【全日本】福田社長、十枝取締役が故・長尾一大心さんの事故状況、再発防止策を説明 2025/9/12

 福田剛紀社長、十枝利樹取締役が12日、東京・湯島の全日本事務所で会見し、故・長尾一大心さんの事故発生時の状況、再発防止策を説明した。

 長尾さんは昨年10月、全日本でプロレスラーとしてデビュー。巡業バスとの接触事故に見舞われ、腹部圧迫による外傷性ショックのため集中治療室で治療を続けたものの、22歳の誕生日を6日後に控えた今月7日、21歳の若さで帰らぬ人となった。

 この日、福田社長、十枝取締役が事故の経過報告と再発防止策を報告する会見を開いた。事故が発生したのは5月31日のこと。翌日の仙台大会へ向けて神奈川・横浜市の全日本道場を出発前、長尾さんが路上で巡業バスを誘導していた際に接触事故が発生。長尾さんは横浜市内の病院に救急搬送され、肝臓など損傷した複数の臓器の治療が施されたという。

 予断を許さない状況が続いた中、7月22日には選手・スタッフが両親からの許可を得て、病床の長尾さんと面会。十枝取締役によると、選手らからの呼びかけに反応があったといい、「私個人的に言えば回復する可能性がある」と期待を抱いたものの、9月6日朝に容体が急変。翌7日に息を引き取った。死因は敗血症。9月10日に火葬が執り行われ、長尾さんは荼毘(だび)に付された。

 巡業バスは全日本の所有だが、運転手は外部委託だった。当日の健康面も問題なしと判断し、依頼したものの、不幸な事故が発生してしまった。現在、警察で事故原因を捜査中で、当該運転手は事情聴取を受けているという。全日本は「社有車の運行を取りやめ、外部のバス運行会社に委託」、「バスの乗降は周辺を十分確認し、安全の確保を第一での運行を徹底」、「日本プロレスリング連盟に本件の報告を行い、周知啓蒙」と再発防止策を説明した。

 9・15後楽園大会では長尾さん追悼セレモニーが執り行われ、会場には献花台を設置。献花台は年内の全大会の会場に設けられる。また、福田社長は「今の案ですと10月29日に釧路大会がございますので、それを長尾選手の追悼大会にできればいいということで準備をしているところでございます」と長尾さんの地元・釧路大会を追悼興行として行う意向を示した。

 全日本からの報告、会見の模様は以下の通り。


■経過報告
5月31日 全日本プロレス道場付近の路上付近で長尾一大心選手と巡業バスが接触した報告を受け、長尾一大心選手が怪我のため6月1日の仙台大会を欠場する旨をリリース。長尾一大心選手は横浜市内の病院に運ばれ治療を開始しました

