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　『夏休みの思い出2024 TOUR in YOKOHAMA』が17日、神奈川・横浜ラジアントホールで行われ、青木真也がKO-D無差別級王座戦へ向けた最初で最後の前哨戦に快勝。王者・上野勇希は「いつでもどこでも挑戦権」を行使したアントーニオ本多との緊急王座戦を制し、7度目の防衛を果たした。

　8・25後楽園大会でKO-D無差別級王者・上野に青木が挑戦する。この日、第3試合終了後に公開調印式が行われた。青木は「泣いても笑っても1週間。必死になって、あと1週間頑張りたい」と万全で臨む構え。この日、組まれた最初で最後の前哨戦を前に「単純に怖いです。楽しい気持ちは全くなくて。だからこそ、できたら今日潰したい」と予告した。

　迎え撃つ王者・上野は「青木さんとはこの後メインイベントで戦うところから始まり、来週にはタイトルマッチで戦います。『いつでもどこでも挑戦権』がある限り、そこまでたどり着けるか分かりませんけど、『いつでもどこでも挑戦権』を持ってる全員がこのベルトと僕に挑戦してきてほしいと思ってるし、僕たちにはその価値があると思っています」と豪語。一方で「それと同じくらい、上野勇希として青木真也は価値があります。すべてにおいて価値があります。今日も来週も全力で行きます」と一目を置いたうえで意気込んだ。

　そしてこの日のメインで上野がTo-y、青木が彰人とそれぞれ組んでの前哨戦に臨んだ。緊張感たっぷりのレスリングの攻防を展開し、青木が足4の字で絞め上げれば、彰人も足攻めで応戦。青木がチキンウイングフェースロックを狙うと、To-yがカットに入るも、上野はこれを拒否して青木との勝負にこだわった。

　青木は押さえ込みを連発してコントロールにかかり、フルネルソン、スリーパーで絞め上げたが、逃れた上野はスープレックスで応戦。代わったTo-yもエルボー、チョップで攻め立てたが、仁王立ちした青木は腕ひしぎ逆十字を狙う。上野がカットに入り、エルボーを連打しても、青木は強烈なエルボーを叩き込んで返り討ち。To-yに容赦なしの顔面蹴りを叩き込んで3カウントを奪い、唯一の前哨戦を制した。

　試合後、「いつどこ」保持者の一人である本多が現れた。「2024年はいい年だった。年明けからアントーニオ本多復活の運気が高まっている。UNIVERSALチャンピオン・MAOとの2回のシングル戦、勝俣瞬馬とのEXTREME戦。そして俺は今転ばずに立っている。なぜ転ばずに立っているかというと、これをアレするためだ」と切り出すと、「お前はここで戦うのにふさわしい素敵な相手だ。今から俺がこれが最後の試合になってもいいと思ってる46歳のオジサンが、この若者を倒してKO-D無差別級チャンピオンになる。その俺を見届けてくれ」と上野に宣戦布告し、「いつどこ」を行使。本多が王者・上野に挑むKO-D王座戦が緊急決定試合として行われることになった。

　普段はコミカルファイトが身上の本多だが、この日ばかりはシリアスモード。上野を相手にレスリング勝負を展開した。上野がプランチャ、フロッグスプラッシュを繰り出せば、本多もバイオニックエルボー、卍固めで応戦。ドロップキックを叩き込んだ上野は本多がグラウンド卍固めで絞め上げてもギブアップせず。激しいどつき合いから本多がトラースキックを放ったものの、上野がドロップキックを顔面に見舞って3カウントを奪った。

　上野が緊急王座戦で本多を返り討ちにし、KO-D王座7度目の防衛に成功。「最高の男でした。『いつどこ』が復活して、チャンピオンとして受けて立つのが夢だった。いつでもどこでも挑戦できる気軽なものじゃないんです。勇気をもって使って、勇気をもって受け止める」と振り返った上野は「DDTのリングはいつでもどこでもどこよりも一番おもろい」とキッパリ。「KO-Dのチャンピオン上野勇希、DDTのおもろさに負けてないんかって。もっといけんのかって。足りてないよね」と自己分析し、「だから青木真也に勝つよ。青木真也に勝ったら、もっとおもろくできるよ。上野勇希は止まってられない」と言い切った。

　上野の緊急防衛を見届けた青木は「特に言うことはないです。あと1週間かみしめてやるだけ」と意に介さず。「(上野は)この試合やった後に、もう1試合やってるんだから、責任感という強さはあります。普通だったら、ひっくり返されて獲られちゃうと思うんです。ここで残してくれたのはさすがだなと思います」と評した。