中で、やっぱり自分も『何なんだろうな、これ?』と。この現状が許せないというのがずっとあった」と不満を抱き続けてきた。だからこそ「全日本のためにやるしかない」と責任感は高まるばかり。そこには「どうしても(昨年12・31)代々木のあの期待感と、ガッカリ感といったら中嶋選手を応援してるファンには申し訳ないんですけど、やっぱり全日本が好きで、宮原選手がベルトを獲り返すのを見に来た人が、悲しそうに足取り重く帰る。そういうのは見たくない」との思いがある。

 これ以上、全日本ファンを落胆させたくない。そう願う安齊は「僕だけの挑戦じゃなくて、僕のことを応援してくれる人たち、全日本プロレスを応援してくれる人たちの気持ちも背負って」大田区決戦に出陣する。3・9後楽園大会の挑戦表明時、ファンに奪還を「約束」したが、改めて「ずっと応援してくれてるファンもいるので。その人たちに恩返しじゃないけど、期待に応えたい。(他のタイトルマッチは)どれをとっても面白くなるのは目に見えてるんで。必ず勝って、いい結果で大田区を締めたい」と誓ってみせた。

 「宮原選手、諏訪魔選手がベルトを獲り返したとしても、元に戻るだけというか、中嶋勝彦選手が来る前の全日本に戻るだけだと思ってるんですよ。僕がベルトを獲り返せば、良くも悪くも動いてきた全日本プロレスがさらに動くと思うんです」。そう確信する安齊は三冠初戴冠によって本当の意味での“ゼンニチ新時代"を到来させるつもり。タイトル戦線で負け続きの現状もあって「これで僕が負けてしまったら口だけだなとか、今もらってる期待とか全部がなくなるのが一番怖いので、絶対に皆さんの期待に応えたい」と危機感とともに誓った安齊は何として「約束」を果たす。

【安齊勇馬インタビュー】

――3・30大田区大会での三冠戦が迫った今の心境はいかがですか?

▼安齊「気持ちはずっと変わらないというか、全日本のためにやるしかないなって気持ちが日々日々強くなるって感じですね」

――3・9後楽園大会で挑戦表明した時はファンに奪還を約束しました。

▼安齊「そうですね。僕だけの思いじゃないっていうか。たとえばサイン会とかした時も『安齊、三冠頼むぞ』『獲り返してくれよ』って声かけてもらうことも多いので。僕だけの挑戦じゃなくて、僕のことを応援してくれる人たち、全日本プロレスを応援してくれる人たちの気持ちも背負ってるなという思いですね」

――挑戦表明に動いたのはそんな部分が突き動かしたと?

▼安齊「そうですね。年末からずっといろいろゴタゴタしていて。それを見てる中で、やっぱり自分も『何なんだろうな、これ?』と。この現状が許せないというのがずっとあったので、それでですかね」

――その疑問を解消するには自分で変えるしかないと?

▼安齊「僕が勝てなかったら、それがこのまま続いてしまうと思うので、僕が勝って元に戻すじゃないですけど、まずベルトを全日本に獲り戻したいですね。僕が思ってるのは例えば宮原選手、諏訪魔選手がベルトを獲り返したとしても、元に戻るだけというか、中嶋勝彦選手が来る前の全日本に戻るだけだと思ってるんですよ。僕がベルトを獲り返せば、良くも悪くも動いてきた全日本プロレスがさらに動くと思うんです。なので23年に入ったぐらいから散々ずっと言われてる新時代というものを体現するためにも、僕がチャンピオンになりたいなっていう思いですね」

――9ヵ月ぶり2度目の三冠挑戦になりますが、当然あらゆる面で前回との違いがあると思います。自分の中では特にどこが強みになったと思いますか?

▼安齊「何ていうんですかね。バランスが取れたっていうか。永田さんに挑戦したときは気持ち100%。ガムシャラにとにかくって感じだったんですけど、今は気持ちももちろんありますし、その中で多少の余裕と試合に慣れたじゃないけど、プロレスを少し知ったっていうところがあると思うので。前回の僕と同じ挑戦者だとは思わないでほしいですね。技一つとっても精度は絶対に上達してるはずなので、それを全部発揮してベルトを獲れればいいなと思います」

――安齊選手の目に王者・中嶋選手はどのように映っていますか?