6月7日 バスと接触し、病院で治療中、当面の間試合を欠場する旨をリリース

6月21日 巡業バスとの事故で腹部が圧迫されたことによる外傷性ショックにより、集中治療室で予断を許さない状況の中治療を行っていることをリリース

7月22日 病院とご両親の許可を頂き、複数の選手・スタッフが長尾一大心選手との面会を行い、ファンから頂いた千羽鶴やメッセージをご両親にお渡しした旨をリリース

9月6日 早朝に容体が急変

9月7日 敗血症によりご逝去されました

9月10日 火葬が執り行われ、所属選手と全スタッフで最後の見送りを行い、収骨されました

■事故の原因
現在警察において捜査中です

■再発防止策
・事故発生前、巡業の際、社有のバスの運転を外部の運転手に委託していたが、事故発生後は社有車の運行を取りやめ、外部のバス運行会社に委託しております

・バスの乗降は周辺を十分確認し、安全の確保を第一での運行を徹底しております

・日本プロレスリング連盟に本件の報告を行い、周知啓蒙致します


【会見の模様】

▼福田社長「本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。これから長尾一大心選手の件をご報告させていただきます。また、この場をお借りして、復帰を信じて絶え間なくエールを送ってくださったファンの皆様に感謝の気持ちをお伝えしたいと思います。さる5月31日の午後、全日本プロレス道場付近の路上で長尾一大心選手が巡業バスを誘導中にバスに接触するという交通事故が起きました。救急車で横浜市内の病院に緊急搬送され、腹部圧迫による外傷性ショックのため、集中治療室で治療を始めました。幾度も手術を行い、医療機関の方々も全力で治療にあたってくれました。6月中旬以降は病院とご両親の許可を得て、所属選手とスタッフが長尾選手を面会に訪れました。また、ファンの皆様からお預かりした温かい気持ちのメッセージや千羽鶴などはご両親を通じて病室に届けられました。一日も早い回復とリング復帰を期待していたのですが、9月6日の早朝に容体が急変し、9月7日の早朝に敗血症によって、誠に残念ながら帰らぬ人となってしまいました。9月10日に火葬が執り行われ、所属選手、スタッフ、ご縁が深かった選手で最後の見送りを行い、ご両親が収骨されました。今回の事故の原因ですが、現在は警察が運転手から聞き取りを行うなどして調査中であり、本当に申し訳ありませんが、まだ具体的な事象を申し上げる段階にはありません。今回、まったく予想していなかったこと、起きてはいけないことが現実に起こってしまったことを胸に刻み、再発防止に努めております。巡業に使っていたバスは自社所有ながら、運転手はその都度、2名ずつ外部の方々に委託をしておりました。今後は再発防止と安全の徹底のために社有バスの運転を取りやめ、外部のバス運行会社に選手の移動を委託するようにいたしました。バスの乗降時には十分に安全に配慮し、例えば出発時や目的地が細い道沿いなどで運転手が不安を感じるような場合には絶対に停めず、少し離れていても安全に乗り降りできる場所に駐車をさせて自分たち自身で移動することにいたしました。他団体でも交通事故を起こさないよう、今回のケースを日本プロレスリング連盟に報告を行い、業界全体に周知、啓蒙させていきたいと考えております。交通事故は被害を受けた者も事故を起こした者も、そればかりでなく周りの人すべてに影響が及ぶ本当に怖いものだと今あらためて実感しております。バスについてだけでなく、普通車を運転する者も社内には多くおりますので、今後は警察署の協力を得て、定期的に社内で安全運転講習を行い、安全運転を徹底させていくつもりでございます。私どもも将来の全日を担うと期待されていた貴重な人材を失って深い悲しみの底におります。みんなに愛された長尾選手。今まで長尾選手に対して応援して下さり、リング復帰を信じてエールを送ってくださったファンの皆様にあらためて御礼を申し上げます」

――バスの運転手は現在どのような状況にある?

▼十枝取締役「現在の状況は、詳細は把握しているわけではございませんが、私が担当警察署の窓口になっておりますので、警察署からの報告によると、事情聴取を重ねておりまして、その後のすべてが終了していない状況にあります。運転手本人は警察からの呼び出しに対応しているという状況下にございます。警察署で事情聴取の上、その事情聴取を含めた書類を警察庁に送り、罪状が決まるというシステムになっておりますので。警察からの事情聴取の対応を運転手はしている最中だと理解しております」

――自社バスの設備に関しては十分だった?

▼十枝取締役「所有しているバスは定期点検、車検含めて、いわゆる法的点検、あるいは乗車前の設備点検等は徹底しておりました」

――事故の報告を誰が受け、どのような説明があった?

▼十枝取締役「事故そのものは選手の代表から私に一報がありました。事故のあと救急車を手配し、救急車に乗って今、救急病院に向かっている最中だということの内容でした。救急車を呼びましたので、警察も到着し、現場検証というような状態の中での報告がございました」

――救急車は選手が呼んだ?

▼十枝取締役「はい、選手が呼びました」

――事故発生時は選手がバスに乗っていた?

▼十枝取締役「はい」

――欠場時の発表が怪我のためとのことだったが、事故が起きて欠場に至ったという発表でなかった理由は?

▼福田社長「病院ですぐに治療を開始しましたものですから、どこまで入院が長引くか全くわからず、意外と早く回復できるかもしれないと思って、さほど深刻に捉えていなかったというのが最初の頃の話でございます」

――それは福田社長の判断だった?

