【新日本】辻がフィンレー粉砕で史上初の春夏連覇に王手 「すべてを明日出し切る」 2024/8/17

『ヤマダインフラテクノス Presents G1 CLIMAX 34』東京・両国国技館(2024年8月17日)
優勝決定トーナメント・セミファイナル ○辻陽太vsデビッド・フィンレー×

 辻が公式戦に続きフィンレーを連破してG1決勝初進出。史上初の春夏連覇に王手を掛けると、「俺の残りの体力、出せる力のすべててを明日、この両国で出し切るだけだ」と覚悟をあらわにした。

 Bブロック3位として優勝決定トーナメントに臨んだ辻は、8・15幕張大会で2位のKONOSUKE TEKESHITAをジーンブラスターで撃破。公式戦で敗れた雪辱を果たし、Bブロック代表の座を懸けて、1位のフィンレーと対戦することになった。

 2人は今年2回対戦。5・3福岡大会ではフィンレーがオーバーキルで勝利したものの、G1公式戦ではマーロウクラッシュで辻が雪辱。今宵が決着戦となった。GLOBAL王者としてG1初優勝を狙うフィンレーは危険な相手だったが、NEW JAPAN CUPに続いて春夏連覇を見据える辻の勢いは本物だった。

 辻は必殺のジーンブラスターにつなげるべく腹部攻めを展開。一方、フィンレーはラフファイトで巻き返すと、腰を容赦なく痛めつけた。辻が逆転を狙ったトペスイシーダを放っても、エルボーで撃墜。しつこく鉄柵に投げつけると、テーブルを投入し、パワーボムでのテーブルクラッシュを狙う。

 これをギリギリで防いだ辻は今度こそトペスイシーダを浴びせて反撃ののろし。得意のカーブストンプを駆使して巻き返した。フィンレーは各種バックブリーカーで再び腰を荒々しく攻めたものの、辻も引かず。飛びヒザ蹴りで動きを封じると、雪崩式スパニッシュフライがさく裂する。ブレーンバスターボム、カーブストンプから公式戦を制したマーロウクラッシュへ。

 初優勝を狙うフィンレーも意地を発揮。マーロウクラッシュを空転させると、カナディアンハンマー、ローリングエルボーで猛追に出る。序盤に設置した場外のテーブルを使おうと、何度もパワーボムの構え。辻も逆にテーブルクラッシュを仕掛けて攻守が二転三転したものの、遂にフィンレーがテーブルへのパワーボムを強行。大ダメージを負った辻はリングアウト寸前で這うようにして滑り込むのが精一杯の状況まで追い込まれた。

 勝利目前のフィンレーはINTO OBLIVIONをズバリ。それでも辻が沈まないとみるや、馬乗りになって掌底やナックルパンチでメッタ打ちに。リングへ、コーナーへ、またもリングへとパワーボムを3連発。辻がギリギリでキックアウトすると、場内は「陽太」コール一色に。フィンレーはなおもコーナーめがけてパワーボムを連発すると、またまたパワーボムへ。

 辻はフランケンで切り返すと、一瞬のスキを突いてジーンブラスターがさく裂。しかし、ダメージがひどく、フォールできない。それでもカーブストンプ、マーロウクラッシュと猛攻。フィンレーも再度のジーンブラスターを首固めで切り返すと、必殺オーバーキルを仕掛けるが、辻は決めさせず。エルボーを放つフィンレーの腕をキャッチすると、頭突きをねじ込み、G1途中で欠場となったライバル・上村優也の必殺技カンヌキスープレックスで勝機をこじ開けた。そして、こん身のジーンブラスターを一閃。熱戦に終止符を打った。

 公式戦に続いてフィンレーを連破し、辻が初のG1決勝進出。春夏連覇に向けて王手を掛けた。疲労困ぱいでセコンドの肩を借りてバックステージに下がってきた辻だったが、その目はぎらつくばかり。「何度も言うように、俺は新日本プロレスのトップを走る1人のメインイベンターだ。でもな、それと同時に、これは新日本プロレスの新しい時代の2ページ目だ。史上初の春夏連覇まであと1つ!」と吠えると、「相手は鷹木さんでも、ザックでも関係ねぇ。俺の残りの体力、出せる力のすべてを明日、この両国で出し切るだけだ」と悲壮なほどの覚悟をあらわにした。

 メインイベントでは鷹木信悟が敗北。辻が夢に描いたL・I・J同門決勝は実現しなかったものの、ザック・セイバーJr.にすべてをぶつけ、春夏連覇の偉業を達成し、新時代を迎える新日本マットの先頭に立つつもりだ。

【辻の話】「(※両肩をヤングライオンに抱えられてやって来て)何度も言うように、俺は新日本プロレスのトップを走る1人のメインイベンターだ。でもな、それと同時に、これは新日本プロレスの新しい時代の2ページ目だ。史上初の春夏連覇まであと1つ! 相手が鷹木さんでも、ザックでも関係ねぇ。俺の残りの体力、出せる力の全てを明日、この両国で出し切るだけだ」

【フィンレーの話】「(※コメントスペースにやって来ると腰を下ろして)なんだ? 全くのクソだな!! 俺の年になるはずだった。俺の年だったんだ。(※仰向けに倒れて)……なんてことだ。一晩にしてモクスリーとオスプレイを破り、ドッグパウンドスチールケージマッチで64分生き残り、(※IWGP GLOBALヘビー級のベルトを掲げて)これを2度獲った! 2度だぞ! 王座を防衛し、誰よりも長く保持し、今回もブロックを勝ち抜いたというのに! なぜこんなことに? 驚きだな。クソな……ツジに負けるなんて。お前は未来にしては弱い。ツジ、これで終わりではない。未来のお前は、病院のベッド行きになることが決まっているんだ! お前の未来は、麻痺状態だ。お前の未来はどん底の人生。わかるか? これで終わりではないぞ。お前はマークされている。そうなればどんな目に遭うか、わかっているだろう」