【NOAH】永田“驚異の56歳"っぷり発揮…初シングル制すも拳王が敬意の握手 2024/7/13

『ABEMA presents DESTINATION 2024』日本武道館(2024年7月13日)
○拳王vs永田裕志×

 NOAH日本武道館大会で実現した拳王と新日本・永田によるシングル初対決は熱闘の末に拳王に軍配。驚異の56歳っぷりを発揮した永田に拳王も敬意の握手で「あっぱれ」と称えた。

 約10年前にタッグで対戦しているものの、これまで因縁らしい因縁はなかった拳王と永田。それでも互いのYoutubeチャンネルを通じて激しい舌戦を繰り広げ、現代プロレスらしい“前哨戦"を経て当日を迎えた。

 かつて拳王はGHCヘビーを争った小島聡に「NOAHは新日本の天下り先じゃねえ」と発言。小島と同じ“第三世代"の永田は、この拳王発言に人知れず立腹していたという。

 試合では、その永田が開始と同時に喧嘩腰で打撃戦を仕掛けると、場外戦でもヒートアップ。中盤には拳王も“白目式"アンクルホールドで挑発したが、怒りの永田もナガタロック2で切り返すと、大白目コールに応えての白目式腕固めを繰り出し、ビジョンに大写しにされると同時に武道館も大きく沸き返った。

 波に乗った永田は雪崩式エクスプロイダーで拳王をぶん投げるや、張り手合戦にも真っ向から競り勝って顔面付近めがけてエグいサッカーボールキックを連発。バックドロップホールドを踏ん張られてもカウンターの延髄斬りを叩き込み、大☆中西ジャーマンまで繰り出した。

 防戦一方となった拳王も輪廻からの変型ファルコンアロー、蹴暴で巻き返したものの、永田はなおも立ち上がってPFSを阻止。それでもコーナー上での頭突きを叩き込んだ拳王は、今度こそのPFSを投下だ。永田も肩を上げて場内は永田コールに染まったが、最後は拳王が奥の手・炎輪(ムーンサルト式ダブルニードロップ)を繰り出して3カウントが数えられた。

 試合後には“驚異の56歳"っぷりを発揮した永田に拳王が敬意。自ら握手を求めると、永田も応じてグータッチも交わした。「日本のプロレス界、いや、世界のプロレス界見渡しても、頂点の成績を持っているだけあるな。さすがだよ、永田裕志。あっぱれだ」と小島戦同様、試合が終わればノーサイドで改めて永田を称えた。

 一方の永田は「眠ってたものを甦らせてもらったという部分ではね。そこだけは感謝かなと」と回顧。敗れども“収穫"を手にしてNOAH武道館を後にした。


【拳王の話】「おい、新日本プロレス、永田裕志。やる前はいろいろゴチャゴチャ争ってたけど、リングに上がればやはり永田裕志。お前は日本のプロレス界、いや、世界のプロレス界見渡しても、頂点の成績を持っているだけあるな。さすがだよ、永田裕志。56歳、甘く見てたらいかん。そうだよな。それとな、日本武道館で思い出したわ。最後に握手して、永田裕志からも張り手が来ると思ってたけど。そうだよな。永田の付き人をしていた藤田晃生。あいつは日本武道館で終わったあと、俺とシングルマッチで張り手したぞ。たぶん永田裕志の教えだと思っていた。握手を求めたら、しっかり握手をしてた。永田裕志の教えではなかったんだな。それだけはよかったよ。まあ、そんな戯言どうでもいいよな。だが、永田裕志もあっぱれ。そして前回日本武道館で握手を求めて、張り手をしてきた藤田晃生もあっぱれだ。プロレスリング・ノアは日本のプロレス界のトップになろうと思って、俺は頑張ってる。だが、それ以上にプロレス界の底上げをできるのは俺は一番幸せかもな。そして、そのうえでNOAHが業界ナンバーワンに必ずいってやるからな」

【永田の話】「(ペットボトルの水を飲んで)ああ痛えな。戦う上での怒りとか、そういうものを拳王に出させてもらったけど、リングに上がると相手にこのヤローって気持ちで立つことがなかなかなかったんでね。戦前からのいろんな舌戦なり、YouTubeでのやり取り等で、こういうやり方もあるんだなというのもありましたし、向こうのYouTubeの戦いから向こうがいろいろ言ってくることに対して、向こうの手に乗るか、手のひらに乗るかよと思いもあったし。でも拳王とリング上でもしっかり戦うことができたというかね。こういう戦いって久しぶりなんで、眠ってたものが甦ったなと。ただ、この年になると、このキャリアになると、勝った負けた、白黒ついてくれた方がすっきりする。逆に引き分けとか消化不良の結果になってしまった方が後に引きずるというか、そういう感じですね。痛い思いしましたけど、このプロレスリング・ノアの社運をかけた、北米でPPV中継がある試合で、日本武道館大会で拳王という今、一応NOAHのエースなんじゃないですか。エースなんですか? と戦うことができて、いろんな眠ってたものを甦らせてもらったという部分ではね。そこだけは感謝かなと。そんなとこですかね」