【新日本】G1決勝は「ザックvs辻」 ザックが鷹木の足攻め完遂で決勝初進出 2024/8/17
『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 34』東京・両国国技館(2024年8月17日) 優勝決定トーナメント・セミファイナル ○ザック・セイバーJr.vs鷹木信悟× ザックが執念の足攻めを完遂させて鷹木を熱戦突破。Aブロック代表の座を掴み、明日(18日)の両国大会で行われるG1優勝決定戦は「ザックvs辻陽太」に決定した。 ザックはAブロック1位で優勝決定トーナメントに進出。3位のグレート-O-カーンを破り、駒を進めてきた2位の鷹木とAブロック代表の座を懸けて対戦することになった。公式戦では鷹木がラスト・オブ・ザ・ドラゴンで激勝。ザックにとっては雪辱戦に。通算戦績は2勝3敗で鷹木優勢。これまでも激闘を繰り広げてきたが、今回もG1準決勝らしい熱戦になった。 セミファイナルでは辻がデビッド・フィンレーを下し、いち早く決勝進出。そんな状況でザックと鷹木が対峙する。首への一点集中攻撃を仕掛けた鷹木に対し、ザックも右腕狙いで呼応。徐々に狙いを切り換えつつ、10分過ぎには左ヒザに照準を合わせた。非情なヒザ狙いを繰り返すと、鷹木の悲鳴が場内に何度も響いた。歩くのもやっとの状態に追い込まれたものの、意地のパンピングボンバーを振り抜いて、反撃に打って出る。 痛む左ヒザを気にしながらも、雪崩式ブレーンバスター、ネックスクリューと猛攻。相手の裏をかき、かつてザックを締め落とした胴絞めスリーパーに捕獲すると、グラウンドコブラに切り換えて絞めに絞める。止まらない鷹木はショートレンジでパンピングボンバーを叩き込み、パンピングボンバー固めも繰り出した。だが、ザックは回転エビ固めで切り返し、丸め込み合戦に持ち込むと、距離ができた直後にザックドライバーで突き刺す。完璧な一撃だったが、ザックもダメージを引きずってフォールできない。ともに大の字になると、「鷹木」コール、「ザック」コールが巻き起こった。 ザックはミドルキックやランニングローキックで鷹木を何度も蹴り飛ばす。再度のザックドライバーは不発に終わっても、足攻めを再開し、リング中央でヒールホールドに捕獲した。鷹木は頭を抱えて苦もんしたものの、ギリギリでロープに手が届く。ならばとザックは序盤で攻めた右腕に照準。鷹木の熨斗紙狙いを卍固めで絡め取った。 しかし、屈しない鷹木はデスバレーボムで逆転。足を引きずりながらも、こん身のパンピングボンバーを振り抜く。ザックのスリーパーに捕まっても裏熨斗紙で押し潰すと、三角絞めに捕まっても担ぎ上げ、そこからラスト・オブ・ザ・ドラゴンをさく裂。鷹木が勝利した公式戦の最後と同じ展開になったが、ザックが意地のキックアウトを見せると、場内は沸騰した。 鷹木はショートレンジのパンピングボンバーを連打。仁王立ちで受け止めたザックは、左右のエルボー連打に対して左右のビンタを打ち返す。低空ドロップキックを放つと、パンピングボンバーに合わせて、ラリアットを放って相打ちに。鷹木の右腕を蹴り飛ばすと、お株を奪うラリアットを振り抜いた。鷹木はカウント1でキックアウトしたものの、直後にザックはセイバードライバー(旋回式ザックドライバー)をズバリ。なおも肩を上げた鷹木の左足に絡みつき、アンクルホールドへ。鷹木はギブアップを拒否して必死の抵抗。自ら口を塞いで粘りに粘るが、ザックはヒザ十字固めに切り換えると、なおも執ように絞め上げて、遂にギブアップを奪った。 ザックが執念でギブアップをもぎ取り、初のG1決勝進出。激闘を繰り広げた鷹木に座礼してリスペクトを示した。この結果、2024年のG1決勝戦は「ザックvs辻」に決定した。 鷹木がセコンドの肩を借りてリングを去っていくと、入れ替わるようにBブロックを制した辻が現れる。2人は向かい合うと、揃って「楽しみ」と口に。ザックが握手を求めると、辻は応じて、笑みを見せつつリングを降りた。ザックはマイクを持つと、リング上ではなく、マス席に突入。観客席のど真ん中で「リョーゴクノミナサン、マタアシタネ」と日本語で言い放ち、大歓声を浴びてリングをあとにした。 ザックは「俺がタカギに勝つことができたら、もう俺を止められるヤツは誰もいない」と豪語。「ツジ、お前はデビッド・フィンレーに勝ち、その他多くの勝利を獲った。二日連続の試合、出来るか?」