▼福田社長「私の独断ではなく、社内での判断でした」

――誘導中の接触はどのような状況だった? 若手選手がバスを誘導するのは今までにあったこと? 再発防止の意味で今後はやめていく?

▼福田社長「まず再発防止の件ですけど、今回、誘導がどうして必要か。やはり狭い道というのが一つのネックだったものですから、先ほど申しました通り安全なところにしか停めないことを徹底してまいります」

――誘導は日常的だった?

▼福田社長「地元の安全を考えて行っていたことのようです。その前を関係ない車が通りかかって事故を起こしてもいけないですし、やはり従来あったことです」

――長尾選手のご家族には事故をいつ報告し、どのような対応をしている?

▼十枝取締役「当日、救急車で病院に搬送され、救急車に同伴していた選手がいるんです。(長尾さんの)ご実家が釧路なんですけども、その時点でその選手から釧路のご両親にご報告を申し上げ、関東にご親戚の方がいらっしゃって、まずご親戚の方が病院に到着され、ご両親も追って当日夜には病院に到着されました。私も選手から報告を受け、夕方ごろ病院に到着しました。今、ご両親とは日々、今後のことも含めていろいろ打ち合わせをさせていただいて。9月10日に火葬式といいますか火葬の儀を行わせていただいて、そこにも私ども全日本プロレス所属選手、スタッフも参列させていただいて、ご遺骨がご両親に。釧路でのご葬儀の詳細につきましては今の時点では日程は押さえているというふうに伺っておりますが、詳細はまだ決まっていないとのことでしたので、今その状態の中にあります。ご両親とは私が全日本プロレスの窓口として日々、ご連絡をいただいたり、ご連絡をさしあげたりという対応をさせていただいている最中です」

――火葬が行われたのは?

▼十枝取締役「横浜市内です」

――3ヵ月間、長尾選手の意識はあった?

▼十枝取締役「詳しい表現はしにくいところがあるんですが、基本、全身麻酔を打っていた中で集中治療室におりました。私も含めて選手、スタッフが6月中旬以降、病院とご両親の許可をいただき、面会をさせていただきました。そのタイミングにもよるんですけど、いわゆる麻酔を受けて睡眠されている状態の時、あるいは麻酔を受けていても睡眠をしていない状態の時があるようにうかがいまして。我々の面会の中で私もよく考えればということですけど、我々の問いかけに反応してくれたというふうに…面会の時は必ずご両親が立ち会っておりました。ご両親のお言葉とか我々の問いかけに、言葉が通じてる部分もあるのかなと。私個人的に言えば回復する可能性があるなという感じを受けました。ただ、それはご本人の表現じゃございませんので、何かを問いかけたり、激励したり、ファンからいただいた言葉を伝える時に、一大心君は反応してくれた感じを受けました。お父様、お母様もこのように動いたことはなったと。親しいスタッフであるとか、選手であるとかの問いかけにはいただいたように感じました。ただ、あくまでも私ども、私の個人的感想なので。それを信じたいと思います」

――今の選手たちのメンタルの状況は?

▼十枝取締役「これも皆様もお察しいただけるかと思いますが、今日の会見の最後にお願いしようと思っておりましたが、全日本プロレスは今、長尾一大心選手のご逝去に対して、気持ちの心の整理がまだできておりません。凄く悔しくつらい思いの中にあります。ただ、先ほど申し上げましたように、私はご両親様の担当をさせていただいておりますので、私どものつらい思い、悲しみの何百倍、何千倍もご両親はご心痛の中にあります。できればマスコミの皆様もご理解をいただいて選手にも、ご両親、ご親族にもご対応いただければありがたいと感じております。結論から言うと、まだ気持ちの整理が全日本プロレス、それ以上にご両親、ご親族はできていないという状況です」

――9・15後楽園大会で追悼セレモニーが行われるが、ファンがお別れする機会はそれのみ?

