【NOAH/インタビュー】主役一転、今年はジェラシー一色…清宮が“狂乱"爆発のN-1連覇宣言 OZAWAを決勝指名 2025/9/2

 9・8後楽園大会から開幕するNOAH最大のリーグ戦『N-1 VICTORY 2025』。連覇がかかる清宮海斗はAブロックにエントリーした。

 昨年はGHCヘビー級王者としてN-1を制覇。史上初の偉業で“清宮一強時代"を印象付けたが、わずか1年で状況はまるで変わった。OZAWAの出現、KENTAのNOAH復帰などを契機に新風景が広がり、今年のN-1キャッチコピーも“主役渋滞、濃度限界"とされた。

 戦前の後楽園ではOZAWAへのジェラシーをマイクであらわに。OZAWAやKENTAを推す会社への不満も初めてぶちまけた。一強状態から一転、“主役のひとり"となった狂乱のプリンスに、その穏やかならざる胸の内を聞いた。


【清宮海斗インタビュー】

――N-1を前に率直な思いは?

▼清宮「テーマはシンプルですよ。今は何をおいても“リベンジ"に燃えてるんで、OZAWAへの。それを成し遂げるには方法は2つしかない。N-1の優勝決定戦で当たるか、優勝してベルトを獲ってOZAWAを指名するか。だから、何としてもブロックは突破しなきゃいけないし、何としてもGHCヘビーのベルトを手に入れないといけない」

――前年覇者として連覇がかかったN-1となります

▼清宮「もちろん“ディフェンディングチャンピオン"の意識をしっかり持って臨みますよ。しかも去年とは違った清宮海斗ですから。今年から『狂乱のプリンス』と呼ばれるようになったんですけど、ファイトスタイル的にもなかなかコレがしっくり来ていて。そこもOZAWAとの闘いで呼び起こされたものですけど…。今年の上半期は結果が出ない日々が続いてきましたが、自分の新たな一面にしっかり手応えもつかみながら歩んでこられた感覚はあるので、その“狂乱"の部分をしっかり爆発させてN-1優勝という結果につなげます」

――9・8後楽園の開幕戦ではいきなりKENTAと当たる。現GHCヘビー級王者で、しかもシングル初対決

▼清宮「タイトルマッチですね。完全にタイトルマッチだと思って最初から闘います。結果にこだわるのはもちろんなんですけど、楽しみでもあって」

――NOAHファン時代から観ていた選手とシングル初対決なだけに…

▼清宮「はい、ジュニアでバチバチやってた頃も、ヘビーのチャンピオンとしてファンと一体感を持って引っ張っていた頃も(ファンとして)見ていたので。でも、僕が入門する直前にKENTA選手はWWEに戦場を移したので、選手としてはちょうど入れ違い。だからやっぱり楽しみですね。やっとシングルでやれるのかと」

――世代は違えど『NOAHを引っ張り上げたい』姿勢は共通するものがある

▼清宮「そうですね。完全に“NOAHモード"にモードチェンジした今のKENTA選手の姿は、すごく嬉しくもあるんですけど、“今のNOAH"を引っ張っているのは自分だって意識は強烈に持ってやってきたんで。その気持ちを真正面からぶつけ合ったうえで、しっかり結果を出したいと思います」

――2戦目の9・11岡山では黒く染まったマサ北宮と対決します

▼清宮「ある意味で今、一番気になっている選手ですね。なにせNOAH道場で一緒に過ごしてた先輩ですからね。“闇"なんてモノは北宮さんからは一切感じなかったのに、なんでTEAM 2000Xに……。しかもT2000Xに入って一発で(タッグの)ベルト獲ってるじゃないですか。なんか“普通じゃない"ですよね」

――根本から何かが変わった感じがする?

▼清宮「そうなんですよ。確かに最近T2000Xになびく人が多くなってますけど、ちょっと流行りに乗ってキャラ変しただけだったら、簡単に結果は出ないはず。そこを一発で獲った。やっぱり普通じゃないですよね。もちろん落とせない一戦ですけど、マサ北宮の変化と真意を試合を通じて確かめたいですね」

――3戦目の9・14博多では久々に藤田和之と当たる

▼清宮「2022年10月、有明アリーナのビッグマッチ、メインのGHC戦で藤田さん相手に防衛できたんですけど、あの時の“落ち込み"は今でも忘れない。勝てたけど、お客さんを満足させられなかった。チャンピオンとして自分の限界にブチ当たった感じで、凄く落ち込みましたね」

――今回はその感情への“リベンジ"の気持ちもある?

