【ストロングスタイル】人生がシングル王座初挑戦も…船木がレジェンド激勝V1 「死ぬまでストロングスタイル」誓う 2025/6/12

『初代タイガーマスク ストロングスタイルプロレスVol.34 THE 20th ANNIVERSARY-“過激な仕掛人"新間寿追悼興行-』後楽園ホール(2025年6月12日)
レジェンド選手権試合 ○船木誠勝vs新崎人生×

 人生が初のシングル王座挑戦で奮闘したものの、船木がスキを突いて関節技に持ち込んで激勝。レジェンド王座初防衛に成功した船木は新間さんに「死ぬまでストロングスタイルです」と誓いを立てた。

 キャリア33年の大ベテラン・人生だが、以外にも今回が初のシングル王座挑戦となる。迎え撃つレジェンド王者・船木は今年3月にS・タイガーを破り、56歳にして7年半ぶりに王座返り咲き。「残りの人生、力の続く限り戦い続けます」と決意を告白した。そんな2人が新間さん追悼興行のメインでベルトを懸けて対戦した。

 船木のセコンドには高橋義生&山田学、人生のセコンドにはザ・グレート・サスケ&ディック東郷がそれぞれ付き、図らずも「パンクラスvsみちのくプロレス」の図式に。グラウンド戦から幕開け。船木はしつこくヘッドシザースに絡め取る。すると、人生はネックスプリングで華麗に脱出して拍手を巻き起こした。

 ならばと船木はミドルキックをねじ込む。人生が手首を固めてロープの拝み渡りを狙おうとしても、船木は振り払って付き合わない。自分から飛びついてアキレス腱固めへ。しかし、人生はこれをサソリ固めで切り返すと、ロープ際でもたれてブレイクとなった。

 人生は船木のローキックを回避して、ドロップキックをズバリ。リバーススプラッシュの体勢からフットスタンプを落として船木の動きを止める。さらに、曼陀羅捻りを繰り出し、極楽固めでギブアップを迫った。船木は足関節に捕らえて脱出したものの、人生は再び拝み渡りの構えに。

 ここでも船木は決めさせず、スリーパーで絞めに絞める。人生が脱出しても、強烈な掌底をぶち込むが、人生はムキになって拝み渡りを狙った。ここでも船木の抵抗を受けると、曼陀羅捻りからパワーボムで追い討ち。念仏パワーボムで投げ捨てると、4度目のトライでようやく拝み渡りに持ち込んで大歓声を巻き起こした。

 しかし、これは船木がわざと誘った作戦だった。そこから人生がダイブして脳天チョップを狙った瞬間、待ち受けていた船木は脇固めに捕獲。逃れようとする人生を腕十字、さらには三角絞めに絡め取る。人生は抱え上げて投げ飛ばそうとするも、船木は手を離さず。腕十字に再び切り換え、そこから変型三角絞めに移行して勝利した。

 船木が熱戦を制してレジェンド王座初防衛に成功。セコンドに付いた高橋と山田に感謝した船木は「人生さん、本当にありがとうございました」と人生にもメッセージ。さらに、「新間さん、自分は死ぬまでストロングスタイルです」と誓いを立てると、「次の相手を募集しています。次は9月になりますので、またその時はよろしくお願いします」と締めくくった。

 バックステージでも「やっぱり託されたんじゃないかなと思います。自分はストロングスタイルしかやってきてないんで。そういう意味では、デカくいえば、みんな自分を目指してきてくれれば。しっかり自分もストロングスタイルで受け止めますんで。若い選手はどんどん来てほしいなと思います。それが自分の使命だと思っています」と語っていた船木。次の防衛戦に向けて「初めての相手は新鮮で緊張感ありますね。これからも初めての相手と防衛戦やりたいと思ってます。誰かいれば」と未体験の刺激を求めていた。


【試合後の船木】

▼船木「防衛初めてなんで、すごい嬉しいですね。初対決で人生さんとできて。いつもとはちょっと違う空気感だったんですけど、惑わされず。自分でやるべきことはやって、ちょっと向こうのほうが疲れていたかもしれないです。今日はコンディションで勝った気がします」

――今日の戦い方は新間さんへの追悼の意味も込めた?

