6/12【Fortune Dream】熱戦メイン20代対決は青柳に凱歌 小橋が来年の第10回大会開催を約束
『Fortune Dream 9』後楽園ホール(2024年6月12日)
○青柳優馬&田村ハヤト&タイタス・アレクサンダーvs安齊勇馬&エル・リンダマン&佐藤嗣崇×
次代を担う20代が揃った6人タッグマッチは熱戦の末に青柳が佐藤を沈めて激勝。試合を満足げに見守っていた大会プロデューサーの小橋建太は来年の第10回大会開催を観客に約束した。
メインイベントは今後のプロレス界を担う20代のレスラーが並び立った6人タッグマッチ。田村&青柳&アレクサンダーと安齋&リンダマン&佐藤が対戦した。全日本所属の安齋は現三冠王者で、青柳は元三冠王者にあたる。GLEAT所属の田村はG-REX王座を保持しており、3日前にリンダマン相手に5度目の防衛を果たしたばかり。そこにNOAHで確かな存在感を発揮しつつあるアレクサンダー、ZERO1のトップ戦線で活躍する佐藤が加わる豪華な顔合わせとなった。
試合は安齋と田村のチャンピオン対決で幕開け。序盤から熱戦に。田村組がリンダマンを攻めて主導権。リンダマンは「ちょっとは助けに来いよ」とぼやくが、青柳は「お前は見捨てられたんだ」と嘲笑する。「俺ひとりでなんとかしてやる」と叫んだリンダマンは粘りを発揮して、自力で挽回。試合はさらにヒートアップした。
再び安齋と田村が対峙すると、エルボー合戦で火花。田村がパワーで押しきりにかかるも、安齋はドロップキックで抵抗する。負けじと田村はラリアットやダイビングショルダーでたたみかけると、あとを受けてアレクサンダーも躍動。変則的な動きで安齋を翻ろうし、パッケージ式バックブリーカーでどよめきを巻き起こした。しかし、三冠王者も引かず。カウンターのジャンピングニーで痛み分けに持ち込む。
ここがチャンスと飛び込んだ佐藤は、躍動感溢れるブレーンバスターやオクラホマスタンピードなどでアレクサンダーを追い詰める。しかし、ラリアットをかいくぐったアレクサンダーはハンドスプリング式飛びつきダイヤモンドカッターで逆転。いい場面で青柳にスイッチした。
青柳は田村&アレクサンダーと連係へ。連続串刺し攻撃から青柳はダイビングエルボードロップを投下する。田村とアレクサンダーが分断に動くと、青柳はコーナーへ。リンダマンが足止めすると、息を吹き返した佐藤は雪崩式ブレーンバスターをズバリ。安齋&リンダマンはダブルジャンピングニーの構えに。いきなりの連係は上手くいかなかったが、リンダマンはコーナーからダイビングニーに切り換えて好フォロー。佐藤はこん身のラリアットを連続して叩き込んだ。しかし、青柳はギリギリでキックアウト。田村がラリアットで活路を開き、アレクサンダーがトペコンヒーロで続くと、復活した青柳はロックスターバスター、THE FOOLとたたみかけて佐藤を葬った。
20代対決は青柳に凱歌。試合後、三冠王者・安齋とG-REX王者・田村がベルトを肩にかけて視殺戦を繰り広げる。大会プロデューサーの小橋はリングインして各選手の労をねぎらうと、「皆さん、どうでしたか? 来年Fortune Dreamも10回目を迎えます。来年も必ずやります。皆さん、必ず注目してください」と次回大会開催を約束。メインに出場した6人とともに、握り拳をつくって「オー!」と雄叫びを上げた。最後に出場選手がリングに集結し、記念撮影に。小橋は「『Fortune Dream 10』でお会いしましょう」と締めくくった。
小橋が次回大会開催を表明したことで、メインで勝利した青柳をはじめ、各選手がさっそく次回大会出場に名乗り。試合後の総括でFortune Dreamの雰囲気と熱に手応えを示した小橋は「今日は(井浦)新さんのファンで、初めてプロレスを見た人が多かったと思うので、そういう人たちももっともっと巻き込んで、広げていきたい」と意気込んでいた。
【試合後の青柳&田村&アレクサンダー】
▼青柳「ありがとうございました。(アレクサンダーに)サンキューベリーマッチ」
▼田村「センキュー」
▼青柳「タイタス、ベリー・ハイね」
▼田村「いや、凄い」