と辻に投げかけると、「これまで皆、新日本に誰が足りないかを話し続けてきた。でもそれは、ここにいる一人の男のことを忘れてきたという、大きな過ちだった。2024年は辰年じゃない。2024年はセイバーの年だ」とG1制覇に絶対的な自信を見せた。 2024年のG1決勝はどちらが勝っても初優勝となるフレッシュな顔合わせに。真夏の祭典を制するのは、イギリス人初の優勝を狙うザックか。それても前人未到の春夏連覇に王手を掛けた辻か。 【ザックの話】「20年待った甲斐があった。タカギ、今年はお前の20周年だけど俺の20周年でもある。(日本語で)タカギサン、アナタハ、イチバンツヨイネ。2009年に初めてドイツで対戦した時からそれは知っていた。40代かもしれないが、シンゴ・タカギほどの頑固さ、グリップ、チカラ……そして“奇抜な髪型"をした男はいない。前にも言ったが、俺がタカギに勝つことができたら、もう俺を止められるヤツは誰もいない。令和三銃士……一体何人いたか分からないが、次世代のヤツらは自分たちのことばかり考えすぎていた。ゲイブ……追いかけるのはショータじゃないぞ、ツジ……追いかけるのはユーヤでもないぞ。皆、俺を追いかけるんだ。『G1 CLIMAX34』覇者、そして次期IWGP世界ヘビー級王者だ。この会社の中で世代交代が行われることは確かだ。そしてその先頭にはザック・セイバー Jr.が立ち、辛抱強く他のヤツらを待っている。ツジ、お前はデビッド・フィンレーに勝ち、その他多くの勝利を獲った。二日連続の試合、出来るか? 俺は『G1』決勝に行った経験はないが、これまで“奇抜な髪型の男"よりも多くのトーナメントを制覇してきた。俺はトーナメント・レスラーだ。そしてリストの最後にあるのが、プロレス界で最高峰にあるトーナメント『G1 CLIMAX』だ。誰も俺を止められない。トロフィーを用意してしっかり磨いておけ。でもキスはするなよ。覇者となったあかつきに、この俺がでっかいキスをするからな。これまで皆、新日本に誰が足りないかを話し続けてきた。でもそれは、ここにいる一人の男のことを忘れてきたという、大きな過ちだった。2024年は辰年じゃない。2024年はセイバーの年だ。以上だ」 ※鷹木はノーコメント
『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 34』東京・両国国技館(2024年8月17日)
優勝決定トーナメント・セミファイナル ○ザック・セイバーJr.vs鷹木信悟×
ザックが執念の足攻めを完遂させて鷹木を熱戦突破。Aブロック代表の座を掴み、明日(18日)の両国大会で行われるG1優勝決定戦は「ザックvs辻陽太」に決定した。
ザックはAブロック1位で優勝決定トーナメントに進出。3位のグレート-O-カーンを破り、駒を進めてきた2位の鷹木とAブロック代表の座を懸けて対戦することになった。公式戦では鷹木がラスト・オブ・ザ・ドラゴンで激勝。ザックにとっては雪辱戦に。通算戦績は2勝3敗で鷹木優勢。これまでも激闘を繰り広げてきたが、今回もG1準決勝らしい熱戦になった。
セミファイナルでは辻がデビッド・フィンレーを下し、いち早く決勝進出。そんな状況でザックと鷹木が対峙する。首への一点集中攻撃を仕掛けた鷹木に対し、ザックも右腕狙いで呼応。徐々に狙いを切り換えつつ、10分過ぎには左ヒザに照準を合わせた。非情なヒザ狙いを繰り返すと、鷹木の悲鳴が場内に何度も響いた。歩くのもやっとの状態に追い込まれたものの、意地のパンピングボンバーを振り抜いて、反撃に打って出る。
痛む左ヒザを気にしながらも、雪崩式ブレーンバスター、ネックスクリューと猛攻。相手の裏をかき、かつてザックを締め落とした胴絞めスリーパーに捕獲すると、グラウンドコブラに切り換えて絞めに絞める。止まらない鷹木はショートレンジでパンピングボンバーを叩き込み、パンピングボンバー固めも繰り出した。だが、ザックは回転エビ固めで切り返し、丸め込み合戦に持ち込むと、距離ができた直後にザックドライバーで突き刺す。完璧な一撃だったが、ザックもダメージを引きずってフォールできない。ともに大の字になると、「鷹木」コール、「ザック」コールが巻き起こった。
