【QUINTET】桜庭が新グラップリングイベント『QUINTET』立ち上げ 第1弾大会4・11両国で4チーム参加の団体戦1Dayトーナメント開催 2018/2/1

 桜庭和志が代表を務める株式会社ラバーランドが1日、都内で会見し、新グラップリングイベント『QUINTET』の立ち上げを発表した。5人1組で争われる団体戦で、4・11両国国技館で第1弾興行を開催。桜庭和志、ジョシュ・バーネットを中心とした「HALEO Dream Team」を筆頭とする4チーム参加による1Dayトーナメントが行われる予定で、石井慧の出場も決定。さらに宇野薫も名乗りを上げた。

 “IQレスラー"桜庭が自身初となる格闘技イベントを立ち上げる。その名は「QUINTET」だ。そのために新会社ラバーランドを設立し、桜庭自身が代表に就任。この日、都内で会見が行われ、新イベントの概要が発表された。

 QUINTETは打撃なしのグラップリングルールによる団体戦がコンセプト。5人1チームで、柔道形式の勝ち抜き戦で争うものだ。第1弾として4・11両国大会の開催が決定。同大会では4チーム参加による1Dayトーナメントが行われる予定だ。出場するのは桜庭、バーネット、所英男、中村大介、マルコス・ソウザからなる「HALEO Dream Team」を筆頭に、「POLARIS Dream Team」、「SAMBO Dream Team」、そして元柔道五輪金メダリスト・石井慧が属する「JUDO Dream Team」。あの宇野薫も「POLARIS Dream Team」の一員として出場の名乗りを上げた。

 1チームの総体重が430kgに制限され、勝敗は絞め・関節技による一本のみで決せられる。ヒールホールドが禁じ手となり、クロスガード(下になった選手が両足で相手の体を挟んでガードすること)には時間制限を設けるつもり。それも全ては寝技の攻防で頻繁に見られるこう着状態を可能な限り避け、「見てるお客さんにわかりやすく伝わる」ことが目的。ルールについては現在、柔術連盟の会長でもある中井祐樹氏に相談し、これから煮詰めていくつもりだ。

 桜庭は今年8月に格闘家人生25周年を迎える。記念イヤーとなる今年、新たな格闘技イベントを立ち上げることになり、「今後はグラップリングのイベントを柱に、アマチュアの育成にも力を入れ、世界のスポーツ界の発展に少しでも寄与できれば」と誓うばかり。QUINTETは今年3回の開催を予定しており、「今のところグラップリングのイベントの人気が高いロンドンとアメリカでの開催を考えています」という。出場チームについても「レスリング選手もバランスとかパワーとか凄いので、そういう人たちが絞め技だったり関節を覚えれば凄く強いと思いますので、そこは出てほしい」と希望し、他競技からの参加も募った。

 大会最高顧問には元プロレスラーで衆議院議員の馳浩氏が就任。イベント&映像製作はももいろクローバーZの演出を手がける演出プロデューサー・佐々木敦規氏が担当する。4・11両国大会の模様はAbemaTVで生放送される。

☆4/11(水)東京・両国国技館『QUINTET1-Grappling Team Survival Match-』17:30開場、18:30開始(予定)

[1Dayトーナメント出場チーム]
▼HALEO Dream Team
桜庭和志
ジョシュ・バーネット
所英男
中村大介
マルコス・ソウザ

▼POLARIS Dream Team
グレゴー・グレイシー
チャールズ・ネグロモンテ
クレイグ・ジョーンズ
ダン・ストラウス

▼SAMBO Dream Team
テオドラス・オークストリス
マリウス・ザロムスキー
ミンダウガス・ベルツビカス
ミキータ・ミフノ

▼JUDO Dream Team
石井慧
ユン・ドンシク
チョン・ブギョン

[主要ルール案]
・1チーム5人
・総体重430kg
・絞め・関節技の一本のみ
・無差別
・10分1本勝負
・5分1本勝負(体重差20kg以上)
・延長代表戦完全決着ルール
・ラッシュガード着用

