プロレス/格闘技DX

『ABEMA presents N-1 VICTORY 2024』名古屋国際会議場(2024年8月25日)
Bブロック公式戦 ○拳王vs稲村愛輝×

　拳王が1年越し雪辱を目指した稲村を振り切って、堂々の単独首位でN-1・Bブロック突破を果たした。

　今N-1・Bブロック最後の公式戦。引き分け以上で拳王が突破、敗れた場合は征矢学が突破するシチュエーションだった。

　最後の相手はすでに3勝3敗で脱落が決まっている稲村。昨年のN-1公式戦では拳王に軍配が上がっていたものの、試合後に「会社の敷いたレールに乗らずに上がってこい!」と反骨エールを送っていた。

　1年越しの雪辱と海外遠征を経ての成長を見せつけるべく、稲村が燃えに燃えた。本部席で征矢が睨みをきかせるなか、拳王と稲村はのっけから猛烈なビンタ合戦を展開。拳王が「テメーの1年を見せてみろ」「全然効かねえぞ」などと挑発すると、稲村は真っ向から重たいエルボーを叩き込んでいく。

　拳王はそれを受け止めたうえで、重たい蹴りを何発も返して引かず。稲村が反撃を仕掛けるたびに潰していく。それでも激情を爆発させた稲村は持ち前のストロングマンパワーを発揮。拳王を豪快にぶん投げると、しつこく防がれながらもムキになって「ビクトリー!」と拳を突き上げて、リバーススプラッシュを投下した。拳王の猛威を力ずくで吹き飛ばし、フロントスープレックスやスパインバスターなどで猛攻。ロープを揺すってから重爆ダイビングボディプレスへ。

　しかし、拳王は避けて自爆を誘う。稲村はすぐさま立ち上がるが、拳王はビンタでスープレックスを防ぐと、スピンキックをぶち込み、こん身のバズソーキックをねじ込んだ。直撃を受けた稲村は意識もうろうとなり、ガクンと動きが鈍る。それでも蹴暴をキャッチすると、無双につなげるがいつもの破壊力はない。先に動いた拳王はヒザ立ちの稲村にこれでもかとミドルキックを連打。最後はPFSを投下して押し切り、3カウントをもぎ取った。

　稲村の1年越し雪辱を阻んだ拳王のN-1・Bブロックが決定。しかも堂々の“単独首位"での優勝決定戦進出となった。

　今年も目前で優勝戦進出を逃した征矢がうつむき加減で引き上げるなか、ガッツポーズを連発して喜びをあらわにした拳王は「俺はお前はGHCヘビーのベルトを巻く存在だと思ってた。N-1決勝、いや優勝する存在だと思ってた。だがな、お前には1年間、まだ足りなかったかもしれないな。もちろん1年前より数段成長したぞ。だが、まだまだだ。NOAHの頂点を獲るにはまだまだだ」と稲村の成長を認めつつも、“壁"の高さを強調した。

　一方で「お前がNOAHの頂点を獲らないと、NOAHのさらなる上は見えてこないぞ。おい、いいか稲村愛輝。1年前もそうだ。そして今もそうだ! お前には本当に期待している。まだまだだ。まだまだてめえの未来はあるぞ。これからGHCヘビー選手権、そして今日N-1 VICTORYのことを頭に入れて、これからも精進しろ!」とさらなるスケールアップを促しながら、今年も“反骨エール"を送った。

【拳王の話】おい、見ただろ? これが今年の夏にかける男の強さだ。俺の信念に狂いはなかっただろ? おい、稲村愛輝! 1年前、俺の言葉、ずーっと耳に入れて海外遠征してたのか? おい、俺はお前はGHCヘビーのベルトを巻く存在だと思ってた。N-1決勝、いや優勝する存在だと思ってた。だがな、おい。お前には1年間、まだ足りなかったかもしれないな。もちろん1年前より数段成長したぞ。だが、まだまだだ。NOAHの頂点を獲るにはまだまだだ。そしてお前がNOAHの頂点を獲らないと、NOAHのさらなる上は見えてこないぞ。おい、いいか稲村愛輝。1年前もそうだ。そして今もそうだ! お前には本当に期待している。まだまだだ。まだまだてめえの未来はあるぞ。これからGHCヘビー選手権、そして今日N-1 VICTORYのことを頭に入れて、これからも精進しろ。そんなことはいいか。俺はN-1 VICTORY優勝して、そしてGHCヘビーを獲る。それだけだ!」