NEW JAPAN CUPに続き、史上初の春夏連覇を狙ってG1に出場した辻だったが、その出鼻をくじいたのがTEKESHITAだった。辻は開幕戦で激闘の末にTEKESHITAに敗北。同世代の外敵が大きなインパクトを残した一方、辻はその後も苦しい戦いを余儀なくされた。それでも熱いファイトが実を結び、滑り込んでBブロックを3位通過を果たした。優勝決定トーナメント・ファーストステージの相手はBブロック2位のTEKESHITA。リベンジを狙う辻にとっては絶好のチャンスとなった。
【辻の話】「(※片ヒザをついて)TAKESHITA……正直言って、お前は凄いよ。メチャメチャすげえ。こんなヤツが、日本人でいると思わなかった。(※フロアに座り込んで)お前はさあ、自分自身で『世界を見てる。だからアメリカで俺はプロレスをしてる』っていうんだろ? でもさ、俺からしたら、世界一はここ、新日本なんだよ。俺はこの新日本に誇りを持ってプロレスやってんだ。どうだ、お前は感じたか? この新日本プロレス、スゲエだろ? 俺の率直な思い。正直、アメリカAEWでプロレスしてるお前よりも、この新日本で闘ってるお前の方が、俺にはよっぽど魅力的に見えたぜ(笑顔) まあでも、これで1勝1敗だ。お互いプロレスをやってれば、またどこかで出会うことがあるだろうよ。その時には、お互い(※腰のベルトを巻く仕草をして)持つもの、背負うものが増えてるだろうな。いつかお前と一緒にバーベルを挙げられる日を楽しみにしてるよ(笑顔) 次はフィンレーか……。(※ゆっくり立ち上がりながら)オイ、フィンレー、忘れてねえよな? お前が記者会見でダメにしたマーロウのプリン、まだ2個分の恨みが残ってるんだぜ。覚悟はいいか? Are you ready、Finlay?」
『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 34』千葉・幕張メッセ国際展示場9ホール(2024年8月15日)
優勝決定トーナメント・ファーストステージ ○辻陽太vsKONOSUKE TEKESHITA×
辻がTEKESHITAに雪辱を果たし、G1で初の準決勝進出。春夏連覇に向けて、さらに前進した辻は「近い将来、お互いにチャンピオンになったら、その時、また戦おうぜ」とTEKESHITAにメッセージを送った。
NEW JAPAN CUPに続き、史上初の春夏連覇を狙ってG1に出場した辻だったが、その出鼻をくじいたのがTEKESHITAだった。辻は開幕戦で激闘の末にTEKESHITAに敗北。同世代の外敵が大きなインパクトを残した一方、辻はその後も苦しい戦いを余儀なくされた。それでも熱いファイトが実を結び、滑り込んでBブロックを3位通過を果たした。優勝決定トーナメント・ファーストステージの相手はBブロック2位のTEKESHITA。リベンジを狙う辻にとっては絶好のチャンスとなった。
成田蓮との公式戦&前哨戦で痛めつけられた左ヒザのダメージを引きずるTEKESHITAだったが、それでもフライングラリアット、エプロンDDTで先制。しかし、ダイビングセントーンを剣山で迎撃した辻は、左ヒザへの一点集中攻撃に打って出て、試合を掌握した。
長時間捕まったTEKESHITAは、ラリアット、雪崩式ブレーンバスターと大技で活路。場外で倒れる辻に無数のパイプイスを重ねると、リング上から捨て身のトペ・アトミコを敢行する。引かない辻もトペスイシーダで猛抵抗。激しく大技が交差すると、「陽太」コール、「TEKESHITA」コールが巻き起こった。
ヒザのダメージから押し切れないTEKESHITAだったが、辻が雪崩式スパニッシュフライを狙った場面でラリアットを振り抜いて撃墜。ショートレンジでもラリアットを連発する。仁王立ちして受け止めた辻は笑みを見せると、怒とうの打撃ラッシュで押し返し、側頭部へのカーブストンプからマーロウクラッシュへ。だが、TEKESHITAはこれをカウンターのブルーサンダーで切り返す離れ技を披露。フルスイングのこん身エルボーをぶち込んでふらつかせると、開幕戦で勝利を手にしたレイジングファイヤーへ。
辻はスタナーで切り返し、棒立ちになったTEKESHITAにジーンブラスターを一閃。場内は沸騰するが、TEKESHITAはニアロープに救われて足をロープに伸ばす。辻は再度のジーンブラスターを仕掛けたものの、TEKESHITAはこれを避けてコーナーマットへの自爆を誘い、急角度の投げ捨てジャーマンでぶん投げた。勝利を確信したTEKESHITAはヒジのサポーターを投げ捨て、右腕を掲げてエルボーを予告したものの、振り返った瞬間、突っ込んだ辻がジーンブラスターをズバリ。逆転の3カウントを奪った。
辻が開幕戦で敗れたTEKESHITAに雪辱を果たし、G1で初の準決勝進出。この結果、8・17両国大会ではBブロック代表の座を懸けて、デビッド・フィンレーと激突することになった。