▼青柳「スゲェ高え」
▼田村「凄い選手がまだまだいっぱいいますね。最後はしっかりと。青柳さん、ありがとうございます」
▼青柳「悪目立ちして終わってしまいました。小橋さん、大変申し訳ございません。来年のFortune Dreamは10回目ということで、僕は実は3年前からずっとメインイベントで、ようやく3回目のメインイベントで勝利することができました」
▼田村「素晴らしい」
▼青柳「10回目もいくぞということで、よろしくお願いします」
▼田村「僕もね、今回2回連続で出させてもらったんで、来年はメインで僕がキッチリラリアットで仕留めますよ。ありがとうございました」
【試合後の安齊&リンダマン&佐藤】
▼佐藤「負けたけど、このFortune Dream、小橋さんの前でしっかりラリアットを見せれた。まだまだ次の10回、11回、もっともっと小橋さんのようなラリアットに進化して、また戻ってきます」
▼安齊「今日、こうして小橋さんに呼んでいただいて、小橋さんの前で三冠チャンピオンとして試合ができて、とても楽しかったです。また次、Fortune Dream、10回、11回って僕も呼んでいただいて、ぜひこのリングでまた戦いたいです。今日はありがとうございました」
▼リンダマン「安齊君、チャンピオンだから素晴らしいと思ったけど、まだまだジャンピングニーの高さが足りないから、いっぱい修行して、もっと高いジャンピングニー、次のFortune Dream10でお客さんに見せてあげてくださいよ。俺みたいなジャンピングニーを目指してな」
▼安齊「ちょっと勘弁してください」
▼リンダマン「おお! クビになっちゃったよ。じゃあ次はFortune Dream、エル・リンダマン一人で参戦だ!」
【小橋の総括】
――9回目のFortune Dreamを終えて率直な感想は?
▼小橋「熱い。みんな本当に熱い試合をしてくれるからね。本当に楽しみになってくる。みんな1試合目から熱い戦いができていて、凄くいい雰囲気というか。選手もやりやすそうだしね。そういういい雰囲気を出して。Fortune Dreamはそういう空間になっていて嬉しいよ」
――次は10回目の大会になるが、それに向けての意気込みは?
▼小橋「10回目というのは節目でもあるので。最初やり始めた時は何回できるかわからなかったんですけど、もう今年で10年目という節目を迎えて。次は10回目。コロナで開催できない時期もあったし、でも次は10回目を数えることになって。今日は(井浦)新さんのファンで、初めてプロレスを見た人が多かったと思うので、そういう人たちももっともっと巻き込んでいければ。今日見て面白いと、プロレスをまた見たいと言ってくれている人が撮影会の時にいらっしゃったので、そういう人たちをもっともっと巻き込んで、広げていきたい」
――プロレスファン以外の外のファンも引き込めるような仕掛けをしたいと
▼小橋「もっとプロレスを好きになってくれるように。僕にとっても今日は挑戦というか。プロレス界以外の人と初めてトークバトルしたので。初めての挑戦だったんですけど、それがいい方向に進んでいるんじゃないかなと」
――印象に残った試合、選手は?
▼小橋「セミファイナルはよかったね。メインもよかったんだけど。そうなると全部よかったと思うし。今日のベストバウトを挙げるとしたら、セミかな。(記者にどの試合がよかったかを聞き、里村の動きが良かったという意見が出ると)ずっと体調どうって聞いてたら『大丈夫です。仕上がってます』と。そういう連絡を受けてたんで、今日のリング上の姿を見て、いい具合に仕上がってるなと改めて感じました。(安齋についての質問を受けると)安齋はこれからまだまだ上積みが。チャンピオンなんだけど、まだまだ伸びていく。彼は性格も素直じゃないかな。だから、まだまだ伸びていく余地はあるし、チャンピオンとしていろんな経験をしていけば、もっともっとプロレスラーとしても人間としてもよくなっていくと思うし、楽しみな人材ではあると思う。セミもメインもよかったよね。1試合目も面白かったし。お客さんがよかった。みんな乗ってくれてね。本当に皆さんに感謝です」