[禁止事項]
・ヒールホールド
・クロスガード(時間制限ブレイク)
・消化不良決着
・消極的膠着


【会見の模様】
▼桜庭「このたび僕が初めて主催イベントをやるということで、多くの皆様にご協力いただき、ラバーランドという会社を設立することができました。ご賛同いただいた株主の方々にこの場を借りて御礼申し上げます。今後はグラップリングのイベントを柱に、アマチュアの育成にも力を入れ、世界のスポーツ界の発展に少しでも寄与できればと考えています。このあとイベントの詳細を発表させて頂きますが、今年は日本での開催を皮切りに3回のイベントをを予定しています。今のところグラップリングのイベントの人気が高いロンドンとアメリカでの開催を考えています。また、アマチュアの大会も準備を進めていて、日本全国、さらには世界各国でQUINTETが広まっていくことを目指しています。そして第1回目の大会で僕ら5人のチームのチームスポンサーになっていただいたHALEOさんにも大変感謝しています。HALEOの名前を背負って5人で精一杯戦いたいと思いますので、皆さん応援よろしくお願いします」

▼所「今回このチームHALEOに桜庭さんから声をかけていただいて、チームに入れていただいて本当にうれしく思っています。団体戦というのをやるのが初めてで、想像するだけで楽しみなんですが、チームの方に迷惑をかけたくないなという気持ちが凄く強いです。世界の大きな選手と戦うことになると思いますが、体の小さい自分がハツラツと動いて盛り上げられたらなと思います。よろしくお願いします」

▼中村「今回こういう凄いワクワクするような大会のメンバーに選んでいただきまして、15年間腕十字にこだわり続けて本当によかったと思っています。試合の当日も今までどおり自分の理想とするプロレスリング、腕十字ももちろん狙って、どんどん盛り上げていきたいと思いますのでよろしくお願いします」

▼ソウザ「桜庭さんのチームに入ってうれしいです。ベストを尽くすことを約束します。これからハードな練習になると思います。練習を頑張ろうと思います」

――ルールについて

▼桜庭「ルールはですね、基本大雑把な感じで今決まってきてるんですけど、5人で420kgか430kgぐらい。総体重がですね。選手に負担のないように自然な体重でできればと思っています。柔術連盟の会長さんの中井祐樹さんにルールに関していろいろ相談しているところで、レスリングや柔道、柔術系の人たちも思い切り戦えるような感じにしていきたいと思います」

――寝技は伝わりにくい部分があるが?

▼桜庭「基本ヒールホールドは分かりづらいので禁止しようかなというのと、クロスガードはしてもいいけど、時間制限しようかなという感じで考えてます。K-1とかでムエタイでヒジ打ちとかあるじゃないですか。ムエタイのヒジ打ちとか首相撲は強いと思うんですけど、ヒジでカットしたりとか、そういうのってわかりづらいと思うんですよね。そういうのでK-1ルールというのができたと思うので。見てるお客さんにわかりやすく伝わるようには考えています」

――クロスガードの時間制限も膠着を防止するため?

▼桜庭「そうですね。やってもいいですけど、そういうテクニックもありますけど、時間無制限でやるわけじゃないので、ちょっとだけ時間を制限してというのは考えてますね」

――レスリングなど他競技の参加について

▼桜庭「そうですね。レスリング選手もバランスとかパワーとか凄いので、そういう人たちが絞め技だったり関節を覚えれば凄く強いと思いますので、そこは出てほしいなというのはありますね」

――バーネットについて

▼桜庭「ジョシュと何回か練習したことあるんですけど、いろんな練習方法だったり、たとえばアキレス腱固めにしてもいろんなパターンを知ってるんで。それで体もでかいので、結構いい感じの仲間になれると思います」