試合後、マイクを持った辻は、セコンドの肩を借りてリングを去っていくTEKESHITAを呼び止めた。「お前、聞いてたよな。俺に『お前はどこを目指してんだ?』って。答えてやるよ。そんなの簡単な話だ。俺が目指すのはIWGPヘビー級のベルトに決まってんだろ。IWGPこそが世界最高なんだよ」と断言。そして、「でもさ、お前の言いたいことわかるよ。お前は『もっとその先の世界をどう見てんだ?』、そう聞きたいんだろ。俺はな、近い将来必ずIWGPを獲る。そして、IWGPのチャンピオンとしてお前のところのチャンピオンを潰してやる。だからさ、近い将来、お互いにチャンピオンになったら、その時、また戦おうぜ」と再会を約束する。TEKESHITAはその言葉を受け止めてから、バックステージへと消えていった。
新世代のライバルとの激闘を経て、熱い気持ちがさらに高まった辻は「G1を獲るまであと2つのところまで来た。やっぱりこの夏は世界で一番過酷だ。でも、だからこそ新日本プロレスなんだよ。俺はこのG1を獲って、今まで誰もなし得なかった春夏連覇を達成する」と改めて春夏連覇を宣言。「覚悟はいいか!? 新日本プロレスは俺が背負う」と決意を口にして、幕張大会を締めくくった。
辻はバックステージでも「お前は感じたか? この新日本プロレス、凄えだろ。俺の率直な思い。正直、アメリカAEWでプロレスしているお前よりも、この新日本で戦っているお前のほうが俺にはよっぽど魅力的に見えたぜ」とTEKESHITAにメッセージ。両国大会で対戦するフィンレーには公式戦で勝利しているものの、辻は「忘れてねえよな。お前が記者会見でダメにしたマーロウのプリン。まだ2個分の恨みが残っているぜ。覚悟はいいか?」と恨みは晴れていない。偉業達成まであと2勝。フィンレーを再び粉砕して、春夏連覇に王手を掛ける。
【辻の話】「(※片ヒザをついて)TAKESHITA……正直言って、お前は凄いよ。メチャメチャすげえ。こんなヤツが、日本人でいると思わなかった。(※フロアに座り込んで)お前はさあ、自分自身で『世界を見てる。だからアメリカで俺はプロレスをしてる』っていうんだろ? でもさ、俺からしたら、世界一はここ、新日本なんだよ。俺はこの新日本に誇りを持ってプロレスやってんだ。どうだ、お前は感じたか? この新日本プロレス、スゲエだろ? 俺の率直な思い。正直、アメリカAEWでプロレスしてるお前よりも、この新日本で闘ってるお前の方が、俺にはよっぽど魅力的に見えたぜ(笑顔) まあでも、これで1勝1敗だ。お互いプロレスをやってれば、またどこかで出会うことがあるだろうよ。その時には、お互い(※腰のベルトを巻く仕草をして)持つもの、背負うものが増えてるだろうな。いつかお前と一緒にバーベルを挙げられる日を楽しみにしてるよ(笑顔) 次はフィンレーか……。(※ゆっくり立ち上がりながら)オイ、フィンレー、忘れてねえよな? お前が記者会見でダメにしたマーロウのプリン、まだ2個分の恨みが残ってるんだぜ。覚悟はいいか? Are you ready、Finlay?」
【TEKESHITAの話】「(※ヒザに手をつき、顔を伏せて)夢……夢見せるとか言っときながら、終わっちまったよ。(※涙を拭って)ごめんな。夢、終わらせちまったよ。(※顔を上げると、目に涙を溜めて)外敵で、AEW・DDTから『ジ・アルファ』として来て、いろんなもん背負ってきたけどよぉ、公式戦が進むにつれて、新日本プロレスのファンの人たちの応援も、TAKESHITAコールもデカくなってきてよぉ、いつの間にか、DDT・AEWだけじゃねえ、新日本プロレスも、日本のプロレス界全部を背負って闘うつもりで、新日本プロレスのファンの人たちの支持が大きくなるたびに、やっぱり、竹下幸之助がやってきたプロレス、何も間違ってねえって、俺の信じてきたプロレス、何も間違ってねえって、そう思えるようになって。だから、この『G1』の前から、DDTの時から応援してくれてるファンの人たちも、胸張って堂々と、竹下幸之助のファンだって、DDTのファンだって、AEWのファンだって、そう言えるように、俺、もっと強くなるから。何も間違ってねえから。いつもよぉ、動画配信で、DDTの先輩たちも、若い子たちも、見てくれてんだよ。だから決勝まで行って、優勝して、『俺たちのプロレス間違ってねえ』って、そう言ってやりたかったけど……(※言葉に詰まると)もうちょっとだった。もうちょっと……。でも間違ってねえから! 間違ってねえから! またアメリカ帰って、いろんなもん背負って、AEWのリング、立ってくるよ。オイ、辻陽太、辻陽太だけじゃねえ、俺に勝ったヤツらいるよな。オメーらだけじゃねえぞ。何度も言ってるように、棚橋弘至、そして、ゲイブ・キッド。『俺と決勝で会おう』って言ってくれたザック・セイバーJr.。またいつか会おうぜ」