▼十枝取締役「それにつきましても今、ご両親にご了解をいただいて、15日の後楽園ホールから献花台を設けさせていただきます。その献花台の設置は12月31日まで献花台を私どもの各大会の中で設置させていただいて、そこでファンの皆様のお声をいただければと考えております」

▼福田社長「それと来月、北海道巡業がございまして、今の案ですと10月29日に釧路大会がございますので、それを長尾選手の追悼大会にできればいいということで準備をしているところでございます」

――団体として選手にどのようなケアが必要?

▼福田社長「選手たちのケアというのは具体的には会社としてするものではなくて、個人個人のものだと思いますので。一人一人が長尾選手頑張れという気持ちで。まだ希望がありましたので、エールを送るような気持ちで過ごしてきたのではないかと思います。今あらためて思うのが、たぶん共通して言えるのは、これからも長尾選手の分も俺たちで頑張ろうという気持ちだけは共通なものがあるような気がいたします」

▼十枝取締役「同様です。まだ全日本プロレス全員、整理ができてなくて、整理していかなきゃいけないんですけど、まず選手のケア等に関してはどのようなことがベターなのか考えて進めていきたいと思います。選手とは全体でも個人でも話していますが、本当に長尾一大心選手は所属選手のみならず、全日本プロレスに参戦いただきましたフリーの選手の方、他団体の選手の方、そして外国人選手の方、誰からも彼は愛されていました。かわいがられていました。その長尾一大心君のスピリッツを胸に、我々としては恒久的に彼を忘れずに前に進んでいこうという思いで、今後のケアも検討し、進めていきたいと思います。明日が長尾一大心君の22歳の誕生日です。本当に何度も申し上げますが、私ども、それ以上にご両親、ご親族の(心の)整理ができておりません。どうかご容赦いただければと思います」

――運転手は専業ではない?

▼十枝取締役「我々の社員ではなくて、外注した運転手の方です。運転手のビジネスと違うビジネスもしているというふうには聞いております。運転手でも生計を立て、他の業種でも生計を立て、いくつかの仕事をされていると聞いております」

――どのぐらい全日本プロレスの運転手を務めていた?

▼十枝取締役「全日本プロレスに関しては約2年弱ぐらいです。その他の運転履歴は確認をしておりますが、全日本に関していうと、何人か外注させていただけるドライバーの方を登録してあるんですね。その中で二人チョイスして運行してもらいましたが、その中の一人ですので、全ての巡業にその運転手が運転していたわけではないんですけど、基本、登録の中から稼働できる運転手をオーダーして、その中の一人です」

――運転手の健康管理は把握していた?

▼十枝取締役「基本的には運転手の体調不良については事前報告を行う形にしておりますので、事前報告がなかったことにより、体調不良ではないと判断してオーダーをしました」

――全日本側に直接的な落ち度はないようにうかがえるが、ご両親からすると全日本プロレスに対して感情を向けてしまうことがあると思うが?

▼福田社長「私からもこのような事故が起きてしまったことは本当に申し訳ないということで、まったく我々の責任ではないということではなく、やはり全日本プロレスとして、このような事故が起きてしまって申し訳ないことはお伝えしました」

――ご両親から全日本プロレスに訴訟を起こすなど法的なことは現時点でない?

▼福田社長「はい」

▼十枝取締役「先ほど申し上げましたように、まだご葬儀の前段階で、そういうことにはなりませんが、今後そのようなことも考えられると思います。ご両親側に立ってしまっているところもありますが、親御さんですから自分の息子を全日本に預けて、結果ご逝去されたわけですから、その心情はあると思います。皆さん、もしお子さんがいれば、同じような気持ちに絶対なるはずです」

――ご両親から選手、団体に託されたメッセージがあれば?

▼十枝取締役「火葬式、火葬の儀というのが9月10日、横浜市内の斎場で行われまして、そこでご両親さまから皆にメッセージというか、長尾一大心選手をみんな忘れないでいて欲しいというメッセージはいただきました。その他にもいろいろあるとは思いますが、まだまだご両親は我々以上のご心痛の中にありますので、今後またメッセージ等いただければ、選手、スタッフには私が責任をもって伝えたいと」

――亡くなる前にこのような会見ができたかもしれないが、発表が小出しにする形になった理由は?