▼所「団体戦ということで、こんなに頼もしい方いないなという感じで思っています。うれしいなと思っています」

▼中村「さっきも言ったんですけど、自分の理想のプロレスを持ってまして、それがジョシュ・バーネット選手がやっているキャッチ・アズ・キャッチ・キャンというのを自分も理想としているので、そのへんを勉強したいと思っています」

▼ソウザ「今チームに入れて、あの人についてはうれしく思っています」

――柔道チームについて

▼桜庭「ユンはPRIDEの頃から一緒に練習して凄く寝技のうまい、僕とは違ったパターンの十字の取り方をする選手で、時々あれどうやって入るのって技術面を聞いたりとかしてたんですけど、今回やるということで、ユンに柔道チームを作ってくれないかという話をして今いろいろ探してもらってますね」

――ブギョンについて

▼中村「DREAMでチョン・ブギョン選手とやったんですけど、腕十字対決って行ってたんですけど、右ストレートでKOしちゃったんで、もし当たることがあったら今度はまた腕十字狙いまくって極めたいと思います」

▼石井のコメント「石井慧です。今回はこのようなオファーをしていただき、ありがとうございます。僕は今、クロアチアで血のにじむような練習をしております。激しい練習をするあまり、たくさん汗をかき、それが原因で乾燥肌になってしまいました。今回は抜き試合、チーム戦ということでとても面白いコンセプトだなと思ってます。僕が抜き試合、チーム戦を経験したのが高校生の時で、その試合が僕が最もうれしかった勝った試合でもあります。チームで戦うというのは個人戦にない喜び、感動があると思ってます。僕はもともと柔道の時から堅実に戦うタイプで、個人戦の時はポイントを先に取ったら、守ったり、あまり冒険を犯さなかったり、勝てばいいやという感じだったんですけど、チーム戦の時は前(の選手)が取られたりしたら無理してでも自分が一本取らなきゃいけない。自分の負けが直接チームの負けにつながってしまう。個人戦にはない駆け引きがチーム戦にはあるんで、そこも一緒にみてもらえれば面白いんじゃないかなと。前が取られて後ろがあせって取りにいかないといけない。でもあせってるから逆に取られやすくなるとか、チーム戦にはいろいろあるので、僕はチーム戦ならではで面白いんじゃないかなと思ってます」

▼桜庭「たぶんチームの編成だったりもわかってやってると思うんで。石井選手はジョシュと練習したことあるみたいで、寝技が強いと聞いているので楽しみですね。石井選手にちょっと作戦聞いてみようかなとか思ってます。こっち側の。経験者なんで」

――サンボチームについて

▼桜庭「みんなサンボの大会の結果とか、ヨーロッパチャンピオンだったり、コマンドサンボのチャンピオンだったり、そういう感じなので強いと思います。ザロムスキーの件に関してですね、打撃じゃないの?って聞いたんですけど、よくよく聞いたら寝技も凄く強いみたいなんで、たぶんサンボやってたんじゃないですかね。それで選んできたと思いますけど。この間、タックル入った時に耳取れちゃったんで、あいつの耳取ってやろうかなと思いますね。打撃がないので」

――ポラリスチームについて

▼桜庭「グレゴ・グレイシー選手は高校の時にレスリングで全米チャンピオンにもなったみたいな感じなので、結構立ち技とかも強いと思います。あと他の人、ジョーンズ選手はレジェンドの選手に一本勝ちしてるとか。結構このポラリスチームも侮れないというか。どんな関節技が出てくるのかなんて楽しみがありますね」

――グレイシーと聞くと所選手も燃えるのでは?