ザックはミドルキックやランニングローキックで鷹木を何度も蹴り飛ばす。再度のザックドライバーは不発に終わっても、足攻めを再開し、リング中央でヒールホールドに捕獲した。鷹木は頭を抱えて苦もんしたものの、ギリギリでロープに手が届く。ならばとザックは序盤で攻めた右腕に照準。鷹木の熨斗紙狙いを卍固めで絡め取った。
しかし、屈しない鷹木はデスバレーボムで逆転。足を引きずりながらも、こん身のパンピングボンバーを振り抜く。ザックのスリーパーに捕まっても裏熨斗紙で押し潰すと、三角絞めに捕まっても担ぎ上げ、そこからラスト・オブ・ザ・ドラゴンをさく裂。鷹木が勝利した公式戦の最後と同じ展開になったが、ザックが意地のキックアウトを見せると、場内は沸騰した。
鷹木はショートレンジのパンピングボンバーを連打。仁王立ちで受け止めたザックは、左右のエルボー連打に対して左右のビンタを打ち返す。低空ドロップキックを放つと、パンピングボンバーに合わせて、ラリアットを放って相打ちに。鷹木の右腕を蹴り飛ばすと、お株を奪うラリアットを振り抜いた。鷹木はカウント1でキックアウトしたものの、直後にザックはセイバードライバー(旋回式ザックドライバー)をズバリ。なおも肩を上げた鷹木の左足に絡みつき、アンクルホールドへ。鷹木はギブアップを拒否して必死の抵抗。自ら口を塞いで粘りに粘るが、ザックはヒザ十字固めに切り換えると、なおも執ように絞め上げて、遂にギブアップを奪った。
ザックが執念でギブアップをもぎ取り、初のG1決勝進出。激闘を繰り広げた鷹木に座礼してリスペクトを示した。この結果、2024年のG1決勝戦は「ザックvs辻」に決定した。
鷹木がセコンドの肩を借りてリングを去っていくと、入れ替わるようにBブロックを制した辻が現れる。2人は向かい合うと、揃って「楽しみ」と口に。ザックが握手を求めると、辻は応じて、笑みを見せつつリングを降りた。ザックはマイクを持つと、リング上ではなく、マス席に突入。観客席のど真ん中で「リョーゴクノミナサン、マタアシタネ」と日本語で言い放ち、大歓声を浴びてリングをあとにした。
ザックは「俺がタカギに勝つことができたら、もう俺を止められるヤツは誰もいない」と豪語。「ツジ、お前はデビッド・フィンレーに勝ち、その他多くの勝利を獲った。二日連続の試合、出来るか?」と辻に投げかけると、「これまで皆、新日本に誰が足りないかを話し続けてきた。でもそれは、ここにいる一人の男のことを忘れてきたという、大きな過ちだった。2024年は辰年じゃない。2024年はセイバーの年だ」とG1制覇に絶対的な自信を見せた。
2024年のG1決勝はどちらが勝っても初優勝となるフレッシュな顔合わせに。真夏の祭典を制するのは、イギリス人初の優勝を狙うザックか。それても前人未到の春夏連覇に王手を掛けた辻か。
【ザックの話】「20年待った甲斐があった。タカギ、今年はお前の20周年だけど俺の20周年でもある。(日本語で)タカギサン、アナタハ、イチバンツヨイネ。2009年に初めてドイツで対戦した時からそれは知っていた。40代かもしれないが、シンゴ・タカギほどの頑固さ、グリップ、チカラ……そして“奇抜な髪型"をした男はいない。前にも言ったが、俺がタカギに勝つことができたら、もう俺を止められるヤツは誰もいない。令和三銃士……一体何人いたか分からないが、次世代のヤツらは自分たちのことばかり考えすぎていた。ゲイブ……追いかけるのはショータじゃないぞ、ツジ……追いかけるのはユーヤでもないぞ。皆、俺を追いかけるんだ。『G1 CLIMAX34』覇者、そして次期IWGP世界ヘビー級王者だ。この会社の中で世代交代が行われることは確かだ。そしてその先頭にはザック・セイバー Jr.が立ち、辛抱強く他のヤツらを待っている。ツジ、お前はデビッド・フィンレーに勝ち、その他多くの勝利を獲った。二日連続の試合、出来るか? 俺は『G1』決勝に行った経験はないが、これまで“奇抜な髪型の男"よりも多くのトーナメントを制覇してきた。俺はトーナメント・レスラーだ。そしてリストの最後にあるのが、プロレス界で最高峰にあるトーナメント『G1 CLIMAX』だ。誰も俺を止められない。トロフィーを用意してしっかり磨いておけ。でもキスはするなよ。覇者となったあかつきに、この俺がでっかいキスをするからな。これまで皆、新日本に誰が足りないかを話し続けてきた。でもそれは、ここにいる一人の男のことを忘れてきたという、大きな過ちだった。2024年は辰年じゃない。2024年はセイバーの年だ。以上だ」
※鷹木はノーコメント