▼船木「そうですね。いろんな技を持ってますんで、それに引っかからないようにして。自分のほうに引き寄せれば、絶対自分のペースになると思いましたんで。そういう意味ではこれ(拝み渡り)も上らせないで、最後はわざと上らせました。で、下りてくるところを狙ってました。どうしても(拝み渡りを)やりたいんですね。3回ぐらいチャレンジしたんで。でも、初めての相手は新鮮で緊張感ありますね。これからも初めての相手と防衛戦やりたいと思ってます。誰かいれば」

――今日は高橋さん、山田さんがセコンドに付いていたが?

▼船木「本当に心強くて。今から何年前ですか。25年前ですか。25歳若返った気がします。今日は30歳ぐらいの感覚で試合をした気がしますね。本当に一緒に戦った仲間が来てくれると、こんなに心強いんだなと。いつもセコンドがいないですから。そういう意味では、向こうもみちのく勢がいて、こっちもパンクラスがいて、まったく違う色で、この時代に交差するっていうのは、なんかすごく意味があるんじゃないかなと思いますね」

――船木選手が招待した?

▼船木「たまたま山田さんと話す機会があって。それで、山田さんが『今度佐山さんに会いにいこうと思っているんです』と言ってて、それでちょうど高橋さんもこの間、連絡取れましたんで。自分から、じゃあ、一緒に来てくださいと」

――新間さんが亡くなった最初の大会のメインイベントで防衛したが、どういう意味合いを感じている?

▼船木「やっぱり託されたんじゃないかなと思います。自分はストロングスタイルしかやってきてないんで。そういう意味では、デカくいえば、みんな自分を目指してきてくれれば。しっかり自分もストロングスタイルで受け止めますんで。若い選手はどんどん来てほしいなと思います。それが自分の使命だと思っています」

――今日はセレモニーで佐山さん、前田さん、藤原さんが一緒に並んでいたが、どういう風に見ていた?

▼船木「新間さんがつなげたって前田さんが言っていました。お葬式でバッタリ一緒の部屋になって、そこからああいう風になったみたいです。新間さんがさせたんじゃないですかね。前田さんは結構霊感が強いんで、お葬式に行ったら、新間さんが立ってたらしいです。最終的にみんな引き寄せられればいいなと思いますね。そういう時しか一緒にならないですね。前も山本小鉄さんのお葬式とか、猪木さんのお葬式でみんなOBが集まったんで。いなくなった先輩が『みんな仲良くやれよ』と言ってくれているんじゃないかなと思いますね」

――船木さんにとって新間さんの功績は大きいと思う?

▼船木「新間さんがいなかったら、あの猪木さんの形になっていなかったような気がします。ちょうど新間さんがいなくなってから、マシーンとか海賊とかそういうのが来たんで。新間さんがいたら、やらせてないと思います。そんな気がしましたね」

――新日本プロレスでストロングスタイルを作ったのは、アントニオ猪木というスーパースターがいたからだけれども、新間さんが力も大きい?

▼船木「新間さんの誘導だと思います。山本小鉄さんもいましたし。そこに入ったんで、自分は間違えなくそこに入ってよかったと今は思います。その時はきつくてつらかったですけど、今は本当によかったと思います。苦しい時には水飲めなくて、トイレに行って、上から出てきた水を飲んだ記憶がいまだにありますね」

――事前のインタビューでコンディションを作るのは大変だと言っていたが?

▼船木「今日はちょうどよかったです」

――それは新鮮な相手で燃えたところがあるから?

▼船木「それもあるし、昔の仲間たちが来たというのもあるし、新間さんの追悼というのもあるし。あと、試合前に藤原さんとか前田さんとか佐山さんと会って新人に戻って。若い頃の痛みとか、苦しみは体に残ってますんで、あの3人が…あっ、藤波さんもですね。藤波さんは優しかったですけど、あの面子を見ると、自分はまだまだですね。そう思います。でも、よかった。いい1日でした」