▼所「そうですね。自分もグレイシー一族の方とは3回試合させていただいて、一昨年のRIZINの大会ではチョークスリーパーで負けてるので、そういう意味ではやり返したいなというのはあります」

▼宇野のコメント「出たいですね。出てみたいですね。そういった経験も久しぶりなんで。団体戦というのは。できれば僕はチームポラリスで出てみたいですね。日本チームじゃない。何で日本人なのにあっち側にいるんだっていう感じの方が面白いかなと」

――宇野の参戦表明について

▼桜庭「さっきちょっとそういうことを言ったりしてたんですけど、まさか出たいと言ってるとは思わなかったんで。今知った感じですね。(隣の所に耳打ちして)他の人にも相談しないとですね。(4人で伝言ゲーム状態となり)すいません、まとまりました。まだジョシュに聞いてないので、ジョシュに相談してみます」

――所選手は宇野と一緒に練習しているが?

▼所「今週火曜日も一緒に練習させていただいたんですけど、まさかそんなことになるとは思ってなかったんで、凄くびっくりしてます」

――両国という大会場で観やすくする工夫はどのように考えている?

▼桜庭「それは相撲とかを見ていてもたぶん両国は見やすいと思うので。日程的にはそこしか取れなかった感じですけど、何とか頑張って。上から見る感じなんで凄く見やすいとは思うんですけどね。あとは僕らがわかりやすいように動くというか、そういうのもありますし」

――4チームの出場順はどんな形で発表する?

▼桜庭「それは考えてまして、いろいろ案がありまして、あれがいいとか、これがいいとか。選手を一気にボンと出すのがいいのか、それとも一人ひとり出していくのがいいのか、そういうのもどっちがいいのかなって感じで。柔道式だと5人ボンと一気に出るじゃないですか。イベントのことを考えたら一人ひとり出た方が面白いかなとか、次、誰が出てくるんだろうというのもありますし」

――代表戦になった場合の決着法は?

▼桜庭「決着法は考えてるんですけど、取りきるまでいくか、時間を決めちゃうか、そこもいろいろ案があって考えてますね」

――ヒールホールド禁止の理由は?

▼桜庭「ヒールホールドは見てるお客さんがわかりづらいし、やってる方もそうなんですけど、力の加減でヒザがぶっ壊れちゃうんですよね。一応トーナメントでやるつもりなので選手がぶっ壊れちゃったら5人チームが4人になっちゃったりするじゃないですか。そういうのも考えてホントあれは力の加減でヒザがぶっ壊れやすいので、そこだけはなしにさせてもらって。ヒールの形に入るのがうまい選手がいるのであれば、ヒールから別のパターンを作るってこともできると思いますし」

――大きい選手とどんなふうに戦いたい?

▼所「自分も大きな選手と試合させてもらったりとか、練習させてもらったりとかというのがあって、5キロ、10キロ大きいと勝つのが難しくなってくるのはわかってるんですけど。まずは一本取らせないという戦いと、自分もチームに入れたいただいたからには魅せる試合も頭に入れて頑張って、結果一本取れていれば最高だなという感じですね」

――気になる選手は?

▼桜庭「僕は一応全員に興味があって。たとえば柔道チームだったりとかポラリスチームってなんとなく大雑把なイメージはついてるんでしょうけど、一人ひとり戦い方は違うと思いますので、そういう意味では全員に興味がありますね」

▼所「どの選手も強くて大きいというのがあると思うんですけど、僕はサンボの選手と試合したことがあまりないので、凄く技術的にも興味がありますので、やってみたいなというのがあります」

▼中村「自分もサンボの選手ってやったことないんで、自分が好きだったリングスでコマンドサンボというのを見てきたので、体験してみたいのがあります」

▼ソウザ「特定の誰かというのはあまり考えないようにしています。今集中するのは自分のベストを尽くすことと、自分のためではなくチームのメンバーやサポートしてくれているみんなのためにベストを尽くしたいと思っています」

――イギリスとアメリカで大会をとのことだが、この4チームで回る?

▼桜庭「いや、大会ごとによってチームが変わる可能性もありますし、増えるかもしれないし。5チームになったりとか、別のチームだったりとか、増えていくのもいろんなカラーが出てきて面白いと思いますので。サッカーチームとか野球チームでも構わないです。バスケットチームはそのまま5人ですし。全然構いません。面白くなればいいと思ってるので」