9/3【TAKAYAMANIA】高山善廣が涙の7年ぶり“リング復帰" 鈴木との緊急マッチ実現も「立てないのが悔しかった」
『TAKAYAMANIA EMPIRE 3』後楽園ホール(2024年9月3日)
高山善廣vs鈴木みのる
帝王・高山善廣が7年4ヵ月ぶりにリングに登場。盟友・鈴木みのるとの緊急試合が実現したものの立ち上がれず。鈴木から「絶対にあきらめんなよ!」とエールを送られた帝王は「本当に立ち上がりたかったけど、まだ無理だった。すごく悔しかった」と涙を流した。
2017年5月4日、DDT豊中大会で首を負傷し、頸髄完全損傷の重傷を負った帝王。首から下がマヒ状態の苦境の中、ゴールの見えない戦いを続けてきた。
そしてこの日、5年ぶり3度目の支援大会が実現。メインで盟友・鈴木と柴田が27分18秒の激闘を繰り広げた。試合後、鈴木が「久しぶりのTAKAYAMANIA、みんなどうだった? それが当たり前だよ。お前たちの元気、俺たちの元気を高山に届けるために時間とお金を割いて、ここに集まったんだもんな。みんな最後にやりたいだろ? いくぞ…」と締めに入ろうとしたかに思われたが、「と思うだろ? そんなわけねえだろ。今日のスペシャルゲストは高山善廣!」と呼び込んだ。
場内にテーマ曲[DESTRUCTIVE POWER」が流れる中、車イスに乗った高山が現れた。場内は割れんばかりの大歓声。そして大・高山コールに包まれた。選手たちによって車イスを持ち上げられて帝王が7年4ヵ月ぶりにリング登場を果たした。
武藤敬司、小橋建太、桜庭和志らとの再会も実現。集合写真に納まると、リングに残ったのは鈴木と高山のみとなった。両者が対角線に対峙する中、急きょ両者による一騎打ちが実現することに。「帝王・高山善廣!」とリングアナからコールされると、高山は7年4ヵ月ぶりとなる“復帰戦”のゴングを聞いた。
鈴木は「来いよ。来てみろよ、このヤロー!」とゲキを飛ばす。しかし高山は動けない。「おめえが立てねえんだったらよ、この勝負、お預けにしてやるよ。その代わりな、てめえが帰ってくるまでお前のことずっと待ってるからな」とメッセージを送った鈴木は「何が帝王だ。今のプロレスの王はこの俺、鈴木みのるだ! 悔しかったら立ち上がって、俺の顔蹴飛ばしてみろ、このヤロー!」と心の底から叫んだ。
そして終了を告げるゴングが鳴らされた。高山の7年4ヵ月ぶりのリングはノーコンテストに終わった。帝王のもとに歩み寄った鈴木は「絶対にあきらめんなよ!」と語りかけて一礼。高山の目には涙が光った。
最後に鈴木が「さあ本人がそろったところでやりてえよな?」と投げかけ、帝王にマイクを向けた。「みんな、今日はありがとう!」と感謝した高山に大歓声が降り注ぐと、鈴木が「お前ら準備しろ、いくぞ!」と合図。そして高山が「最後にいくぞ、ノーフィアー!」と声を振り絞って叫んで締めた。
大・高山コールの中、高山は7年4ヵ月ぶりのリングを降りた。バックステージに引き揚げ、「自分の足では降りてないんで、まだまだそれは叶わないんで。まずは上がってあいさつできたことは少しホッとしてます」と振り返ったものの、「立てないのが悔しかった。本当に立ち上がりたかったけど、まだ無理だった。すごく悔しかったです」と話した。とはいえ、歳月を経てようやくリングに上がったのは大きな一歩。帝王は選手たち、集まったファンからの支援を糧にまだまだ続く過酷な戦いに挑む。
【試合後の高山】
▼高山「立てないのが悔しかった。本当に立ち上がりたかったけど、まだ無理だった。すごく悔しかったです」
――このような形でリングに上がった気持ちは?
▼高山「まだ自分の足では降りてないんで、まだまだそれは叶わないんで。まずは上がってあいさつできたことは少しホッとしてます」
――鈴木選手と戦う目標ができて糧になる?
▼高山「あの二人(鈴木と柴田)のカードはホントに今、アメリカでやりたくてね、しょうがないカードなのに、こうやってやってくれて本当に感謝しかないですね。もったいないぐらいありがたいです」