【大谷晋二郎エイド】大谷本人が魂のメッセージ「一緒に頑張ろう!」 大谷エイドに各団体集結 2022/6/4

『押忍PREMIUM ONE TEAM ZERO1! 大谷晋二郎エイド!!何度でも立ち上がれ!』東京・大田区総合体育館(2022年6月4日)

 頸髄損傷でリハビリ中の大谷晋二郎にエールを送る大会『大谷晋二郎エイド!!』がプロレス各団体が集結して行われ、ZERO1を含む17団体58選手が集結。エンディングでは大谷本人から届いた「みんなみんな一緒に頑張ろう!」という“魂のメッセージ"が代読され、熱き男の復活を祈ってZERO1、プロレス界が心をひとつにした。

 大谷は4・10両国大会で世界ヘビー級王者・杉浦貴に挑んだが、ターンバックルへのジャーマンを受けて動けなくなり、レフェリーストップ負けに。試合後、救急搬送され、頸髄損傷の重傷を負った。いまだ自分の意思で体が動かせない状況ながらも、必死に治療とリハビリに励む大谷を励ますべく、大田区総合体育館で「大谷晋二郎エイド!!何度でも立ち上がれ!」が開催に。売り上げから諸経費を差し引いた収益全額が大谷に寄付され、大谷に縁があるレスラーを中心に17団体58選手が集結。メインイベントでは大谷の盟友・田中将斗が杉浦から世界ヘビー級王座を奪還した。

 試合後、マイクを握った田中は、難しいシチュエーションで参戦してくれた杉浦に「俺にとっては大谷もそうやし、杉浦さんあなたも俺にとっては欠かせないです。今日、このリングのメインに上がっていただいて、本当にありがとうございました。本当にいろいろ思うことはあったかと思うんですけど、リング上の杉浦さんはいつも変わらず、俺にヒジをぶつけてきてくれて、本当に感謝しております」と感謝。互いに一礼をかわす。王者に返り咲いて気持ちを新たにした田中は「いつか大谷晋二郎がこのベルトにチャレンジする時は、必ず俺がベルトを持っている。これは何年後かになるかもしれへんけど、俺はその時まで現役続けるつもりでいるし、絶好調の田中将斗でリングに上がり続けます」と誓いを立てた。

 大谷への募金を管理しているパブリックビジネスジャパンの荻原宣社長によると、すでに1000人以上から募金が集まり、大谷の治療やリハビリ、移動などの資金として使用しているという。妹の葉月さんは「兄はこの時も治療とリハビリを毎日やることをこなしている状態だと思います。コロナの影響がまだありますので、私たち家族・親族も長らく本人とは会えておりません。なので、私は手紙などを通じて、皆様からご支援いただいていることとか、私たち家族の気持ちとかを伝えて続けております」と現状を報告。エイド開催を伝え聞いた大谷本人からのメッセージをリング上で代読した。


【大谷からの手紙全文】
プロレスの力を信じてくださる熱いプロレスファンの皆様
大谷晋二郎エイド大会関係者の皆様

本日は素晴らしい時間を作っていただき、本当にありがとうございます。
本当であれば僕が会場に行き、皆様にご挨拶をしなければならないところなのですが、来場することができず、本当に申し訳ありません。

「プロレスとは、見ている人に元気を与えるものである!」
いつもそう叫ぶ僕ですが、その思いは今日出場してくださるプロレスラーが皆、心に秘めている想いだと信じています。

4月10日両国国技館大会からもうすぐ2ヶ月ですが、今も僕は自分の意思では体を動かすことも、思い通りに言葉を発することもできません。

しかしながら、僕は今たくさんのことを学ばせていただいています。
毎日支えてくださる病院の先生や看護師の皆様、家族や多くの関係者の皆様のおかげで、今僕の心の中は、人の温かさと優しさが溢れ、感謝の気持ちでいっぱいです。
そしてまた強くなった大谷晋二郎は、必ず皆様の前に帰ります。

ずっと近くで支えてくれる僕の家族は、
「もう頑張らなくていよ。もう十分頑張ってきたし、今も頑張っているから今のままで大丈夫だよ」と言ってくれます。
でも、大谷晋二郎に限っては、もっともっと頑張るという気持ちでいたいのです。
僕が頑張ることでプロレスを応援してくださる皆さんに、勇気や元気が伝わるはずだと信じているからです。
皆、毎日どこかで一所懸命頑張ってるんです。だからこそ何度でも僕は叫びます。

『頑張れ!』

『頑張ろう!』

『頑張るんだ!』

『負けてたまるか!』

『みんなみんな一緒に頑張ろう!』

令和4年6月2日
大谷晋二郎


 大谷らしい魂のこもったメッセージを聞いた観客からは大きな拍手が巻き起こる。葉月さんは「兄・晋二郎は今、自分の現実と向き合って、必死に戦っております。引き続き、ご声援のほどよろしくお願いします」と呼びかけた。

 大谷のメッセージを聞いて感極まった表情を見せた田中は、ZERO1の所属選手全員をリングに呼び込むと、「泣くんじゃねえぞ。大谷晋二郎が頑張ってんだから、俺らもっともっと意思を疎通して、ちゃんとこのZERO1のリング守っていかなあかん」とゲキを飛ばす。そして、円陣を組み、「みんなわかってるな。大谷晋二郎が頑張ってんだ。俺らもっと! もっと! もっと! 頑張るぞ!!」と絶叫。他の選手も「オー!」と叫んで思いを1つにした。ZERO1ファン、そして会場に駆けつけたプロレスファンからも熱のこもった反応が起こる。

 大谷エイドに参加した出場選手たちがリングに集結すると、最後は田中が中心になって締めることに。「これは大谷晋二郎にも届けたいと思いますので、僕が大谷コールをしますので、皆さんは声を出せないと思いますけど、手拍子で応えていただきたいと思います」と呼びかけると、今日一番の手拍子が発生する。田中は他の選手とともに「いくぞ! オー! 3、2、1、ZERO! 押忍!」と雄叫び。出場したレスラーたちはもちろん、観客、そしてプロレス界全体が大谷に届けとばかりに思いを1つにし、団体の枠を超えて行われた大谷エイドはフィナーレとなった。