▼清宮「もちろん。あれから3年弱経ちますけど、メンタル的な部分でも技術的な部分でも上がってますし、今回はキッチリと内容も残して。むしろ今は楽しみですね、今の自分でどうやって藤田和之を、野獣を料理してやろうかと」

――9・15熊本では佐々木憂流迦と対決する

▼清宮「MONDAY MAGICとかでもシングルをやってきましたけど、じっくりやりたいですねえ! 憂流迦さんとはじっくりやりたい!」

――やはり同じ小川良成門下として…

▼清宮「そうですね。普段のタッグマッチなんかで当たった時も、お互いに自由に、流れるように攻防が展開できるんで、試合してて凄く楽しい。どんどん引き出しが増えてるのも試合をしてて感じるし、いつも想定外のことをやってくるので。それが楽しくもあるんですけど、もちろん一瞬で極まる危険性もあるんで。しっかり緊張感を持って臨みます」

――9・17大阪では遠藤哲哉と初対決

▼清宮「来ましたね! 実は僕、学生時代に遠藤さんの試合をたくさん見ていたんですよ。DDTでケニー・オメガや竹下選手(KONOSUKE TAKESHITA)とやってる試合を。ちょうど体をデッカくして、がっと絞って…っていう時期で。でもタッグマッチで初めて当たった時、自分のなかで“意地"みたいなものが凄く出てきたんですよ」

――遠藤哲哉も『清宮選手は一番NOAHを感じる選手、自分もDDTの遠藤としての意識を強くもって臨む』と話していた

▼清宮「そうなんですね。ホントに不思議だったんですよ。序盤の探り合いの段階で『これ、負けたくねえな…』って強烈に思って。独特だったんですよ、いろんな返し方が。育ちの違いを感じて『これはいつかシングルでガッチリやりたいな!』って思ったんで、僕自身も“NOAHで培ってきたもの"を意識しながらガッツリ勝負したいなと思います」

――いつかDDTに戻るのかもしれないけれども、これから名勝負を多く残せる相手だと?

▼清宮「はい。だからこの試合でNOAHに依存させたいですね。『NOAHの試合っておもしれーな、帰りたくねーな』って思わせたい」

――そして佳境の9・20浜松では征矢学と対決する

▼清宮「征矢さんとも久々のシングルになりますけど、『情熱!』って叫び始めてからは初めて。向こうが情熱で、こっちは狂乱。情熱と狂乱って似てると思うんですよ。熱を生み出して、狂ったようにさらけ出す。“熱狂"のリングを生み出します!」

――なるほど…そして9・21宇都宮での最終公式戦ではダガと対決する

▼清宮「TEAM 2000Xではありますけど、ダガも技術の競い合いが楽しい相手。ダガって“スタミナおばけ"なんですよ。これまで何度も試合してきましたけど、いつも“動きっぱなし"の試合になる。しかも今回は最終公式戦でのシングル。疲れが溜まってるシチュエーションで足元をすくわれかねないんで、しっかり注意して臨みたいですね。全試合、魂の削り合いになるとは思うんですけど、最後の最後で火事場のクソ力をバコーン!ってカマしてやりたいと思います」

――そして優勝決定戦で当たりたい相手は言うまでもなく…

▼清宮「OZAWAです! しっかり決勝上がってこい、って」

――OZAWAを認める発言もありましたが…

▼清宮「手段を認めることはできないけど、あのキャリアで、あれだけのことを成し遂げましたから。僕としても後輩にジェラシーを感じるのは初めての経験。ほかの選手とはまったく違う感情を抱く選手になりましたね、N-1連覇、そして最多優勝。必ずヤツにジェラシーを抱かせる存在になって、またぶっちぎりでNOAHを引っ張っていく存在になります!」


――清宮海斗の公式戦日程――
9/8後楽園:vsKENTA
9/11岡山:vsマサ北宮
9/14博多:vs藤田和之
9/15熊本:vs佐々木憂流迦
9/17大阪:vs遠藤哲哉
9/20浜松:vs征矢学
9/21宇都宮:vsダガ