▼安齊「最初に戦ったのがプロレスリング・ノアで北海道でやって。その時は僕が外敵っていうか他団体の選手でっていうのもあって、厳しく試合してもらったんですけど。その中でイチプロレスラーとして凄いな、強いなって感じる部分もたくさんあったし、カッコいいなともちろん思ったんですよ。今はプロレスは凄いんですけど、リングの上じゃカッコいいんですけど、それ以外は僕は好きじゃないというか。僕はプロレス自体もプロレス以外も…少しでもプロレスにかかわるイベントとかいろいろ全部楽しんでますけど、(中嶋は)それがわからないというか。僕が前に戦った中嶋選手とは変わっちゃったなというイメージですね」

――何がしたいのかわからない?

▼安齊「行動を見ていても何がしたいかわからないですし、マイクを聞いていても要約すると何が言いたいんだろう?ってこともよくあったので。それとは別でまた確固たる強さがあるので難しいですね」

――「8分で十分」、「安齊赤ちゃん」と完全に見下された発言もありましたね。

▼安齊「それは別に僕がリング外でベラベラ言って、ふざけんなって怒ったところで何も生まれないと思うので。チャンピオンが8分で倒すと思うんだったら、それはそれでいいと思うので。僕は思ったことをリング上で全部ぶつける。その8分もありますし、僕と終わったあと諏訪魔さんとタイトルマッチだとか、『諏訪魔出てこいよ』とか言ってますけど、まぁ、一言でまとめると、あんまナメんなよってところに尽きますね」

――大田区で勝って覆すしかないですね。

▼安齊「中嶋選手は良くも悪くもあれだけ注目が集まってるじゃないですか。その人に勝つことができれば、あの中嶋勝彦に安齊が勝ったんだと見てくれると思うんで頑張りたいですね。あんまり先のことを考えないことの方が多いんですけど、もしも僕が勝ってベルトを持ったとしたら、他の人が挑戦してくるわけじゃないですか。本気って言ったらあれですけど、タイトルマッチに全てかけてくるじゃないですか。そんな人と戦えると考えると、やっぱりベルトめっちゃ巻きたいですし、ワクワクしてます」

――大田区後にはチャンピオン・カーニバルを控えます。昨年も三冠王者の永田選手が出場せず、今回、中嶋選手が防衛すれば、2年連続で三冠王者不在という状況も生まれます。ファンの間でも三冠王者が出場すべきという声もありますが?

▼安齊「それは僕もそう思いますね。僕が勝ってチャンピオンベルトを巻いてチャンピオン・カーニバルに臨むので、そこは心配しなくてもって感じですね」

――三冠王者になったらどんなチャンピオン像を目指していきたいですか?

▼安齊「そうですね。僕は僕の可能性とか僕自身を信じてるんです。自分を下に見てないっていうか。もちろん100人が見たら100人分の意見がありますよね? 100人全員が認めるチャンピオンなんかいないと思うんですよ。その中でも僕はキャリアもプロレス界で見たら浅いですし、認めないファンも少なからずいると思うんですよ。僕がベルトを巻いたら、ベルトとともに成長していくっていうのが一つありますね」

――肯定派の割合を増やしていくと?

▼安齊「それもありますし、ずっと応援してくれてるファンもいるので。その人たちに恩返しじゃないけど、期待に応えたいですね。大田区というビッグマッチを迎えるにあたって、どうしても代々木のあの期待感と、ガッカリ感といったら中嶋選手を応援してるファンには申し訳ないんですけど、やっぱり全日本が好きで、宮原選手がベルトを獲り返すのを見に来た人が、悲しそうに足取り重く帰る。そういうのは見たくないというか。大田区のカードを見てみても、ライジングHAYATOとMUSASHI選手、世界タッグも諏訪魔さん&秀樹さんvs斉藤ブラザーズ。どれをとっても面白くなるのは目に見えてるんで。必ず勝って、いい結果で大田区を締めたいなと考えてますね」

――緊張とかプレッシャーは感じていますか?

▼安齊「プレッシャーなんかは慣れたわけじゃないですけど、もう慣れましたね(苦笑) デビューしてから常に一定の期待とハードルがあって、その中で焦りとかいろいろ入り混じった感情でプロレスしてきたので。今はそんなに震えるほどのプレッシャーとか緊張とかがあるわけではないですね。最近、世界タッグに挑戦して負けて、ベルト返上された時も決定戦で負けてしまって、DDTのKO-Dタッグでも負けて。これで僕が負けてしまったら口だけだなとか、今もらってる期待とか全部がなくなるのが一番怖いので、絶対に皆さんの期待に応えたいなと思いますね」

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