▼福田社長「特に小出しにしたつもりはないんですが、本当に直前まで治ると信じてましたので、いつリング復帰できるかなぐらいな感じでおりましたものですから、特に記者会見を開く必要は感じておりませんでした」

――長尾選手に回復の兆しはあった?

▼十枝取締役「死因としては敗血症というところで、途中、安定と言いますか、これからちょっとずつよくなるんじゃないかなと思われる時期もありました。ただ、それが9月6日の朝に急変されてということでしたので」

――医師から回復途上にあるというような説明はあった?

▼十枝取締役「担当医療チームの責任者の先生から我々に直接のご説明はないんですが、担当の医師がご両親様にご説明されたことを私がご両親からうかがって社内に伝えたわけですが。先生からは毎回厳しいというご説明がご両親にあったようです。敗血症を私もご両親からうかがって、いろいろ調べたりしてみたんですが、感染症なんですね。たとえば、いろんな菌が感染して、それに対応する抗生物質ができなくなるというところが出てくると思うんで。感染症の進行、浸透で多臓器不全ということが起こったんであろうというふうに思います。医療チームの担当の先生もきちっとした期日は申し上げにくいんですが、これはお父様、お母様、長期戦になると。その長期戦というのがどのぐらいになるのか分かりませんが、治療が長期戦になるという意味で私は受け取ったんですが、そのようなご報告があった時期もありましたので。一方で我々がご両親の許可をいただいて面会できたということは、その時期は安定していたのではないかなという気がします。これは私見でございますけども、医学の立場から申し上げることじゃないんですが、先生とすると厳しい状況であるということがご両親にお伝えがあったようです」

――バスの誘導はいつごろから行われていた?

▼福田社長「それにつきましては私、知識がなくて、おそらくかなり前からという気がします。明確な答えができず申し訳ありません」

――腹部圧迫による外傷性ショックということで、体に傷はあった?

▼十枝取締役「圧迫されて、まず肝臓が損傷していました。肝臓から処置を医療チームに始めていただいて。肝臓の処置はお腹を開けての手術が必要でしたから、お腹を開けて肝臓の手術をされました。次に肝臓以外の臓器の損傷も見つかったので、その手術を、治療をされました。傷がなかったのかというとあれですが、お腹を開けた状態でその治療が施されました」

――他は綺麗だったと?

▼十枝取締役「これも私が面会させていただいた時、実は病院からいわゆる死因を特定するために警察にご遺体をお預けするんですけど、病院から警察にお預けする時に、ご逝去されたあと立ち会わせていただいて、お顔を触らせていただいたりしたんですけど、お顔の傷とかはありませんでした。ただ、面会した時よりもむくんでいるなというような状況にありました」

――リリースを小出しにしたつもりはないとのことだったが、7日にバスとの接触事故と発表され、2週間後に巡業バスでの事故だったと。情報の出し方が段階的だったのはどういった経緯だった?

▼福田社長「そこの部分は深く考えておりませんでした」

――集中治療室にいたのは事故の当初から?

▼十枝取締役「そうです。救急で運ばれて、その措置がありましたので、数日後には手術をしましたから」

――どういった経緯でこのような段階的な発表になった?

▼福田社長「今、思いつかないというか、ちょっと思い出せないです。理由というのがなかなか、なぜその発表になったかと言われても…」

――7日から21日の間に状況が大きく変化したわけではない?

▼福田社長「はい。巡業バスというのを付け加えた方がやはりいいだろうと思い立った時に発表したという感じですね」

――それは福田社長の判断で?

▼福田社長「社内です」

▼十枝取締役「質疑の中でもお話しできる範囲でお話しさせていただきましたが、長尾一大心選手ご逝去に伴い、本当に申し訳ありません。我々の気持ちの整理ができていなくて、本当にそれ以上に、しつこいようですけど、ご両親様、ご親族様、我々以上に本当にご心痛の中にあります。どうかマスコミの皆様もご理解いただいたうえで。我々は長尾一大心選手のスピリッツを胸にさらに選手は進んでまいります。皆様もどうか長尾一大心選手、忘れないでください。全日本プロレスは長尾一大心選手のご冥福を深く深くお祈り申し上げます。本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございました」